【経済考】「所得格差」から「教育格差」へ

経済

おはようございます。今朝は良い天気でした。ワンコも嬉しそうにポコポコ歩いてましたね。

今日は、新聞に「所得」と「教育格差」のお話が出ていましたので、それについてポチポチします。

1.新聞で読んだシビアなお話

本日に読んだ新聞記事は、「教育格差『ワニの口』に」という見出しで、高所得層による教育費の差が広がっているというお話でした。

この記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

教育費の格差は「ワニの口」 高所得層の支出、平均の2倍 - 日本経済新聞
所得階層による教育費の差が広がっている。世帯年収が平均1200万円超の層の支出が増え、2022年は初めて全平均の2倍超となった。特に塾代の伸びが著しく、ほかの層の伸びが追いついていない。年を追うごとに差が広がる「ワニの口」状態だ。高所得者層に追いつこうと中低所得層が教育費の負担を増やせば、家計を圧迫して少子化が加速しか...

この記事によると、「二人以上の勤労者世帯」の所得階層を5つに分類しています。

そして、最上位の層の子どもへの教育費は、平均値の2倍超で、最下位の層の子どもと比べると6倍強となるとの数字があげられていました。

日本の「高所得者層」が教育投資を増やすなか、今後「中低所得者層」の教育費ヘの不安や諦めは強まっていく可能性があると書いているのです。

2.この記事の「所得階層別」の「教育費支出」

この記事では、5グループの「所得階層別」の「平均年収」と、「教育費」の支出を以下のように紹介しています。「平均年収」は左側で、「教育費」が右側です。

①平均年収¥371万円。教育費¥7.1万円。
②平均年収¥557万円。
③平均年収¥696万円。
④平均年収¥871万円。
⑤平均年収¥1288万円。教育費¥44.2万円。

この上記⑤の「高所得層」の「教育費」の44.2万円は、全体の平均値21.7万円の倍以上となります。

この倍以上という数値は、比較可能な2000年以降で初めてだと、記事では書いています。「経済格差」が「教育格差」に進行しつつある現状を訴えているのです。

そして所得階層による差が特に目立つ例として「補習教育」を挙げています。

教育ステージ別の「高校」の「補習教育」では、⑤の「高所得層」と①の「低所得層」とでは14.9倍にもなると伝えています。

なお、この平均年収は「二人以上の勤労者世帯」の数字です。コロちゃんのような、おひとり様の高齢者は入っていません。

このブログをお読みの方で、「二人以上の勤労者世帯」の方がいらっしゃいましたら、自分の家庭が上記の「平均年収5分類」のどこに属しているか、ぜひお確かめ下さい。

ご自分の家庭の日本社会での「経済的位置」がわかります。①が「低所得層」、⑤が「高所得層」ですね。

3.別の資料で確認してみよう

この「所得」と「教育」の関係を、別の資料で見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 少子化社会対策に関する調査等」より

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa21/net_hiyo/pdf/zentai/3sho_2.pdf
参照:内閣府  少子化社会対策に関する調査等  平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 全体版(PDF)より(6月4日利用)

上記のグラフによると、「中学生の子育て費用」は、世帯年収が高くなるほど「学校教育費」と「学校外教育費」が多くなっています。

「学校教育費」を比べてみると、「世帯年収300万円以内」では19.8万円に対し、「世帯年収1000万円以上」では、52.6万円と2.6倍となっています。

これは「高所得層」の子どもに「私立中学進学」が多いためと思われます。

そして、「学校外教育費」を比べてみると、「世帯年収300万円以内」では16.8万円に対し、「世帯年収1000万円以上」では31.6万円と1.8倍となっているのです。

「学校外教育費」とは、塾のことかと思われますが、このように、現在の日本では親の所得によって、「教育格差」が広がってきているのです。

上記の新聞の記事は、いくつかの資料でも裏付けることができます。親の「所得格差」は、そのまま次世代の「教育格差」という形で引き継がれています。

この資料には、上記した「中学生」以外にも、「未就園児」「保育所・幼稚園児」「小学生」のデータもありますので、ご興味のある方は上記のリンクからお読みください。

4.「教育とは、決して盗まれることのない財産である」

この小見出しの言葉「教育とは、決して盗まれることのない財産である」とは、池上彰さんの著作でよく見かける言葉です。

コロちゃんは、池上彰氏の著作は好きでずいぶん読んできましたが、その内容の中で、とりわけ印象に深く残っている言葉がこれです。

コロちゃんは、この言葉が大好きなのです。

「教育」という「資産」は、一度身に着けると奪われることがありません。

もちろん「教育」を身に着けても、十分生かせていない方もいると思いますが、それでも「教育」がなければ、人生の「ドア」を広く開けるチャンスを得られないことが多いと思っています。

しかし、上記で読んだ、現在の日本の社会では「高所得層」でなければ「教育」の扉を開くチャンスが限りなく小さくなってしまっているようです。

「格差」が進行している日本だからこそ、せめて「教育の場」だけは、「所得格差」が影響しないようにシステムを変えて欲しいと、コロちゃんは痛切に感じます。

5.岸田総理、お願いします

岸田総理は、先月の5月15日の「経済財政諮問会議」で、「分厚い中間層を復活させる」と表明なさいました。

その発言は、5月16日の日経新聞で報じられています。その内容をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

政府・日銀、賃上げ持続検証 諮問会議 2%物価目標へ足並み - 日本経済新聞
政府は15日の経済財政諮問会議で、2%の物価上昇の実現に向けて日銀と賃上げの持続を検証していくことを確認した。今春の労使交渉で賃上げ率は30年ぶりの高水準を見込むものの、欧米と比べてなお弱い。所得の底上げに目配りし、デフレ脱却を狙う。岸田文雄首相は会議で「企業があげた収益を労働者に分配し、分厚い中間層を復活させる」と述...

この記事によると、この経済財政諮問会議で岸田総理は「企業があげた収益を労働者に分配し、分厚い中間層を復活させる」と、ハト派(経済派)らしいご発言をなさっています。

この言葉を口にするだけでなく、現実のものとして、日本の「教育格差」と「所得格差」を平準化していただきたいと、コロちゃんは思います。

「社会的格差」の是正は、個人の努力だけではどうしようもありません。是正は、社会の義務です。すなわち為政者の義務です。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

NoName_13によるPixabayからの画像
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