コロちゃんは、以前ポチポチ書いたことがありますが、「低学歴」のおじいちゃんです。
だけど、一生懸命働いて何とか、それなりの家庭生活を築くことができました。
||^□^)vャッター
一時は「がんばったからだよ」と思っていた時期もありました。
しかし、今から世の中の流れと歴史をザーッと見渡していると、「時代に恵まれていた」だけで、しかも「運がよかった」からだと思っています。
そんな時に、興味ぶかいレポートを読みましたので、今日はそれについてポチポチしたいと思います。
1.ある日読んだレポートのお話
コロちゃんが、読んで興味を持ったのは、「ニッセイ基礎研究所」の上席研究員の久我尚子さんのレポートです。
テーマは「求められる将来世代の経済基盤の安定化-非正規雇用が生む経済格差と家族形成格差」となっています。
全文をお読みになりたい方は、以下のリンクをクリックお願いします。
このレポートの中で、コロちゃんが興味を引いたところだけを、ちょっとご紹介して感想を述べたいと思います。
2.「非正規労働者」の割合について
現在の日本で、「非正規労働者」の割合が全体の40%近くまで膨れ上がっていることは、既に皆さんもご承知のことと思います。
総務省統計局の、労働力調査 (詳細集計)では、2022年(令和4年)10~12月期平均で、「正規労働者」3581万人に対し、「非正規労働者」2129万人で、37.3%と発表されています。
下記のグラフをご覧ください。
「内閣府 男女共同参画局 年齢階級別非正規雇用労働者の割合の推移」より
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-06.html
出典:内閣府 男女共同参画局 男女共同参画白書 平成30年版 I-2-6図 年齢階級別非正規雇用労働者の割合の推移 より(4月11日利用)
上記のグラフは、コロちゃんがネットで見つけた、内閣府男女共同参画局の「年齢別の非正規労働者」の割合のグラフです。
右のグラフが、男性のものです。
下から三番目の黄緑の点線が、25~34歳の男性です。ご覧になってわかるように、25~34歳の黄緑の点線は、平成29年(2017年)に15.3%です。
おおよそ、この年代の男性の7人に一人が「非正規雇用」で働いているのです。
3.レポートで語っていること
上記の点を、久我尚子上席研究員は、レポートで、以下のように書いています。
「求められる将来世代の経済基盤の安定化-非正規雇用が生む経済格差と家族形成格差」より
「1990年と2022年を比べると、つまり、親世代と現在の若者が新卒で就職した時期と比べると、非正規雇用の割合は25~34歳では男性は3.2%から14.3%(+11.1%pt)へ、女性は28.2%から31.4%(+3.2%pt)へと上昇している。」
「つまり、ひと昔前は結婚や子どもを持つことなど家族形成を考える時期にある男性はおおむね正規雇用で働いていたが、現在では7人に1人は非正規雇用という不安定な立場で働いていることになる」
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=74320?site=nli
出典:「求められる将来世代の経済基盤の安定化-非正規雇用が生む経済格差と家族形成格差」より
上記の引用の数字は、レポートにある数字です。
コロちゃんが引用した内閣府の数字とは、少し異なっていますが、その傾向はわかると思います。
このレポートは、親世代と子世代とでは、大きく社会情勢が変わってしまって、一昔前の常識が通用しなくなったと言っているのですよね。
親世代の男性は、ほとんどが「正規雇用」だったけれど、子世代の男性は7人に一人が「非正規雇用」となっているのです。
4.驚くべき、学歴と非正規雇用の関係
コロちゃんが、読んでビックリしたのは、以下のことです。以下のレポートからの引用をご覧ください。
「求められる将来世代の経済基盤の安定化-非正規雇用が生む経済格差と家族形成格差」より
「学歴別に平均年収を推計したところ、男性では全ての年齢階級において、大学卒の非正規雇用者は中学卒や高校卒の正規雇用者の平均年収を下回る」
「女性でも年齢とともに大学卒の非正規雇用者は中学卒や高校卒の正規雇用者の平均年収を下回るようになる」
「大学卒同士を比べると、男性は45~49歳で、女性は50~54歳で、正規雇用者は非正規雇用者の平均年収の2倍を超えるようになる。」
「高学歴であることよりも、正規雇用の職に就いていることの方が、年収を高める効果は大きい。」
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=74320?site=nli
出典:「求められる将来世代の経済基盤の安定化-非正規雇用が生む経済格差と家族形成格差」より
ねっ、驚くでしょう。
大学卒の「非正規雇用者」よりも、中卒や高卒の「正規雇用者」の方が年収が高くなっているそうなんです。
今の若い方は、「学歴」よりも「正社員」にこだわった方が、所得が高くなるようです。
このレポートには、グラフがついています.
