コロちゃんは、今日いつものようにお昼を食べようとしていましたら、いきなりネットにニュースが飛び込んできました。
「岸田総理が襲撃された」という報道です。爆発物が投げられたそうですが、詳細は、まだわかっていません。
コロちゃんは、びっくりするとともに、日本の歴史を思い起こしました。
1.「歴史は繰り返す」
「歴史は繰り返す」という言葉は、最初にこの言葉を使ったのは古代ローマの歴史家の「クルチュウス=ルーフス」と言われています。
その意味は、「過去に起こったことは、同じようにして、その後の時代にも繰り返し起こる」ということでした。
歴史は、人間が紡ぐものですから、いつの時代も人間の考えることや行動は、同じになるということだと思います。
「仮面ライダーキバ」では、主人公の紅音也の決めゼリフとして、以下のようなセリフがあるそうです。
「一度目偶然 二度目奇跡 三度目必然 四度目運命 」
また、カール・マルクスの以下の言葉も有名です。
「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」
これらの言葉は、現実の歴史を振り返ってみると、なかなか含蓄のある言葉です。
歴史を振り返ってみると、同じようなことが起きることは、けっこう多いんです。
2.過去の総理大臣暗殺事件
今回の、岸田総理への爆弾投擲事件(まだ、詳細は分かっていません)が起こったという報道を聞くと、すぐについ先日の安倍元総理暗殺事件を思い出します。
安倍元総理は、昨年2022年7月に選挙の街頭演説中に銃撃され、亡くなられました。
犯人は41歳の男で、旧統一教会の被害者であり、その恨みから関係が深いと思い込んだ犯人が、凶行に及んだと言われています。
日本の歴史において、総理大臣や元総理大臣で、暗殺された方々は、7人おります。
伊藤博文(1909年)
原敬 (1921年)
濱口雄幸(1930年)
犬養毅 (1932年)
高橋是清(1936年)
齋藤實 (1936年)
安倍晋三(2022年)
犬養毅は5.15事件で、高橋是清と齋藤實は2.26事件で殺害されました。
この総理大臣暗殺事件の一覧を、一目見て1930年代がとびぬけて多く、4人の方が亡くなられているのが目につきます。
(赤のマーカーの方です)
1930年代は、世界恐慌と満州事変などの、経済的な不況と、政治的・軍事的軋轢が高まった時代で、社会不安が世の中をおおっていました。
コロちゃんは、昨年の安倍元総理の暗殺事件の時には、単なる恨みによる個人的「事件」かと思っていました。
しかし、今回、岸田総理への爆弾投擲事件(まだ詳細は不明ですが)を、聞いたときに、これはそういう時代が来たのかもしれないと思ってしまいました。
一度目は「偶然」かもしれませんが、二度もあることは、歴史を見ていると「必然」かもしれないと思ったのです。
もちろん、まだ犯人の意図など、何もわかりません。何しろ今日の昼前に起こった「事件」なんですから。
(このブログは、当日の夜に書いています)
これは、コロちゃんの「懸念」と考えていただいていいと思います。的外れでしたら、それはそれでよいことなんですから。
3.「不安の時代」の1930年代
日本には、過去に大きな「不安の時代」がありました。
上記で見たように、4人の総理大臣・元総理大臣が暗殺された1930年代です。
この時代には、以下のようなことが起きています。
1927年に「昭和金融恐慌」が起きています。この不況は長くづづきました。
1929年には、アメリカのウォール街のニューヨーク証券取引所で株価が大暴落したことをきっかけに、世界的な規模で金融恐慌が起きて世界恐慌が始まりました。その影響は日本にも及びました。
1930年濱口雄幸総理暗殺(死去は1931年)。
1931年には、満州事変が起こっています。
1932年には5.15事件、犬養毅総理暗殺。
1936年に2.26事件が起こり、高橋是清元総理・大蔵大臣暗殺。齋藤實元総理・内大臣暗殺。
1937年には、日中戦争がはじまり、その後1945年に日本が敗戦となるまで、長い戦いが続きました。
この1930年代を貫くキーワードは、「大不況時代」と「戦争の時代」です。
下記の引用をご覧ください。。
「昭和農業恐慌 注釈」より
「岩手県において身売り的出稼ぎまたは身売り的嫁入り(婚礼および新婚の生活費を全額新郎側で負担する)は1930年6月末397人から1934年7月末1829人と激増した。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%AD%E5%92%8C%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E6%81%90%E6%85%8C#cite_note-3
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「昭和農業恐慌」最終更新 2023年3月10日 (金) 21:46
上記の引用の、1930年代の東北地方の農業恐慌による貧窮は、娘の身売りが公然と行なわれるまでになっていたのです。
その暗い世相を背景として、テロと暗殺が出現したのです。
これは、多くのドラマや小説でも長く伝えられました。
ドラマの「おしん」ですと、「自立編」の最後の部分です。
おしんが子どもの時に奉公に出ていた「加賀屋」が、商品相場の大暴落で破産するエピソードがありますが、この時の大暴落は1930年の「昭和恐慌」の暴落です。
日本人の記憶に、1930年代の暗い記憶は、その後長く伝えられてきました。
まさに「不安の時代」ですね。
このような時代は、もう二度と起こらないと、コロちゃんは思っていました。何しろ、ドラマや小説の中でしか知らない時代なんですから。
それが、今日の岸田総理への爆弾投擲事件を聞いて、ひょっとしたら、「不安の時代」が、またよみがえってくるのかもしれないとの思いが、湧き上がってきたのです。
4.再び「不安の時代」が来たのだろうか?
コロちゃんの、思い過ごしだったらいいんですよ。年寄りは、すぐに不安を訴えたりしますからね。
しかし、現在の世の中を見ていると、何となく「不安」が漂っているように見えるんです。
「非正規雇用」と「正規雇用」の格差と階級の社会。
じわじわと忍び寄る、「中流階層」からの転落の恐怖。
一度下に落ちたら、二度と浮かび上がれない「滑り台い社会」。
変わらない、変えようとしない「社会システム」。
不安が充満する「同質化社会」と「逼塞感」。
言い訳ばかりの「社会の指導層」。
コロちゃんには、再び日本に「不安の時代」が来たのではないかと、イヤーな気分を持っています。
気のせいだったらいいんですけどね。
5.過去には「不安の時代」の次は「戦争の時代」が来た
日本の歴史を見ると、暗い時代だった1930年代の次の時代は「戦争の時代」でした。
「真珠湾攻撃」は、1941年12月8日です。そして1945年8月までの3年9ヵ月続きました。
まさか、現代に「戦争」なんかはないとは信じたいのですが、では国民の意識は「戦争」でなかったらどこに向かうのでしょうか。
同質社会の日本は、何か憎むターゲットを見つけて、猛進する姿が浮かぶような気がするのですが、気のせいでしょうか。
今日のブログは、岸田総理への爆弾投擲事件に衝撃を受けて、少し不安になってしまったのかもしれません。
しかし、このような視点も必要かもしれないと思い、老婆心ながらポチポチしてしまいました。
(コロちゃんは老婆ではありません。老爺です)
年寄りが心配しすぎていると、お笑いになっても結構ですので、このような懸念を持っている人もいるんだと、お聞き流しいただければ幸いです。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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