【経済考】「円安」はプラスかマイナスか

経済
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おはようございます。今朝は早朝からもう気温が高かったですね。長い冬の日々には、ワンコの散歩も遅い時間に出れたのですが、最近は散歩の時間がだんだん朝早くなってきました。

暑くなる前に散歩しないと、ワンコが暑さで参ってしまいますからね。

コロちゃんは、今朝強い日差しの下で、「来月には、ワンコの長い毛をカットしてやらなければならないなー」と考えながら、ポテポテ歩いてきました。

きょうは、最近また143円まで進行している「円安」についてポチポチします。

1.「円安」とは?

最近の報道で「円安が進んでいる」と流れることがありますよね。

あんまり私たちには関係がないように思って、そのままスルーすることがほとんどだと思いますけど、実はけっこう深刻な影響をもたらしていることがあるんですよね。

例えば「電気料金」です。今年の冬に爆上げして、コロちゃんもビックリ・ドッキリ、激おこぷんぷん丸でした。
\\\\٩(๑`^´๑)۶//// 激おこプンプン丸!

その時の「電気代爆上げ」のブログ記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

【経済考】電気料金爆上げだよ❗️

この時の「電気料金爆上げ」は、世界的な原油価格の上昇に一因がありますが、「円安」の影響もありました。

原油価格を日本が支払う場合には、世界通貨であるドルで決済するのですが、「円安」は円の価値が減価するわけですから、より多くの「円」を支払わなければならなくなります。

「円安」とは、他国の通貨に対して、円の価値が下がることを意味するのです。

2.「1㌦360円」の時代

そもそも「円」という通貨は、1871年(明治4年)に「新貨条例」という法律で、「1㌦1円」と設計されていたようです。

その後、ドル円の価値が変動する中で、太平洋戦争開始の1939年頃は、「1㌦4.25円」程度でしたが、終戦の1945年になると、「1㌦15円」に設定されます。

そして、1949年になるとGHQ(連合軍総司令部)が発表したレートとして「1㌦360円」の固定相場となりました。

この「1㌦360円」の固定相場のレートは、1971年まで22年間続きました。今から見ると、このレートは、当時の日本経済の実力からして過小評価されていたのではないかとされています。

円が安い(数字が大きい)と、ドル建ての「輸出」の製品価格が下がりますから、輸出競争力が上がるんですよね。

その「輸出」に有利な「1㌦360円」という固定相場によって、日本経済は高度成長にまい進したと言われています。

その後、ベトナム戦争の出費に音を上げたアメリカ経済の低迷により、1971年の「ニクソンショック」から、通貨は「固定相場制」から「変動相場制」に移行していきました。

現在のドル円は、「1㌦143円台」です。(6月25日8:00現在)

3.「円安」は輸出に有利

よく日本は「輸出立国だ」と言われますよね。上記したように「円安」はその輸出に有利です。

「円安」になると、輸出企業は、海外に販売する製品の価格を下げることができるようになります。輸出競争力が増します。

「円安」の時に商品の価格を据え置けば、何もしないでも通貨を交換するだけで利益が増えます。

ですから「円安」は、「輸出企業」にとっては利益・収益が増える歓迎すべきことなのです。

日本では「輸出企業」というと「大企業」がほとんどを占めます。ですから「大企業」は「円安」を歓迎するのです。

4.「円安」は輸入に不利

上記の「輸出企業」と違って、正反対の影響を受けるのが「輸入企業」です。

「輸入企業」は、海外から購入するモノの値段が「円安」になると上がってしまいます。

「円安」は、海外通貨の価値が上がるのですから、価値が上がった通貨を支払うために「輸入企業」は業績にマイナスの影響を受けるのです。

日本では「輸入企業」は、「中小企業」が多いです。「輸出の中小企業」は「円安」は嫌いと言うことになります。

5.「日本経済」は「消費」が大きい

上記で「日本経済は輸出立国と言われる」と書きましたが、実はそうではありません。

下記のグラフをご覧ください。

「国土交通省 我が国の経済状態」より

https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h27/hakusho/h28/html/n1114000.html
出典:国土交通省 我が国の経済状態 より(6月25日)

