【経済考】あなたは「親より豊か」になれますか?

経済

おはようございます。今朝のコロちゃんは、また寝過ごしてしまいました。朝目が覚めたらもう5時半を過ぎていました。

コロちゃんは、普段は朝5時起床なのですが、最近は寝過ごすことが多くなりましたね。おっかしいなー? 体調はさほど変わっていないんですけどね。

まあ、これは「春眠暁を覚えず」と言う事で、気にしないことにしましょう。

ところでこの「春眠暁を覚えず」を最初に言った方をご存じですか?

これは「中国」の、唐の時代の詩人「孟浩然」の漢詩の冒頭部分にある言葉だそうです。

意味は「春の眠りは朝が来たことに気付かないほど心地よく寝過ごしてしまう」とされていますね。

この「孟浩然」さんは、各地を放浪しながら漢詩を書いていたそうですね。「中国」にも、日本の「山下清画伯」(裸の大将のモデル)みたいな方がいたのですね。

(裸の大将放浪記:1980年:芦谷雁之助主演:フジテレビ:モデル山下清1922~1971年)

今日はリードから、お話しがそれちゃいましたが、「あなたは親より豊かになれますか?」をカキコキしますね。

お話がそれたお詫びに、コロちゃんが今朝見た「日の出の風景」を添付しますね。朝の清涼感をご堪能下さい。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「エンゲル係数が2000年以降で最大にと、上がったのは食品価格」

☆「エンゲル係数は過去に戻ったのかと、あなたは親世代よりも豊かになれますか」

☆「世帯所得のピークは1996年と、コロちゃんの子育て時代」

☆「時代の様相が見えるのは20年後です」

1.「エンゲル係数が2000年以降で最大に」

皆さんは「エンゲル係数」というのをご存じですか?

「エンゲル係数」とは「家計の全ての消費支出に占める食費の割合(%)」を言います。

この数値は、所得が上昇するにつれて低下しますから、数値が高ければ「貧乏」、低ければ「裕福」となります。

先日の3月3日の報道によりますと、この「エンゲル係数が2023年に27.8%に達し、今の基準で遡れる2000年以降で最高だった」と報じられています。

この「エンゲル係数」の上昇は、家計で「食費」の割合が高まることを意味します。ですから家計は「食費」以外にお金を廻しにくくなります。

その分「生活」は苦しくなりますね。

今回この「エンゲル係数」が上がったと言う事は、それだけ「貧しい人たち」が増えたことを意味しますね。

えっ、何ですか? 『今日のテーマ「あなたは親より豊かになれますか?」とどう関係するんだ?』ですか?

それはちょっと、お待ちくださいね。後でわかりますからね。

2.「上がったのは食品価格」

この「エンゲル係数」は、「家計の中の食費の割合(%)」ですから、この数値が上がるのは「所得が減る」か「食費が上がる」かのどちらかになります。

もう皆さんも、答えはお分かりですね。「食費が上がった」のです。

「総務省」が発表した「2024年1月分」の「消費者物価指数」は、「2.2%上昇(総合指数)」でした。

また、その内訳を見ると「食品価格」は、「5.9%上昇(生鮮食品を除く食料:前年同月比)」と高い数字でした。

この「食品価格(5.9%上昇)」は、全体の「消費者物価指数(2.2%上昇)」よりも高い値で上がっているのです。

ここまで「食品価格」が上がると、多くの家庭では「食費以外のところ」にお金を廻せなくなり、消費が落ち込むことが予想されます。

そして実際に「消費」は落ち込んでいます。

「内閣府」の発表によれば、2023年10~12月期の「個人消費」は、マイナス0.2%と3期連続のマイナス※となっています。

(※内閣府:2023年10~12月期四半期別GDP速報 より)

そしてこの「食品価格」の上昇による「生活の痛み」は平等には訪れてくれません。「エンゲル係数」の上昇は、あくまでも全体の平均の数字です。

「所得の多い方」のエンゲル係数は低いですし、「所得の低い方の」エンゲル係数は高いのです。

「エンゲル係数」と「食品価格」の上昇による「痛み」は、「分かち合う」ものではないのが現実です。

えっ、何ですか? 『今日のテーマ「あなたは親より豊かになれますか?」はどこにあるんだ?』ですか?

