【経済考】「デフレ脱却」はできるのか?

経済

おはようございます。今朝のワンコとの散歩も、昨日朝の気温と同じ摂氏1℃でした。あたりを見渡すと、駐車している車の屋根が真っ白に霜が降りていましたね。

いやー、寒いですね。いやいや「寒い」というよりも、頬っぺたが「痛い」と表現した方が正しいと感じました。

そして、手袋をしていたんですが、散歩の途中からは指先がジンジンと痺れが走りました。

そろそろ、「分厚い手袋」と「オーバーズボン」を出さなきゃなりませんね。そうだ「帽子」も頭から耳にかけて覆う「毛糸の帽子」の出番ですね。

明日からのコロちゃんは、「完全防備」の「冬支度」でワンコとの散歩に出ることにしますよ。

今日は、「経済財政諮問会議の内容とデフレ脱却はできるのか?」をカキコキします。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「経済財政諮問会議と予算編成の基本方針」

☆「デフレから脱却する千載一遇のチャンスだって」

☆「デフレ脱却で目指すのは物価上昇だけど、困るのは年金老人・非正規雇用者・住民税非課税者だよ」

☆「所得が増えない層が多すぎるよ。物価が上がった後に残るものは?」

1.「経済財政諮問会議とは何か?」

報道によれば、先日の11月29日に「経済財政諮問会議」が開催され、「民間議員が継続的な物価上昇を踏まえた予算編成のあり方を提言」と報じられました。

その記事は、以下のとおりです。

物価高対策は当初予算で対応 民間議員、諮問会議で提起 - 日本経済新聞
政府が28日に開いた経済財政諮問会議で民間議員が「安定的な物価・賃金上昇には当初予算で対応する」ことを提起した。補正予算などで一時的な物価高対策を計上するのではなく、当初予算において賃金や物価動向を反映していくべきだとした。さらなる歳出の効率化も求めた。経団連の十倉雅和会長ら4人が「民間議員ペーパー」として示した。日銀...

この「経済財政諮問会議」とは、経済財政政策に関する重要事項について、内閣総理大臣のリーダーシップを十全に発揮することを目的として、内閣府に設置された合議制機関です。

現在の「諮問会議議員」は、議長の岸田総理を含めて11名です。

官房長官、経済再生担当大臣、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、日銀総裁等がいらっしゃいます。

お偉方がずらりと並んでいますね。

それに、民間からも十倉経団連会長、新浪経済同友会代表幹事が、会社代表で議員となっています。

まあ、「政財界」の代表を集めた形ですね。

その方たちが集合して、このほど「令和5年第15回経済財政諮問会議」を開催しました。

2.「来年はこれをやるよ!」

この諮問会議で議論されたのは、来年の「令和6年度予算編成の基本方針(案)」です。内容を見る前に、国家予算編成から実施までの大まかな流れを見ておきましょう。

何しろ「国家予算」ですから、一般のお宅で来年は車を買おうか、それとも息子が進学でいくらかかるかとお話しするのと違って、手順に時がかかります。

①「前年の5月 各省庁で次年度の予算要求作成」
②「6~7月 骨太の方針決定」
③「7月 概算要求基準決定」
④「8月 概算要求書提出」
⑤「12月 財務省原案策定」
⑥「12月 政府案閣議決定」
⑦「1月 政府原案国会提出」
⑧「3月 衆参両院 可決」
⑨「4月 政策実行」

簡単に言うと、「国家予算」は上記のような過程を経て決定されます。結構面倒くさいのです。
(ちっとも簡単じゃないじゃん!)
(๑´ڡ`๑)てへぺロ

今回「財政諮問会議」で議論された「令和6年度予算編成の基本方針(案)」は、足下の経済状況や経済財政運営の大枠や、翌年度の予算についての方向性を、総論的に記載したものとなります。

ここまでのカキコキで、あまりにも内容が「固い」と思われるかと思います。

簡単に言うと「令和6年度予算編成の基本方針(案)」とは、「来年はこれをやるよ!」と文書にしたものとお思い下さると良いと思いますよ。
(だから簡単じゃなって!)
(๑´ڡ`๑)てへぺロ

3.「千載一遇のチャンスなの?」

この会議で出された「令和6年度予算編成の基本方針(案)」とのペーパーには、「 基本的考え方」として、冒頭に「デフレから脱却する千載一遇のチャンス」と書かれています。

同時に「賃金上昇は物価上昇に追い付いておらず、個人消費は依然力強さを欠いている。これを放置すれば、再びデフレに戻るリスク」があるとしています。

そこで、どうするのかという方法として、下記の図を示しています。「資料」では1枚に記載されている図ですが、見やすいようにここでは3つに分けますね。

下記の図をご覧ください。

「内閣府 賃金と物価の連関に関する分析」より

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/1128/shiryo_02.pdf
出典:内閣府 令和5年第15回経済財政諮問会議 賃金・物価等に関する参考資料 より(12月2日利用)

