【社会考】「石」になった「お金」をどうやったら熔かせるかなー

社会

コロちゃん、お金(金融資産)ないよ。

そりゃ、まったくないわけじゃあないけど、そんなにないよ。この点は断言できます。だって「清貧」だもん。
エッヘン<( ̄^ ̄)>

ぜんぜん、威張ることじゃあないんですけどね。今日は、世の中の人たちが、大好きな「お金」についてポチポチかたります。

1.日本経済が成長するには「賃上げ」が必要

なんだ、また「賃上げ」の話なの? と思った方、順番に進めば「石になったお金」の話に行きますから、少しお付き合いください。

現在、「政府」「経団連」「連合」が、一生懸命になって「賃上げ」に取り組んでいます。

春闘は3月15日に「集中回答日」を迎えました。18日に発表された第1回回答集計での、賃上げ率は平均2.14%でした。第1回集計時点で2%台を回復するのは3年ぶりと報道されています。

この賃上げ率が、最終的に3%を超えるかどうかが注目されますが、コロちゃんは「3%越えは無い」と予想しています。

その予想をお読みになりたい方は、下記のリンクをクリックお願いします。

【経済考】コロちゃん大予想

もうすぐ結果がわかりますね。コロちゃんの予想が当たるか当たらないか、とても楽しみです。

2.なぜ「賃上げ」を気にするのか

コロちゃんは、年金生活者ですから「賃上げ」は関係ないです。

それなのになぜそんなに「賃上げ」を気にするのかというと、この「賃上げ」には「日本経済の成長」がかかっているからです。

普段は、そんなに仲の良くない「政府」「経団連」「連合」が、8年ぶりに輪になって「政労使会議」を開いています。

そこまで、みんなが一生懸命「賃上げ」を進める理由は、賃金を上げることにより、「消費の拡大」を狙っているからです。

今考えられている「経済の好循環」は、以下のルートを想定しているのだと思います。

「賃金が上昇して消費が拡大する」→

「消費が拡大すれば物価が上昇する」→

「物価が上昇すれば、販売するモノの値段が上がることにより企業の売り上げが増加する」→

「企業の売り上げが増加すれば、企業収益が増加する」 →

「企業収益が増加すれば、それがまた賃金上昇につながる」→ 最初に戻る

この詳細をお知りになりたい「方は、以下のリンクをクリックお願いします。

【経済考】経済の好循環は実現できるか

要するに、みんなが「日本経済を成長させる」ために、「消費を拡大」させたいのです。

では、「消費を拡大」させるために、他の方法は無いのでしょうか。

実は、他にも方法があると思うのです。

日本には、儲かっている企業部門以外にも、お金が余って「石」の様に鎮座しているところがあるのですから。

3.ここに「お金」があるよ 

下記のグラフは、年代別の「金融資産保有残高」のデータです。

https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/20151026_27zen25kai2.pdf
出典:財 務 省 説 明 資 料 〔相続税・贈与税〕平成 27 年 10 月 27 日(火)(11月17日利用)

上記のグラフは、平成27年(2015年)のちょっと古いデータですが、個人金融資産が1700兆円でそのうち60歳代以上が1000兆円を保有するとあります。

しかし、2015年以降も個人金融資産は増え続けていますから、2022年12月末には2023兆円となっています。(日本銀行資金循環統計)

そのうち60歳代以上が1300兆円を保有するといわれています。

「家計金融資産」は、偏って、高齢者の財布に、たくさんしまい込まれて「石」になっているのです。

しかし、この金融資産が高齢者すべての方に、平等に保有されてわけではありません。

下記のグラフをご覧ください。

https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11510900_po_1103.pdf?contentNo=1
出典:国立国会図書館 調査と情報―ISSUE BRIEF―第1103号 No. 1103(2020. 7. 7)高齢者の保有金融資産の現状及び課題 より(3月17日利用)

高齢者の貯蓄は、お若い方の貯蓄以上に偏在しているのです。

4000 万円以上の金融資産を持つ世帯の割合が 15.7%ある一方で、保有額が 450 万円以下の世帯の割合が 19.8%と、金融資産の保有格差が著しいのです。

貯金が少ないと、誰しもが将来に「不安」を持ちますよね。「高齢者」でしたら、年齢が進むにつれて病気の心配を持ちますから、なおさら「不安」が高まります。

約 45%の世帯は、老後の資金不足が懸念される状況にあるとされています。

ですから、日本の「消費を拡大」するには、この「高齢者」の中の「お金のある」方々に、どんどんお金を使ってもらえればいいんです。

そうすれば、上記にある「消費拡大」による「経済の好循環」が起きると思います。

だけど、「お金」をお持ちの高齢者の皆さんは、ちっとも「お金」をお使いになられません。それはなぜなんでしょうか。

4.なぜ高齢者はお金を使わないのか

下記のグラフをご覧ください。このグラフは、内閣府が平成22年(2010年)に発表した、全国の60歳以上の高齢者に行なったアンケート調査の結果です。

https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h21/sougou/gaiyo/pdf/kekka.pdf
出典:内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査」結果[要約] より(3月17日利用)

上記のグラフの「平成21年(2009年)」の欄では、「とても不安に感じる(15.6%)」と「多少は不安を感じる(56.3%)」を合わせると71.9%にもなります。

7割の高齢者が不安を感じていて、「不安を感じない」は3割以下です。

「家計が苦しく、非常に心配である」とお答えの方は、9割以上が「不安を感じる」と回答なさっています。

そして、「経済状況別」の下の表では、「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」とお答えになっている方も、「不安を感じる」方が4割を超えているのです。

