おはようございます。今日はさわやかな5月晴れの朝でした。朝のワンコとの散歩も心地よく歩くことができました。
コロちゃんのその後は、いつものコーヒータイムと新聞バサバサのお時間ですが、今日は「ゆでがえるは目覚めたか」との記事について、ポチポチしたいと思います。
1.「永遠の人材難が変化迫る」とはいうけれど
その記事は、日経新聞5月8日付けの「オピニオン欄」の論説主幹の原田亮介氏の署名記事です。
見出しは「ゆでがえるは目覚めたか」となっています。
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この記事の内容は、「日本経済が長期停滞を脱するチャンスを迎えた」というものでした。
人口減少がもたらす永遠の人材難が、企業の大幅賃上げと設備投資意欲の高まりを将来しているというのです。
その裏付けとして、過去10年間の労働力人口が、生産年齢人口が減っているにもかかわらず、337万人も増えていることを挙げています。
2012~2022年の間の25~44歳の労働力人口は341万人も減少していたのに対し、その数を大きく上回る労働力が流入してきたというのです。
その人材プールを以下のように指摘しています。
「65歳以上」から 317万人
「女性」から 327万人
「外国人」から 114万人
上記の「人材プール」が、とうとう枯渇してきたというのです。
そして山田久法政大学教授の話を引用して「新しいルイスの転換点を迎えた可能性がある」と指摘しています。
「ルイスの転換点」とは何か? 下記の引用をご覧ください。
「ウィキペディア ルイスの転換点」より
「イギリスの経済学者、アーサー・ルイスによって提唱された概念。開発経済学において用いられる」
「工業化前の社会においては農業部門が余剰労働力を抱えている。工業化が始まると、低付加価値産業の農業部門から都市部の高付加価値産業の工業部門やサービス部門へ余剰労働力の移転が起こり、高成長が達成される」
「工業化のプロセスが順調に進展した場合、農業部門の余剰労働力は底をつき、工業部門により農業部門から雇用が奪われる状態となる」
「この底を突いた時点がルイスの転換点である。日本においては1960年代後半頃にこの転換点に達したと言われる」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%AE%E8%BB%A2%E6%8F%9B%E7%82%B9
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「ルイスの転換点」 最終更新 2023年2月22日 (水) 13:34
上記の引用でもわかりますが、日本の高度成長時には、地方から都市部へと流入した若者が工業化を支える労働力となりました。
その地方からの労働力が枯渇して高度成長が終焉を迎えた時点が「ルイスの転換点」です。
日本では1960年代に「ルイスの転換点」を迎えたと言われており、現在の中国がその段階だと言われています。
その「ルイスの転換点」の「労働力の枯渇」が、現在の日本で起きつつあると、この記事は主張しているのです。
その結果、今後の日本では「労働供給制約社会」が招来し、「永遠というべき人材難」が到来すると予測しています。
しかし、悲観的なことだけではなく、人手不足の時代は「危機であり希望でもある」と、省力化投資やデジタルトランスフォーメーションへの転換を語ります。
本記事の最後には、「リスクに挑まなければ茹でがえるに逆戻りだ」と警告を語り、「カエルは勇敢なペンギンに変身できるだろうか」と締めています。
2.コロちゃんが、以前のブログで語ったこと
コロちゃんは、この労働力人口の減少による「労働力希少社会」の到来を、このブログの2月28日の「【経済考】日本は経済成長できるかなぁ」との記事で書いています。
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このブログで、コロちゃんは、以下のように書いています。
「総務省の『労働力調査』によれば、生産年齢人口(15~64歳)は、1995年から2022年にかけて1284万人も減少しています。」
「しかし、その期間中に高齢者と女性の就労者が、減少分をカバーするように増えて、なんと就業者数は逆に266万人もふえていたのです。」
「それが、いよいよ限界に来ました。女性も老人も、もうこれ以上の労働供給は期待できない時代に入ったのです。 」
「これからの日本は『労働力希少社会』となっていきます。」
「そうなると、次に来るのは賃金の高騰となるでしょう。産業構造が変化するほどの規模になると思われます。 」
コロちゃんのこのブログ記事は、上記の日経新聞の記事と同じ見解ですね。
データをみれば誰が見ても同じ結論となります。
日本の人口減少による、「労働力希少社会」の到来は間近に迫っているのです。
ただし、その結論は、日経新聞の記事とコロちゃんのブログ記事とでは、やや違います。
上記の日経新聞記事では「カエルは勇敢なペンギンに変身できるだろうか」と、やや不安そうな疑問で結論を締めています。
コロちゃんのブログでは、「日本の進む道はナローパス(狭い道)」と、より悲観的に見ているのです。
3.高齢者の社長が「ファーストペンギン」になれるのか?