上記のグラフは、名目GDPのものですが、輸出はGDPを押し上げ、輸入は逆にGDPを押し下げる要素となります。

その差額の「輸出入」(輸出88.4兆円ー輸入99.7兆円=11.3兆円)が、上記の円グラフに「輸出入」(11.3兆円)として記載されています。

このグラフを一目見てもわかるように、円グラフで一番大きな領域はピンクの「民間消費」です。

「民間消費」は、GDPの「59.9%」をしめているのです。

日本は、マクロ経済で見れば「輸出立国」ではなく「消費大国」「需要大国」なのです。何しろ人口が1.2億人もいるのですから。

人口の多い国は、経済成長には、それだけで有利です。大きな国内市場があるからです。

「世界人口ランキング」で日本は11位です。世界で日本より人口の多い国は10ヵ国しかないのです。

日本は「輸出立国」ではなく、「人口大国」で「消費大国」「需要大国」なのです。

6.「円安」はプラスかマイナスか

先日の新聞報道でも、「欧州ワインの値上げ」や「高級時計の値上げ」が誌面をにぎわしていました。

昨今の「円安」で、食料品の値上げだけではなく、欧州からの輸入品の値上げが目立ち始めたのです。

一方「円安」は、輸出している自動車や工作機械などの大企業の懐を潤しています。上記で「円安」の恩恵は「大企業」の「輸出企業」を潤していると書きました。

これらの「大企業」の「輸出企業」は「円安」のメリットを享受しています。

しかし、日本の食料自給率は、カロリーベースで38%、生産額ベースで63%です。

多くの「食料品」が輸入されて、「円安」で値上がりしてきているのです。

これらの「中小企業」の「輸入企業」にとって、「円安」は悪夢です。

価格転嫁で値上げがされれば、悪夢は「消費者」に転嫁されます。しかし、現実には転嫁できない「中小企業」も多いようです。

これらの「中小企業」の「輸入企業」と「消費者」にとって、「円安」は「値上げ」の原因であり、デメリットでしかありません。

新聞報道には「日本経済全体として、円安はプラスかマイナスかー。議論は尽きない」と書かれていましたが、もっとハッキリと書くべきだとコロちゃんは思います。

「円安」で利益を得る者と被害を被る者は、はっきり分かれているのです。その点を明確に指摘して、その是正措置をきちんと提案すべきだとコロちゃんは思います。

7.「円安」は政府・日銀の目指した政策

現在起きている「円安」は、災害のように自然に起きたものではありません。2013年に、政府・日銀が「共同声明」を出して、政策として遂行されているものです。

下記の引用をご覧ください。

「首相官邸 大胆な金融政策に向けて~日本銀行と共同声明」

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/nichigin_accord.html
出典:首相官邸 大胆な金融政策に向けて~日本銀行と共同声明 より(6月25日利用)

上記の引用の「共同声明」(アコード)は、2013年に当時の安倍総理と白川日銀総裁が合意して、発表したものです。

現在も、この共同声明は生きていますし、「政府」と「日銀」の政策を拘束しています。

上記の引用には、「①大胆な金融政策」と「2%の物価安定の目標」が、書き込まれています。

この二つの文言が、政策化されて「異次元の金融緩和」として現在も続いているのです。

そして、この「異次元の金融緩和」が、現在の「円安」を招来しているのです。

この「共同声明」の目指すものは、「経済の再生」=「日本経済の成長」のはずですが、未だに到達できていません。

今の到達点は「円安」と「物価高」が進行しているだけです。

コロちゃんは、10年かかっても到達できない政策は、「到達点の設定」を誤っているからではないかと思います。

そろそろ、この「異次元の金融緩和」と「円安政策」を見直すべき時期が来ているのではないかと考えますが、皆さんいかがでしょうか。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

NoName_13によるPixabayからの画像
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