上記の図は「賃金と物価の連関に関する分析」の、「1991年の概念図」です。

この図の1991年とは、どんな年だったのかというと、日本経済最大の出来事の「バブルとその崩壊」に触れないわけにはいきません。

株式の暴落は1990年の1月から始まりましたが、土地の下落が始まったのは1991年末からでした。「バブル崩壊の株式暴落から、土地価格の暴落までは、2年近いタイムラグがあったのです。

上記の「概念図」の1991年4~6月期は、ま「だバブルの残り香」が漂っていた時期なのです。

上記の「概念図」の「物価上昇と賃金上昇」は、お互いに影響しあって上昇していく「好循環の理想的な例」として、「資料」に記載されています。

それが、「デフレに落ち込んでいた2012年」には、下記の図になっていたとしています。

「内閣府 賃金と物価の連関に関する分析」より

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/1128/shiryo_02.pdf
出典:内閣府 令和5年第15回経済財政諮問会議 賃金・物価等に関する参考資料 より(12月2日利用)

上記の図では、「物価上昇と賃金上昇」相互の連関は無くなっていたとしています。「これではダメなんだ」と訴えているのです。

その上で、現在の状況を下記で示しています。

「内閣府 賃金と物価の連関に関する分析」より

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/1128/shiryo_02.pdf
出典:内閣府 令和5年第15回経済財政諮問会議 賃金・物価等に関する参考資料 より(12月2日利用)

上記の図では、「物価上昇」から「賃金上昇」へのプラスの影響は確認できるとしていますが、逆ルートの「賃金上昇」から「物価上昇」への「有意な影響は確認」できないとしています。

そこで、どうするのかと言うと「企業の労務費の価格転嫁」を促して、「物価上昇」に繋げようとしているのです。

この「概念図」が意味することは、現在は「更に物価上昇を進めよう」とする政策だと言う事です。

4.「デフレ脱却で目指すのは物価上昇」

今回の「経済諮問会議」メンバーの4人の方(十倉経団連会長・新浪経済同友会代表幹事他2名)からも、「賃金と物価の好循環実現に向けて」と言うペーパーが提出されています。

その中には以下の記載があります。

「来春の賃上げや政府の所得下支えによる可処分所得の引上げによって・・・価格転嫁対策などによって、安定的な物価上昇を実現させるべき」

こちらも「安定的な物価上昇を実現」と主張しているのです。

簡単にいうと「政・財界」を挙げて「物価を上げよう」としているのです。

はてさて、この傾向は「年金生活者」にとって歓迎すべきことなのでしょうか。

5.「物価上昇は年金老人に打撃」

物価が上昇すると、困るのは「年金生活者」と「低所得の方々」です。

コロちゃんたち「年金生活者」は、全国で4023万人います。この方たちの「年金生活」は物価上昇すると、たちまち困窮する方たちが出ます。

「物価・賃金の両方が上昇した場合」には、翌年の「年金改定」では「マクロ経済スライド」が発動されて「スライド調整率分」が必ず差し引かれる構造となっています。

「年金」は物価上昇ほどは上がらないのです。

「年金老人」には、物価も賃金も上がらない「デフレ経済」の方が、居心地が良いのです。

また全国「1500万世帯・2500万人」の「住民税非課税世帯」の方たちも「物価上昇」でたちまち困窮する方が多いと思います。

今回の「岸田減税」で、「7万円+3万円(3万円は支給済み)」の「低所得対策案」が発表されていますが、この「支給金」はもちろん1回限りです。

それに対して「物価上昇」は、その後も延々と続くのです。一度上がった物価は下がることはありません。

この「住民税非課税」の方たちも、まだ物価も賃金も上がらない「デフレ経済」の方が、居心地が良いでしょう。

6.「物価上昇は達成されるかも・・・」

上記のように見ていくと、「経済財政諮問会議」が「令和6年度予算編成の基本方針(案)」でやろうとしているのは「物価上昇」とそれによる「経済の好循環」だとわかります。

コロちゃんは、この前半の「物価上昇」は達成できると思っています。

もうすでに毎月3%台の「物価上昇」が続いていますものね。

しかし、肝心の「経済の好循環」にはたどり着かないと考えています。

その理由は「物価上昇」しても、「消費支出」を増やせない階層が多すぎるからです。

「経済の好循環」の狙いは、以下のとおりです。

①「賃金が上がる」⇒
②「消費が増える」⇒
③「物価が上がる」⇒
④「企業収益が上がる」⇒

上記のループが「狙い」なのは、明らかなのです。わかり易いように、上記で引用した図をもう一度下記に置きますね。

「内閣府 賃金と物価の連関に関する分析」より

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/1128/shiryo_02.pdf
出典:内閣府 令和5年第15回経済財政諮問会議 賃金・物価等に関する参考資料 より(12月2日利用)

