【経済考】お給料は増えましたか?

経済

おはようございます。今朝コロちゃんが目を覚ました時のことです。

「あれれ? 何か左目が痛いな?」

朝いつものように伸びをしながら、ベッド脇の手すりをつかんで立ち上がると、なんか左目が開きにくいんです。
コロちゃんの腰は朝が一番痛むので、手すりを掴まないと立ち上がれないんです)

その「左目の空きにくさ」は、朝のシャワー後も続いています。

「おっかしいなー?」と、手鏡でよく見てみると、左目の目じりが赤い線で切れていました。

「あらら、こんな場所にあかぎれが出来てたよ」byコロちゃん
(@゚Д゚@;)あらら・・・?

なんと、目じりに切れ目が入っていたのです。こんなことは初めてですね。

コロちゃんは、慎重にそーっと顔にクリームを塗りましたよ。

このクリームは、亡き妻が使っていたもので、亡くなった後にはコロちゃんが引き継いで使っているものですから効果があるでしょう・・・多分。

目じりの痛むあかぎれに無事クリームを塗ったところで、今日は「お給料は増えていますか?」をカキコキします。

なお、コロちゃんが顔と目じりに塗ったクリームは以下のフォトです。良い香りがしますよ。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「昨年の賃上げは物価に負けた、今年の見通しはさらに意欲的」

☆「名目GDP3%は高望み? 物価が上がれば、経済も成長?」

☆「経済の目的は、国利民福」

1.「昨年の賃上げは、物価に負けた」

皆さん、このところよく「物価に負けない賃上げ」って言葉をよく聞きませんか?

直近では岸田総理が「1月7日のNHKの日曜討論」で、「官民の政策を動員して、物価高騰に負けない賃上げを今年実現したい」と語っておられます。

そして経団連の十倉雅和会長も、1月5日に「経済3団体の新年祝賀会」後の共同会見で「物価高に負けない賃上げを会員企業にお願いしている。これはもう企業の責務」だとご発言されています。

正に「政財界一体」となって「物価に負けない賃上げ」を目指していますね。

しかし、これは今年に入ってから言い始めたわけではありません。

一昨年2022年10月28日の記者会見でも、岸田総理は「物価上昇に負けない賃上げが行われるよう・・・全力を挙げてまいります」とご発言なさっています。

これは「経団連」も同じです。

経団連の十倉会長は2022年12月5日の「定例記者会見」でも「2023年春季労使交渉」について「物価上昇に負けない賃金引き上げは経営側の責務である」とご発言をなさっています。

その結果として昨年2023年の「賃上げ額」は、30年ぶりという「ベースアップ+定期昇給=3.58%」となったわけです。
(連合最終集計より)

しかし報道によりますと、昨年2023年の「一人当たり雇用者報酬の増加率」は「前年度比2.4%」です。「消費者物価上昇率3.0%」を下回っています。

要するに岸田総理と経団連の十倉会長は、昨年2023年は「物価に負けない賃上げ」を目指したけれど、「負けちゃった」ので、「今年こそは何としても勝つぞ!」とおっしゃっているのです。

2.「今年の経済は見通しは、さらに意欲的」

政府は、昨年12月21日に「財政諮問会議」を開いて、2024年の「経済成長率見通し」を3%と発表しています。

そして、2024年の「物価上昇率見通し2.5%」、そして「所得上昇率見通し3.8%」と発表しました。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 官民が連携した賃金上昇・所得上昇による物価高の克服」より

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/1221/shiryo_02-1.pdf
出典:内閣府 令和5年第17回経済財政諮問会議 令和6年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度 より(1月8日利用)

上記のグラフは、昨年2023年と今年2024年の「物価上昇率と所得増加率」見通しの比較です。

薄い青色が「物価上昇率」で、淡い土色が「所得増加率」です。

このグラフの添付文には「2024年度の賃金上昇率は、2023年度を上回ると見込む」と書かれています。

グラフの数字を下記に書き出しますね。

◎「2023年度」

①「物価上昇率 3.0%」
②「所得上昇率 2.4%」

この数字を見ると、2023年度は「所得上昇率」が「物価上昇率」に負けたことがハッキリとわかります。「物価を上回る賃上げ」は実現しませんでした。

そして、今年2024年の見通しが以下の数字です。

◎「2024年度」

①「物価上昇率 2.5%」
②「所得上昇率 3.8%」(定額減税寄与度1.3%程度)

確かに「②所得上昇率3.8%」が、「①物価上昇率2.5%」を上回っています。この「見通し」どおりとなれば「物価に負けない賃上げ」が実現します。

しかし「②所得上昇率3.8%」には、「定額減税(1人4万円)の寄与率1.3%」が入っています。これを抜いたら「①物価上昇率2.5%」と同率で並びます。

しかし「定額減税(1人4万円)」は1年限りですし、「物価上昇率」が2.5%に納まる保障はありません。

現在わかっている足下の「物価上昇率」は、下記の通りです。

(2023年11月:消費者物価指数:生鮮食品を除く総合:前年同月比2.5%増)

このように見ていくと、「物価上昇を上回る賃上げ」の実現には以下の2つが前提条件となります。

◎「2024年:物価を上回る賃上げ実現の前提条件」

①「物価上昇率が昨年(3.0%)より下がる(2.5%)」

②「所得上昇率が昨年(2.4%)より上がる(2.5%)」

(2024年の所得上昇率3.8%は定額減税1.3%を含めているので差し引くと2.5%になります)