もうちょっと先まで行くとわかりますからね。我慢してついて来て下さいね。

3.「エンゲル係数は過去に戻ったのか?」

次に「エンゲル係数の長期推移」を見てみしょう。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「総務省統計局 近年のエンゲル係数の推移(1980年~2017年)(二人以上の世帯)」より

https://www.stat.go.jp/training/2kenkyu/pdf/rn/2-rn-005.pdf
出典:総務省統計局 統計リサーチノートNo.5 明治から続く統計資料:エンゲル係数 より(3月3日利用)

上記のグラフは、1980~2017年の「エンゲル係数」のグラフです。

この「エンゲル係数」の過去の推移を調べてみると、明治~大正期は65%もありましたが、大正~昭和戦前期には50%程度にまで低下しています。

そして、戦後の高度成長期の1960年代に入ると40%を下回り始めて、統計が開始された1963年には38.7%だったものが、2005年には22.9%にまで大きく低下しました。

その「エンゲル係数:2005年22.9%」がボトムでしたね。

2005年(ボトム22.9%)以降はジワジワと上昇し始めて、昨年2023年には27.8%と、2000年以降では最大となりました。

このようにグラフを見ていると、上記のグラフが英単語の「J」をひっくり返したように見えてきます。

そして、そのまま「エンゲル係数」が上昇し続ければ、いずれ「V」の英単語になってしまうのでしょうか。

こんな「V字回復」はイヤですよね。ホント笑いごとじゃありませんよ。

現在から過去の「エンゲル係数」を遡ってみると、2023年の「27.8%」はだいたい1987年頃「26.1%」と同じ水準の数値です。

この1987年とは「バブル経済(1986~1991年)」が始まった年ですね。

当時世の中では「ビックリマンシール」が流行ったり、歌人の俵万智さんが「サラダ記念日」を発行して280万部のベストセラーになったりしていましたね。

現在の「エンゲル係数:27.8%(2023年)」は、過去の「エンゲル係数:26.1%(1987年)」とほぼ同じレベルの時代まで「バック・トゥ・ザ・フューチャー」してしまったのです。

(バック・トゥ・ザ・フューチャー:1985年アメリカSF映画:主演:マイケル・J・フォックス)

「歴史は繰り返す」と言いますが、この「エンゲル係数」は今後再び過去の数字をトレースして更に上がっていくのでしょうか。

この「歴史は繰り返す」という言葉は、ローマの歴史家「クルティウス・ルーフス」の言葉だそうですね。

「人間は昔から同じようなことを繰り返すものだ」と言うものですね

現代は「再分配」の諸制度がありますから、そう簡単に過去を遡るとは考えたくないですけれど、何とも不安になる数字ですね。

ほら、ここで「過去に親世代が子育てをしていた1980年代」に戻ったでしょう?

そこで皆さんにコロちゃんが質問をします。

「あなたは、親世代よりも豊かになれると思いますか?」

その答えは、次の項で見てみましょう。

4.「あなたは親世代よりも豊かになれますか?」

あーくたびれた、コロちゃんはもうおじいちゃんですから、冒頭からここまでカキコキしていると、ホント疲れるんですよ。

コロちゃんは、もう先があまりありませんから、これ以上「未来」のことはあまり手が出せませんけれど、これだけは言えますよ。

コロちゃん世代」は、間違いなく「親世代」よりも豊かになりましたよ。

おそらく「団塊の世代」は、ほぼ全員と言いても良いくらい「親世代」よりは豊かになったと言えると思います。

それでは、現在の若者たちがどう考えているのかを、ちょっと調べてみましょう。

◎「あなたは親世代よりも豊かになれると考えますか?」

➀「豊かになれない:63.5%:20代回答」(日経新聞2022年11月)

➁「親よりも経済的に貧しくなる:70%」(ニューヨーク・タイムズ21か国調査:日本の回答)

上記のような世論調査は、あちこちにありますが、みな似たような回答ですね。どれも「親の世代よりは貧しくなる」との回答が多数となっていました。

このように見ていくと、「エンゲル係数」が最低を記録した「2005年22.9%」頃までが、日本が豊かな時代の最後だったように思えてきましたね。

過去には、1987年の「エンゲル係数26.1%」から「2005年22.9%(ボトム)」と徐々に豊かになって来た「日本」が、今度は逆に「2023年27.8%」まで貧しさへの道へ戻ってきたとなります。

この「エンゲル係数:貧しさへの道」は、今後どこまで上昇していくのでしょうか?