上記のこの「概念図」のように「物価上昇」と「賃金上昇」が「相互にプラスの影響」とならなければ、残るのは低所得層に厳しい「物価上昇」のみとなってしまいます。

コロちゃんが、上記の図のような「経済の好循環」が無理だろうという理由を次に書きますね。

なお、この「経済財政諮問会議」の「賃金・物価員関する参考資料」をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/1128/shiryo_02.pdf

7.「所得が増えない層が多すぎる」

コロちゃんが、なぜ「経済の好循環」が達成できないと考えるかの理由は単純です。

「大手企業」の「賃金」をいくら上げても、「社会の底辺層」の方々の「所得」は上がっていないからです。

そして、その「底辺層」は足下でも増え続けています。

①「年金生活者 4023万人」

まず、コロちゃんのような「年金生活者」ですね。上記でも書きましたが、現在の日本では「重複のない公的年金の実受給権者数」は、令和3年度(2021年度)末現在で 4023 万人とされています。

(厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」より)

日本の総人口は、1億2451.1万人(総務省統計局 人口推計 2023年6月確定値)ですから、「重複のない年金受給者数」の割合は「32.3%」となります。

「現在の日本」においては、全国民の3人に1人が「年金受給者」なのです。この方たちの「賃上げ(年金改定)」は、翌年6月に行なわれます。

しかし、上記でも書きましたが「物価・賃金の両方が上昇した場合」には、翌年の「年金改定」では「マクロ経済スライド」が発動されて「スライド調整率分」が必ず差し引かれる構造となっています。

いわば「物価上昇に比べると、低い賃上げ(年金改定)」になるのです。

②「非正規雇用者 2101万人」

現在の日本の「非正規雇用者数」は、2101万人とされています。
(厚生労働省 労働経済白書 労働経済の分析より)

「正規雇用者数」が3588万人ですから、雇用者全体に占める「非正規雇用者率」は36.9%です。

「所得」の低い「非正規雇用者」が、雇用者全体の1/3以上を占めるのですから、その方たちの「時間当たりで数十円の賃上げ」では、雇用者全体の所得は上がらないと思います。

③「住民税非課税者 2500万人」

この「住民税非課税者数」は、以前からコロちゃんがネットで調べても全体の数字がわかりませんでした。

「住民税」データは、全国の各自治体にあります。この全体を網羅した数字を発表した役所は無かったのです。

もちろん「総務省」あたりでは把握はしていたのだと思いますが、公表はしていなかったのだと思われます。

それが、今回の「岸田減税」で「住民税非課税世帯」に「7万円+3万円」を配布すると決まった時の新聞に「住民税非課税世帯」が全国で「1500万世帯・2500万人」いることが明らかにされました。

コロちゃんは、「住民税非課税」にこんなに多い人数がいることに驚きましたね。

日本の人口は、1億2431万人(総務省統計局2023年11月現在)ですから、2500万人というと全人口の20%になります。

日本は、5人に1人が「住民税非課税」という「貧困層」なのです。

なお、この「住民税非課税世帯2500万人」の内の、「高齢者数」の人数は1300万人となっています。

日本の「高齢者(65歳以上)」は、3600万人ですから、高齢者全体に占める「住民税非課税者」の割合は36%と、3人に1人以上の割合になります。

上記で書きました「①~③」の方々を合計した数字が、そのまま「日本の貧困層」となるわけではありません。

「①年金生活者4023万人」の中には、「②非正規雇用2101万人」の方もいらっしゃるでしょうし、「③住民税非課税者2500万人」の方もいらっしゃるでしょう。

相当数の方が、上記の区分では重なってカウントされていると思います。

しかしこの数字から見ると、現在の日本には「大幅な賃上げ」が届かない「貧困層」が、1000万人を超える規模でいると、コロちゃんは考えています。

8.「経済の好循環が成立しなかったら」

現在の「政府・日銀」に政策面での齟齬はありません。

過去には「金融緩和」と「金融引き締め」をめぐって、「政府・日銀」に軋轢があった時代もありましたが、今の所は双方ともに「デフレ脱却」に向けた方向性は同じです。

ですからこの後の「日本経済」において、2%以上の「物価上昇」は成立するとおもわれます。

しかし、その「物価上昇率」が「日銀」の言う「持続的安定的な2%」にまで至らないとコロちゃんは考えています。

そうなった時には、「政府・日銀」には、次の手がないのではないかと思われます。結局残るのは「上がった物価のみ」と言う事になるのではないでしょうか。

そこで皆さんにお伺いしますね。これからの日本では「デフレ脱却」が出来て「経済の好循環」が成立すると思いますか?

コロちゃんは「出来ない」に1票を投じたいと思いますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Michaela, at home in Germany • Thank you very much for a likeによるPixabayからの画像
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