上記の①②の二つの条件を共にクリアしなければ、「物価を上回る賃上げ」という目標には、昨年同様に到達できません。

このように見ていくと今年2024年に「物価を上回る賃上げ」が実現するかは、なかなかスリリングなことになりそうです。

3.「名目GDP3%は、高望み?」

上記の「政府経済見通し」で「2024年度の名目GDP成長率3%」と発表していると書きましたが、実はこの「名目3%」とは、とても高いチャレンジングな成長率目標なのです。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 名目GDP成長率」より

https://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/r5chuuchouki7.pdf
出典:内閣府 中長期の経済財政に関する試算 より(1月8日利用)

上記のグラフは「内閣府」が発表している2012~2032年の「名目GDP」です。
(2023年以降は予測)

赤線の「成長実現コース」と、青線の「ベースラインコース」の2通りの予測線が記載されています。

このグラフで2025年の予測値を見ると、「成長実現コース2.5%・ベースラインコース1.4%」となっています。

上記しました2024年の「物価上昇率」と「所得上昇率」は、「名目GDP3%」を前提として導き出されています。

(内閣府の「令和6年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」には、以下の記載があります)

(令和6年度(2024年度)は、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」の進捗に伴い、個人消費や設備投資等の内需がけん引する形で、GDP成長率は実質で1.3%程度、名目で3.0%程度と見込まれる)

「名目GDP3%」とは、上記のグラフの「成長実現コース2.5%」をも上回る高成長なのです。

そんな高い数字を実現することが、果たしてできるものでしょうか?

参考までに、過去の「名目GDP成長率の推移」を見てみましょう。下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「国土交通省 GDP成長率の推移」より

https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h21/hakusho/h22/html/k1110000.html
出典:国土交通省 変貌する経済社会 より(1月8日利用)

上記のグラフの「茶色ライン」が1961~2009年の「名目GDP成長率」の推移です。一目見ても、「3%成長」は「バブル経済」の1991年まで遡らないと見当たりません。

このグラフ以降の2010年には「リーマン危機」の反動での「3%越え」が一年だけありますが、その後は全て3%以下に沈んでいます。

1990年代から2020年代に至るまでの「日本」の経済的実力は1%前後でしかないのです。

その「名目GDP成長率」を今年2024年に3%を目指すと言うのですから、よく言えば「意欲的」悪く言えば「無謀」と言えますね。

これを見て、コロちゃんは「岸田総理は何ともギリギリのギャンブルをしているな」と感じましたよ。

この岸田総理と十倉経団連会長がおっしゃられる「物価に負けない賃上げ」の結果はいつごろにわかるでしょうか。

春闘の賃上げの結果は、3月~7月にかけて公表されます。最終集計は7月の初め頃ですね。

そして「物価上昇の行方」も、夏から秋にかけてだいたいわかってくるでしょう。それを考えると、今年の夏から年内にかけて「通知表」の評価が判明してくるでしょう。

コロちゃんは、「通知表」の成績は1~2になると考えていますが、皆さんはどうお考えでしょうか?
(5段階評定です)

4.「物価が上がれば、経済も成長?」

一般的に「経済成長」は、適度な「物価上昇」を伴います。「経済が成長する」と、需要が供給を上回るために「物価は上昇」します。

しかし、その逆に「物価を上昇」させれば「経済が成長する」とは限りません。

それは「物価上昇」で「企業収益が増大」し、「賃上げ」の後に「さらに消費が増える」という連鎖が成立しなければそうなりません。

コロちゃんは、今の日本で大きく「消費が増える」ことを想像できません。たとえ「賃上げ」によって家計にお金が回ってきても、「貯蓄」にまわるのではないかと思っています。

2020年に、全国民に10万円を支給した「特別定額給付金」を憶えていますか?

総額で13兆円の国費を費やしていますが、その後の調査で約7割が「貯蓄」に向かったとわかっています。

ですから、たとえ今年の春に「賃上げ」があっても、直ぐに「消費」にまわって「企業業績がアップする」などの単純な動きにはまず繋がらないと、コロちゃんは考えています。

「経済が成長すれば物価が上がる」ことはあっても、その逆の「物価が上がれは経済が成長する」は成り立たないと、コロちゃんは考えていますよ。

5.「経済の目的は、国利民福」

さて「経済の目的」は何の為にあるのでしょうか? 決して「成長」するためではありません。

これはコロちゃんの考えですが、「経済政策」の目指す目的は「成長」にあるのではなく、「国利民福」にあると思っています。

「日本」の「高度成長」の時代には、たまたま日本の発展段階が「成長することが国利民福に繋がっていた」のだと思うのです。

コロちゃんは、もう「日本は大きな成長が出来ない時代」に入ったと考えています。

何よりも現在の「日本」の「潜在成長率は0%台前半」と言われています。そして「経済成長率」は、中長期的には必ず「潜在成長率に収れん」するとも言われているのです。

(岸田総理は「潜在成長率1%」+「物価上昇率2%」=「名目GDP成長率3%」を目指している模様ですね)

コロちゃんは、岸田総理や経団連の十倉会長のおっしゃられる「物価上昇を上回る賃上げ」は、一部の大企業では実現できるかも知れませんが、日本全体では難しいものと思われますね。

「政治」も「経済」も、その目指すものは「国民の幸福」です。大きな「経済成長」が出来なくなっても、「国民の幸福」を目指すことは充分できるものと、コロちゃんは考えていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい

Frauke RietherによるPixabayからの画像
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