おはようございます。昨日のこのブログでは、珍しく「G7首脳宣言」という「政治イベント」をとりあげました。
コロちゃんは、「ヘタレ」ですから争うことが嫌いです。だから、文書の中にちょっとでも「硝煙の臭い」を感じると、すぐに反応しちゃうのです。
しかし、今日落ち着いて、新聞などが「G7首脳宣言」の内容を深堀りした記事などを読むと、新興国や中国へ、それなりに気を使った文言があることを知りました。
今日は、そのあたりをポチポチします。
1.コロちゃんのスタンス
コロちゃんは、争うことが嫌いです。それは、対人関係でもそうですし、対国家間でも同じです。
だって、勝っても負けても、必ず後を引きますもん。
ゲームならば、勝ち負けの後は終わってしまいますけど、現実の歴史では、そうはなりません。勝てば、恨みが残りますし、負ければ、被害が残ります。
昭和の戦争なんて、戦後80年近くたっても、未だに尾を引いているのですからね。
今でも「政治的」な出来事は、賛否が分かれていて、その考えや判断が正しいのかどうかは、長い時間がたたないとわからないことが多いのです。
まあ、それだからこそ、現実をどう見るのかの視点と解釈が、数多く分かれるのだと思います。
2.G7首脳会議のあれこれ
もともとG7というのは、世界経済が混乱した1970年代に、始まった「先進国クラブ」です。
しかし、現在の世界ではそのG7 のみでは解決できないことが増えることによって、今回は「インド・インドネシア・ブラジル」などの、「グローバルサウス」諸国を招いて開催されました。
今回の広島サミットは、日本が議長国として主導したわけですが、焦点は、「ウクライナ戦争」と「対中国対応」にあったと思います。
コロちゃんは、5月21日の日経新聞の一面トップの見出し「中ロ威圧に対抗」という言葉から、「好戦的な臭い」を感じてしまったのです。
だけど、その後の後追い報道で、その首脳会議の詳細な様子が報じられてきました。
3.中国対応
「G7首脳宣言」は、「中国と率直にかかわり、…国際的な課題で中国と協力する必要がある」と、中国を排除する考えがないとの内容にまとめています。
そして、「中国に危害を加える意図はない。デカップリング(経済的切り離し)をせず、内向きになることはない」と、文言で断言しています。
そのあとには「重要なサプライチェーン(供給網)における過度な依存を減らす」と、中国と決定的には決裂しないとのシグナルを出しています。
この宣言文の内容で「デカップリング(分断)」ではなく、「デリスキング(リスク低減)」という文言を選択したのが、肝なのでしょう。
そもそも、現在の中国経済の規模からして、完全なデカップリング(分断)など不可能な世界経済の現実があります。
その下では、G7諸国といえども、先端技術のみの限定したデカップリング(分断)に止まらざるを得ないのが現実だと思います。
この「G7首脳宣言」に対して、中国外務省は「日本がG7議長国として中国を中傷して攻撃し、内政に乱暴に干渉した」「強烈な不満と断固とした反対」と反応しています。
まあ、これは「お約束」のような反応です。何も言わないと、これを認めたとみなされてしまいますからね。
コロちゃんが注目したのは、アメリカのバイデン大統領が、21日に広島で開いた記者会見の中で、米国と中国の関係をめぐり「まもなく雪解けする」と語ったと伝えられたことです。
そして「台湾有事」を念頭に「避けられないものだとは思わない」と強調したとも報じられています。
なんとも、見事なアメリカの危機管理の手法ではないですか。
「G7首脳宣言」で、「中ロ威圧に対抗」と強硬姿勢を示し、その後すぐに「まもなく雪解けする」と慰撫するやり方は、政治手法とはこういうものかと思わせますね。
ただ、首脳宣言の文言を最初に書いたのは日本の外務官僚さんでしょうから、このストーリーに治めたのは、その方たちの努力なのかもしれません。
4.グローバルサウス対応
今回の「G7サミット」には、インドのモディ首相を始め、「グローバルサウス」と呼ばれる諸国の首脳も呼ばれています。
これは、現在の世界経済の中で「グローバルサウス」の存在感が大きくなっていることの表れかと思います。
「ウクライナ戦争」における「ロシアへの制裁」にしても、G7がいくら制裁を強化しても、インド・中国や新興国の抜け穴がある限りは、制裁は決定的なものにはなりません。
世界は、すでにG7だけでは、主導できる情勢ではなくなっているのです。
そして、中国をはじめ新興国の多くは、民主主義の価値観に疑問を抱く、権威主義国家であるのが現実です。
そこで、今回のG7サミットでは、今まであった「自由や法の支配といった普遍的な価値を共有する国々と手を携えていく」という文言を変更しています。
今回のサミットで、日本が書き込んで提言したのは「法の支配」と「振興・途上国との協力」です。
新興国にとって、「民主主義」より受け入れやすい価値観を提示したのでしょう。
グローバルサウスの有力国であるブラジルのルラ大統領は、21日の討議で、「私たちは多極秩序の出現を目の当たりにしている」と発言したそうです。
コロちゃんは、この経緯を知って、世界は「理念」では動かない、リアルでしか動かないという現実を目にした思いを持ちました。
5.日本が声を上げるべきだったこと
コロちゃんが読んだ「G7サミット」は、「対中国配慮」「対グローバルサウス配慮」が、際立つものでした。
その文言の背景を想像するだけで、現在の複雑な国際関係が見える思いを感じました。
しかし、新聞は同時に「被爆者団体」の声を伝えています。
「共同文書」には、被爆者や核禁止条約についての言及は一切ありません。そのことについて、被爆者団体は「被爆者の一人として怒り、憤りを感じている」と語っています。
G7首脳と岸田総理は、5月21日にそろって「広島平和記念資料館(原爆資料館)」を訪問して、記帳していることが伝えられています。
ですから、おそらく「G7首脳宣言」に「核関連」の文言を残すことを嫌がったのでしょう。広島に原爆を投下したアメリカへの配慮かと、コロちゃんは思いますね。
コロちゃんは、「被爆地広島」を前面に押し出しながら、「被爆者・核兵器禁止条約」には触れていないことに、政治とはこういうものと思いつつ、いやらしさを感じました。
G7サミットの首脳たちは、サミット初期の1970年代よりは小さくなったとはいえ、現在の世界の中心的国々の指導者たちです。
広島で、戦争の惨禍の歴史をみたのですから、このような悲劇をこれからの世界で起こさないようにしてほしいと、コロちゃんは心から思います。
なお、これらの所見や感想は、コロちゃんが新聞を読んでの感想です。誤解や過ちがありましたらご容赦ください。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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