【社会考】どうしたら子どもが増えるかなぁ

社会

コロちゃんは、団塊世代のちょっと後のおじいちゃんですから、小さい時には周りに同じような子どもたちがワサワサいました。

成長する中でもずっと大勢の中で育ってきたんです。ところが、最近では「少子化」があちこちで語られています。

コロちゃんは、子どもたちが遊ぶのを見るのは好きですから、大勢いて欲しいですが、現在の社会の様子ではなかなか難しい様です。今日は「少子化」についてポチポチ語ってみます。

1.少子化をめぐる現状

下記のグラフをみてもわかりますが、日本の年間の出生数は、第1次ベビーブーム期には約270万人、第2次ベビーブーム期の1973年には約210万人もありました。

これを見るとコロちゃんの同級生も200万人以上いたんですね。そういえば遊び場は、どこも子どもたちでごちゃごちゃしていました。

それが現在では、2020年の年間出生数(日本人のみ)は、統計上初めて80万人を割るのが確実となりました。

このペースで減り続けると、2030年には55万人まで減るという推計もあると言います。

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2021/r03webhonpen/html/b1_s1-1-2.html
出典:内閣府 子ども・子育て本部  令和3年版 少子化対策白書より(1月24日利用)

2.世界的にも少ない子ども関連支出

そもそも、日本は世界的に見ても、国からの子ども関連予算が少ないんです。下記の表をみてもわかるようにヨーロッパ諸国と比較すると1/3~1/5ですね。もっと増やすことは当たり前です。

日本では1990年の「出生率1.57ショック」から、少子化対策が始まっています。

もう30年以上も政策課題として取り組んでいるんです。最初の少子化担当大臣は2007年に任命されていますから、それから15年経過しても、全く成果が上がっていません。

現在の子どもたちの数からして、今後数十年は減り続けることは必至なのですから、本腰を入れて優先的に取り組んでもらいたいものです。

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2010/22webhonpen/html/b1_s1_1_4.html
出典:内閣府 少子化社会対策白書 平成22年版 子ども・子育て白書 4.家族関係社会支出の国際比較(1月29日利用)

3.「次元の異なる少子化対策」は成果があがるかな

先日、岸田総理が国会で施政方針演説を行いました。その中で「次元の異なる少子化対策」を行うと宣言してます。4月から「こども家庭庁」を発足させ、予算4.8兆円を投入するとしています。

「子供・子育て政策」は演説の前振り二つの次に取り上げました。政策課題のトップですから、力入れているのがわかりますが、気になるところがいくつかありました。

財源はあるのかな

こども家庭庁の予算4.8兆円には、新たに数兆円の予算が必要とされています。「各種社会保険との関係などを工夫」と説明されているといいます。

これは、取りやすそうなところから取るということなのでしょうか。

つい最近の防衛費2%への増額分をどうやって確保するかの議論でもそうでしたが、最近は財源論は先送りという例が目につきます。無責任としか言いようがありません。

今回も社会保険からの拠出などが取りざたされているようですが、給与が上がっても、社会保険料が増えて、ただでさえ可処分所得が低迷している現状があります。

それを見ていると、さすがにつじつま合わせも限界に近いと思いますが、いかがでしょうか。

既婚者のみへの対策

今回表明された「少子化対策3本柱」は、「児童手当・子育てサービス・働き方改革」です。

すべて既婚者が対象の政策です。しかし、少子化の一番の問題は、そもそも結婚できない若者が増えていることにあります。

非正規雇用、低所得雇用に手を付けなければ、少子化は改善しません。年収と結婚が連動していることは誰でも知っています。

下記の表をご覧ください。非正規雇用の方の有配偶者率は、正社員の人の半分以下なんです。年収別の表をみても、年収の低い方は結婚しにくいのが一目瞭然となっています。

日本はヨーロッパとは違って、結婚できなければ子どもが産まれにくい社会ですから、既婚者優遇の政策では、さほどの少子化改善は望めないと思います。

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2016/28webhonpen/html/b1_s1-1-3.html
出典:内閣府 平成28年版少子化対策白書  第1部 少子化対策の現状(第1章 3)より(1月24日利用)

何が必要なのか

若者は結婚したくないのではありません。所得が低くて結婚できないんです。

前段で、少子化対策が1990年から始まったことをみましたが、1997年とその2012年で日本社会がどう変わったのかを下記の表で見てみましょう。

20代・30代ともに1997年から2012年では、所得の分布の山が低所得層にシフトしています。この動きは現在まで続いていると思われます。

ここに手を入れない限り、少子化対策は進展しないのではないでしょうか。

既婚者優遇策とは、社会全体を見渡すと、中流上層への支援策です。少子化対策に効果のある支援策とは、結婚したくともできない中流下層から下流階層への支援策だと思います。

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2016/28webhonpen/html/b1_s1-1-3.html
参照:内閣府 平成28年版少子化対策白書  第1部 少子化対策の現状(第1章 3)より(1月24日)

4.非正規対策は見えない

前段で、岸田総理の国会施政方針演説を取り上げました。

その演説の中で「こども・子育て政策」は政策課題の冒頭にありましたが、「非正規雇用」については、「新しい資本主義」の中で「希望する非正規雇用の方の正規化に加え、リスキング・・・」と一言触れるだけでした。

雇用者総数の40%近くまで膨れ上がった「非正規雇用」。これに手を付けないで少子化対策は成果が上がらないと思うのですが、皆様はいかがお考えでしょうか。

図表1-3-18 非正規雇用労働者の割合の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出典:厚生労働省 令和2年版 厚生労働白書 (11月10日利用)

5.子どもが遊ぶ風景を再び

過去に戻ろうというんじゃないんです。もう高度成長の日本には戻れません。30年間成長しない日本が、明日からいきなり成長し始めるとは思ってもいません。

しかし、今目の前に広がる社会が、若者が結婚できない社会とはあんまりじゃあないですか。

やっと政策課題の中心に「少子化問題」が注目を集めたんです。もっと徹底して、他に優先して取り組んでほしいと思います。

そのためにも「賃上げ」一辺倒ではなく、非正規雇用問題にも、しっかり取り組んで欲しいと思います。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

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