もう一度下記にリンクを張りますので、ぜひクリックして、グラフをご確認ください。
5.興味深いレポートでした
このレポートには、上記の内容の他に「雇用形態別の生涯賃金」とか「男性の年収別婚姻率」とか、興味深い考察が、いくつもありました。
コロちゃんは、とりあえず、一番興味を引いた、「学歴と非正規・正規雇用の関係」を、取り上げてみました。
しかし、最高学府である大学を卒業しても、「非正規雇用」だったら、「正規雇用」の中・高卒よりも給料が低いとは、少なくない授業料を払う価値が無いですよね。
6.現在の大学進学へかかる費用は?
それでは、現在の大学進学にはどのくらいの費用が掛かるのでしょうか。ちょっとポチポチ調べてみました。
そうしましたら、「東京地区私立大学教職員組合連合」さんが、受験から入学までの費用を発表なさっていました。
「私立大学新入生の家計負担調査 2022年度」という題名のレポートです。
お読みになりたい方は下記のリンクをクリックお願いします。
http://tfpu.or.jp/wp-content/uploads/2023/04/20230405kakeihutanntyousa.pdf
この調査によりますと、「受験から入学までの費用」として以下のように書かれています。
「自宅外通学者」は225 万 5380 円で、過去最高額。
「自宅通学者」は 161 万 2280 円で、過去最高額だった前々年度と同水準。
この数字は、初年度の初期費用です。
これに、授業料が上積みされるわけですから、次年からは、文系で80万円程度、理系で110万円程度が、毎年必要となります。
大学卒に至るまでには、相当の金額が必要となるのですが、卒業後も「非正規雇用」であったら、上記のレポートで分かるように、中・高卒者以下の所得となってしまいます。
7.「社会の損失」と「当人の不幸」
大学という高等教育を、大きな金銭的負担の上で卒業したにも関わらず、低所得の「非正規雇用」に就くということは、社会の損失でもあり、当人も不幸なのではないでしょうか。
下記のグラフをご覧ください。
「内閣府 図6 学歴別の若年非正規雇用者比率の推移」より
男性
https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/20150827_27zen17kai4.pdf
出典:内閣府 図6 学歴別の若年非正規雇用者比率の推移 より(4月18日利用)
上記のグラフは、内閣府が発表している「学歴別の若年非正規雇用者比率の推移」の「男性25~34歳」の数値です。
このグラフによると、大学・大学院卒の「非正規雇用者」は、毎年10%前後いらっしゃるようです。
もちろん自発的に「非正規雇用」を選択なさる方も、中にはいらっしゃるかもしれませんが、大部分の方はそうではないと思います。
これだけの数の方が「非正規雇用」にならざるを得ないという「社会システム」は、何かおかしいのではないでしょうか。
もう一度冒頭で引用したレポートの一部を下記で読んでみましょう。
「求められる将来世代の経済基盤の安定化-非正規雇用が生む経済格差と家族形成格差」より
「つまり、ひと昔前は結婚や子どもを持つことなど家族形成を考える時期にある男性はおおむね正規雇用で働いていたが、現在では7人に1人は非正規雇用という不安定な立場で働いていることになる」
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=74320?site=nli
出典:「求められる将来世代の経済基盤の安定化-非正規雇用が生む経済格差と家族形成格差」より
上記の引用の通り、コロちゃんの若い時代は、「正規雇用」と「結婚」は、ある程度の年齢をなると、当たり前のことで、社会のほとんどの男女の手の届くものだったのです。
それが、失われつつある現在は、ちょっと「社会システム」がおかしくなってきているのではないでしょうか。
もし、今コロちゃんが20代だったら、絶対に、大学にも行っていないし、職業は「非正規雇用」だった思いますそして、結婚もできなかったように思いますね。
こんな、不合理なことは、何とか変えてもらいたいと思います。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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