調査によると、2022年の全国400万社の社長の平均年齢は、過去最高の63.02歳で、60代以上の社長の構成比が初めて60%を超えたとされています。
コロちゃんも高齢者ですから、あまり言いたくはないのですが、このお年寄りの社長さんが、今から「新しい改革」ができるのでしょうか。
上記で取り上げた記事に「ファーストペンギン」という言葉がありました。
下記の引用をご覧ください。
「ウィキペディア ファーストペンギン」より
「『ファーストペンギン』は、2022年10月5日から12月7日まで日本テレビ系「水曜ドラマ」枠にて放送されたテレビドラマ」
「タイトルの『ファーストペンギン』とは、元来臆病なペンギンの中で、多くの敵が潜む海に最初に飛び込み、仲間たちを先『する『勇気ある一羽目のペンギン』を指す」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3!
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「ファーストペンギン」最終更新 2023年4月26日 (水) 14:23
上記の引用には、「ファーストペンギン」とは「勇気ある一羽目のペンギン」とされています。
日本の平均年齢が63歳の社長さんが、この「勇気ある一羽目のペンギン」になれるとは、コロちゃんには思えないのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか。
「ファーストペンギン」が飛び込んでも、結果が出るのは、長い年月がかかる場合もあるでしょう。
そのような中・長期の視点が持てるような60代の社長がいるならば、本人が「一羽目のペンギン」になるよりも、有能な後継者にバトンを渡すでしょう。
コロちゃんには、現在の企業が「ファーストペンギン」になれるとは、到底思えません。
臆病なペンギンのまま、状況に流されて環境の激変の時を迎えるのではないでしょうか。
4.やはり、日本の進む道はナローパス(狭い道)
上記で分かるように、日本の「少子高齢化」は既に厳然たる事実ですし、それによる「労働力人口」の減少も既に始まっています。
下記のグラフをご覧ください。
「総務省統計局 労働力調査」より
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf
出典:総務省統計局 労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約より(5月9日日利用)
上記のグラフをみると、男女計の「労働力人口」は、2020年に10万人減少し、2021年には5万人増加したものの、昨年2022年には、再び5万人の減少となりました。
コロナ禍という状況はありましたが、もう日本で労働力人口が増える余地がなくなってきたことは、多くのデータが示しています。
それでは、これから日本が直面する「労働力希少社会」「永遠の人材難」を、多くの企業が乗り越えていけるのでしょうか。
乗り越えるためには、多くの改革や変革が必要とされるでしょう。企業としては、大きなリスクを覚悟しながら、思い切って進む必要があるのでしょう。
しかし、コロちゃんには、ほとんどの企業が横並びに周りを見ながら、躊躇している姿しか想像できません。
やはり「ゆでがえる」は、「ペンギン」にはなれずに、眠ったまま流されてしまうのではないかと思います。
このように見てみると、日本が進む道をソフトランディングさせることは、相当なナローパス(狭い道 )かと思われます。
しかし、おそらくごく少数のペンギンだけがそのナローパスを潜り抜けて、生き残っていくのでしょう。
コロちゃんは、その社会の激変をみたい気持ちもありますが、多くの庶民が苦しむことになるかもしれないと思うと、なんとか社会をソフトに着地させてほしいと心から思います。
コロちゃんは、みんなが笑って過ごせる未来を痛切に願っています。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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