「皇帝フリードリッヒ二世の生涯 」(塩野七生 著 新潮文庫)
コロちゃんは、著者の「ローマ人の物語」にすっかり魅了されてましたので、塩野七生さんの大ファンです。著作はほとんど読みました。
コロちゃんの姉も著者が好きで、塩野七生さんの本をいっぱい持っていましたので、文庫本を借りたりしましたね。(あっ、返してないや)(>_<)
本書の時代は日本では鎌倉時代でしょうか。この時代のヨーロッパでこんなダイナミックな動きが進行していたとは全く知りませんでした。
いやはや面白い。中世ヨーロッパにこのような君主がいたとは!
「フリードリッヒ二世」、世界史の勉強で名前ぐらいは出てきたでしょうか。
コロちゃんは全く記憶にないのですが、この中世の真っただ中で「法による支配」を打ち出し「憲章を制定」するとは、なんと時代を先取りした素晴らしい君主ではないですか。
著者は「ローマ人の物語」のカエサルの時もそうでしたが、著者自身が好きな男の「女性の話題」は、実に詳しく、しかも楽し気に書いていますね。
本書の「フリードリッヒ二世の女たち」の章には、思わず笑ってしまいました。この男(フリードリッヒ二世)は実に愉快な男ではないかと。
「ローマ人の物語」のカエサルの次ぐらいに「いい男」だと思いました。著者が「惚れた男」を描いた文章は光っています。
これは読んでわかりやすく楽しい本です。それは歴史的事実を知ることができるからではありません。私たちが後世だからこそ得られる「歴史認識」をもって過去を読み解くことができるからです。
ただ、それを書にまとめるのは実に難しい。だからこそ著者はすごいです。
しかし、フリードリッヒ二世が偉大な政治家だったことは言うまでもありませんが、それでも中世の扉を開くには200年ほど早かったのでしょうね。すこし残念な気持ちになりました。
本書によると、彼が目指した「法による支配の国家」は死後崩壊し、彼の子どもたちもほとんど歴史の中に消え去っています。歴史というものは残酷なものです。
本書を読んで、カタルシスは得ることはできませんでしたが、ヨーロッパ中世史の一つの時代を知ることができたという、大きな満足感は得られました。
みなさんも、ぜひ読むことをおすすめします。面白いですよ。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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