5.「世帯所得のピークは1996年」

最後に「世帯所得の推移」を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17/backdata/01-02-01-01.html
出典:厚生労働省 平成29年版 厚生労働白書 ー社会保障と経済成長ーより(3月3日利用) 

上記は「1985~2015年」の「世帯当たりの平均所得金額の推移」です。

真ん中の「青いライン(全世帯)」だけをご覧ください。

バックデータで確認すると、「世帯平均所得」が最大だったのは、1996年の661.2万円です。

直近の「世帯平均所得」を調べてみると、2021年の「世帯所得」の平均は545.7万円でした。

下記に書き出しますね。

◎「世帯平均所得比較」

➀「1996年:661.2万円」
➁「2021年:545.7万円」

❸「差額:マイナス115.5万円」(▲月9.6万円)

上記で比較すると、私たちは1996年よりも115.5万円(月9.6万円)も低い所得で生活をしているのです。

6.「コロちゃんの子育て時代」

上記で「エンゲル係数」が、1980年代以降どんどん低下(生活は豊か)してきたことを見てきました。

そして2005年に「エンゲル係数」がボトムとなり(もっとも生活が豊か)、そこから反転して上昇(生活が貧しい)してきたことも見てきました。

これをわかりやすく表示すると、以下のようになります。真ん中のボトムが一番「エンゲル係数」が低い(生活が豊か)な時代ですね。

◎「エンゲル係数推移」

「1987年:26.1%(貧しい)」⇒「2005年:22.9%(ボトム・豊か)」→「2023年:27.8%(貧しい)」

一つ上の上記で「世帯所得」が最大だったのは「1996年:661.2万円」でした。

ですから、この辺りの「1990年代後半~2000年代前半」が、「日本人」の生活が一番豊かだった時代だったのでしょう。

この「時代認識」を、コロちゃんの「子育て時代」と合わせてみてみますね。

まず、現在と同じエンゲル係数の値だった「1987年:26.1%」は、コロちゃんが30代半ばで、子どもが「乳飲み子と幼児」だった時代でした。

またコロちゃんが「転職」をしたのもその頃でした。

時代はバブル期(1986~1991年)に入った頃ですから、転職後の会社生活が順調だったのは、後から思えば「バブルの恩恵」があったからですね。

そして、上記で「世帯所得」が最大だった「1996年:661.2万円」の時期は、コロちゃんは40代前半で「円熟の働き盛り」です。子どもたちは「小学生」ぐらいだったでしょうか。

育ちざかりの子どもたちを抱えても、何とか生活をやり繰りできたのは時代の背景があったことは、今だからこそわかりますね。

その後の「エンゲル係数」」が「2005年:22.9%(ボトム)」(生活は豊か)を付けた時には、コロちゃんは50代前半、子どもたちは「高校生・大学生」の頃でしたね。

この2005年は「就職氷河期(1993年〜2005年学卒者)」の最終年となります。この時代に「高校・大学を卒業した若者」たちは、未だにその後遺症が残っています。

コロちゃんちの子どもたちは、今から振り返ると、運が良かったのかギリギリで「就職氷河期」が終わった後の就職となっていましたね。

このように見ていくと、コロちゃんの半生の「生活」は、時代の流れの中で運が良い時期にあたって、多くの生活上のリスクをすり抜けたと感じていますね。

今の若者たちは、親の時代・コロちゃんの生きて来た時代と違って、おそらく「親世代よりも豊かにはなれない」でしょう。

それは、今の若者たちが力が足りないとか、なにか判断を間違えたからなのではありません。

ただ「日本経済の発展段階」が、以前のような「成長が出来る時代」から「次の時代」に移っただけだと、コロちゃんは考えてますよ。

7.「時代の様相が見えるのは20年後です」

コロちゃんが上記の様な「時代認識」を持ったのは、ごく最近です。

「時代の様相」や「全体像」が見えてくるのには、長い時間が掛かるのです。

コロちゃんのような庶民の目に映るのは、社会のごく一断面にしかすぎません。

その時点の社会の様相や、それ以前からの推移がわかるのは、専門家でも早くて2~3年後でしょう。それからほかのデータも併せて検討するとなると、5年10年の時が掛かってしまいます。

一般に広がるのはそれからですから、10~20年を経ないと「時代の全体像」は私たちには見えてきません。

コロちゃんが1990年代~2000年代の「時代の様相」を知ったのは、ずっと後になってからなのです。

ですから、どんな人も「時代を先取りして成功する」ことはできません。

あとから「私はこんな時代が来ることは分かっていた」という方は、単に先走っていたら偶然ラッキーだっただけだと、コロちゃんは考えていますよ。

過去のコロちゃんが目指していたことは、「一生懸命目的に向かって全力を挙げる」と言う事だけでした。

これなら「未来がどう変わっても、納得できる結果」が得られますからね。

その結果は、コロちゃんには満足できるものとなっていますよ。なんと言っても子どもたちが自立をして旅立ってくれましたからね。

若い皆さんたちは、「親世代より豊かにはなれない」かも知れもせんが、一生懸命生きることにより、「親世代よりも満足度の高い人生」をおくることが出来るかもしれませんよ。

コロちゃんは、その若い方たちを微笑みながら見ていたいと思っていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

LukasによるPixabayからの画像
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