高齢者の方が、これだけ「不安」を感じていては、少々の「金融資産」をお持ちになっていても、積極的に使おうとは思わないのではないでしょうか。

コロちゃんは、この状況をみると、高齢者の不安を払拭するような制度やシステムが整備されない限り、高齢者がお持ちの「金融資産」の財布のひもを緩めることはできないのではないかと考えています。

5.どうしたら「不安」は解消できるか

ここから、考えたことはコロちゃんの妄想かもしれません。そうお考えになってお読みください。

高齢者の方々はお金を2000兆円以上お持ちになっています。

そして、高齢者の方々がお持ちになっている金融資産は偏っていますので、「低金融資産層」の方も数多くいらっしゃいます(19.8%)。

また、高齢者の方々は「不安」が大きい(71.9%)。

高齢者の中のゆとりがある方々も「不安」を持っていらっしゃる(43.4%)。

コロちゃんは、ゆとりのある高齢者も含めた「不安」をなくする施策が必要だと思うんです。

6.もう、増税しないと無理だよね

そこで「増税」して、それを財源として「教育・少子化対策・年金・医療・介護」に思い切って投入して「不安」を解消する。

「増税」は、所得税と消費税は「基幹税」ですから、欠かせないと思いますが、他にも金融所得課税や大企業が優遇されている税金も対象として、幅広く増税することが必要だと思います。

最近は「消費税増税」よりも「所得税増税」の方が、低所得者への負担が軽くなるという研究結果も見られます。

金沢大学の碇山 洋教授の「格差の拡大・貧困化の進展と消費税の効き方における変化 社会的連帯の財政的基礎をさぐる」とのレポートを読みました。

碇山教授は、2005-2019年の20年間にわたり、「貧困層・中間層・富裕層」の「収入の変化」と「消費支出」の変化を調べて、それに対応する「消費税の効き方」を実証的に解析しています。

その結論部分は以下の通りでした。

「消費税増税は、貧困層・中間層にますます強く効くように、そして富裕層にはますます弱くしか効かないようになりつつある」

「消費税は、かつてよりも貧困層・中間層とりわけ貧困層のところで、よりいっそう強く効くようになってきている」

この実証研究が有力ならば、今後の選択肢は、「消費税増税」のみではなく、「所得税増税」を含めた幅広い「増税」が一番有効だと、コロちゃんは思います。

いろいろ検討が必要かとは思いますが、お金のあるところから、ないところへ配分することによって、社会の「不安」を払拭してもらいたいと思います。

「痛みを多くの人で分かち合い、不安のない社会」を創っていただきたいと、コロちゃんは切に願いますね。

7.参考までに「石」になったお金のその後の行方は?

ここまで書いて、だいたい今日言いたいことは終わっているのですが、ついでに「石」なったまま使われない「お金」がどうなっているのかを、蛇足ですが付け加えます。

「高齢者」がお持ちの資産は、いずれ時がたてば、必ず相続されることとなります。

相続の大部分は、配偶者やお子さんたちに引き継がれます。

こうなる「お金」は「石」から解凍されて、使われているのでしょうか。

相続される財産価格を「課税価格」と言いますが、令和元年(2019年)では、16兆円弱になりました。

これから2兆円が相続税として、お国に召し上げられています。

残った14兆円ほどは、解凍されて、消費にまわったのでしょうか。

2020年の、平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳でした。 その数値より、相続人である子供の年齢を逆算すると、親から相続をする平均年齢は50歳前後と推測されます。

下記のグラフをご覧ください。

https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/20151026_27zen25kai2.pdfhttps://www.cao.go.jp/zei-cho/content/20151026_27zen25kai2.pdf
出典:財 務 省 説 明 資 料 〔相続税・贈与税〕平成 27 年 10 月 27 日(火)(3月17日利用)

このグラフの、平成25年(2013年)では、お亡くなりになった方が80歳以上で、「子の年齢は50歳代以上が想定される」方の割合は、92%にもなります。

コロちゃんには、この年齢の方たちが相続で大きな財産を受け継いでも、「消費を拡大」するように思えないのですが、どうでしょうか。

8.「相続」で「お国」に召し上げられれば、お金は使われる

「お金」を「石」の様にしまい込んで使わなかった方がお亡くなりになれば、「お国」がその「お金」の一部を、召し上げにかかります。

そうすると、その「お金」は「石」から使われる「お金」に変わります。では、その金額はどのくらいあるのでしょうか。

下記の表をご覧ください。

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/e02.htm
出典:財務省 我が国の税制の概要 相続税の改正に関する資料 より(3月17日)

令和元年(2019年)の被相続人の数(死亡者数)は約130万人です。そのうち相続税の対象になったのは、約11万人です。大体8%になります。

令和元年(2019年)の相続税収は、約2兆円になります。

高齢者の「石」になった金融資産は、全部で1200兆円以上あります。

石から解凍される金額がわずか2兆円では、まだまだ解凍が足りません。

9.不安の解消は政府のお仕事

最初は「賃上げ」から、今日のお話しは始まりました。そして、「賃上げ」が難しくとも「こっちにお金があるよ」と高齢者の「金融資産」へ、お話しが進みました。

その「金融資産」を消費に使ってもらう話から「不安」の解消のお話しへと行きました

この「不安」の解消は、日本のいろんな多くの制度を変えなければならないから、「政府のお仕事」なんですよね。

政府が「教育・少子化対策・年金・医療・介護」の制度を、増税で得た大きな財源で思い切って改革して、一気に日本の「不安」を一掃するなんて、夢ですかねー。

できますれば、夢を見たいものですね。
Zzz…(*´~`*)。o○

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Michael SiebertによるPixabayからの画像

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