コロちゃんは、朝の散歩の後は新聞を読みながらコーヒーを飲むのが日課です。毎日のルーティンの行動なんですが、最近は読みながら「ぼんやりした不安」が頭をかすめることが増えました。
いえいえ、生活上の事ではないですよ。今日の散歩中には、途中から腰が痛み始めましたが、腰痛とは何とかお付き合い出来てます。
1.「ぼんやりした不安」で思い浮かぶことは
コロちゃんが「ぼんやりした不安」という言葉を聞いて思い浮かぶのは、芥川龍之介の自殺時の友人への手紙にあった言葉です。
1927年の事ですから、この言葉を残したのが高名な文学者でもなければ、今では誰も覚えていなかったでしょう。
この言葉は、文学史や歴史に必ず出て来るエピソードなんです。そこまで有名になった理由は当時の世相にあります。
1920年代は、関東大震災後の経済恐慌、金融危機、原敬総理大臣暗殺事件などが起きて、社会不安が全国に広がっていました。
その中で「ぼんやりとした不安」という言葉を残して、1927年に芥川龍之介が自殺してしまったのです。
その時に、その「不安の空気が充満している時代」を象徴する言葉として、芥川龍之介の遺書の言葉が注目を集めたのです。
現在、ニュースで流れているのは「コロナ禍」という社会不安です。その他にもいろいろ目立たないですが、気になる報道も流れています。コロちゃんは、何となくいやな空気を感じてしまうのです。
2.新聞から、いやな雰囲気が漂う
日本が、戦争や紛争を行うとか巻き込まれるとかは、4~5年前でしたら誰も感じて無かったと思います。
しかし、最近では「まさか」とか「ひょっとしたら」とか言い出してもおかしくない空気が流れ始めているように思うのです。
防衛費2%
安全保障環境の変化から、日本は防衛費を2027年度までにGDPの2%に増やす事を決めました。現在はその財源を巡って議論が進んでいます。
2021年の日本の防衛費は1.07%の5兆4000億円程度です。それを一気に倍近くに増やすのです。
これを「抑止力が高まった」と評価する方も多いのですが、外国である相手はどう思うでしょうか。
「戦力がピークになった時に戦いを始める」と考えてしまうことはないものでしょうか。
安保3文書
昨年12月16日に、政府は「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛整備計画」の安保3文書を閣議決定しました。
その内容には「現在の中国の対外的動向や軍事姿勢等は、これまでにない最大の戦略的挑戦」とあると言います。
これについては「脅威」という言葉を使わなかったので、まだ抑制しているという声もあるようです。「挑戦」という言葉に抑えたというのですね。
そして、対する中国の反応も、また抑制的だったといいますが、現在の状況下でこの3文書をわざわざ閣議決定する意図は何なんだろうなと考えてしまいました。
紛争シュミレーション
先日、米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が、中国人民解放軍が台湾への侵攻を図ると想定した机上演習(ウオーゲーム)の結果を公表しました。
その結果では、3回の演習のうち2回では、中国側が台湾の主要都市を制圧できないまま「敗北」との判定。
そして、残る1回では南部・台南の港を一時制圧したが、米軍の空爆で港は使用不能となり「こう着状態だが中国に不利」と判定されたそうです。
また、自衛隊は中国側の攻撃で100機以上の航空機や20隻以上の艦船を損失し、米軍も毎回2隻の空母が撃沈されたほか、大きな損害を受けたとあります。
もちろん、シュミレーションですから、これがすぐに紛争につながる訳ではありません。
しかし、もし台湾沖で紛争が起きて日本がそれに巻き込まれた場合には、数千人の日本人が死ぬことになるかと思うと恐ろしいの一言です。
中立こそ国家利益
「紛争に突入した国は勝っても負けても中立国以上の損失を被るのは歴史が証明している。国家の中立を保ち、紛争を回避することは大半の国にとって利益につながる」
コロちゃんの言葉じゃないですよ。世界最大のヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエーツ創業者のレイ・ダリオ氏の言葉です。
コロちゃんも、その通りだと思いました。日本は今の場所から引っ越すわけにはいかないんですから、軍事に前のめりの姿には怖さを感じます。
3.コロナ慣れの中の死者増加
コロナ禍も丸3年となって、世の中全体が「コロナとの共存」の方向に動いているように見えます。しかし現在の第8波は、死者数が月を経る毎に増え続けています。
昨年10月の全国の死者数は1864人、11月は2985人、12月は7622人。その内の60歳以上の割合は97%を超えるそうです。
どうやら、今流行しているコロナの新しい型の死者は、高齢者に集中しているようです。
世の中の社会活動がノーマルに戻る中で、今よりも更に高齢者の死者数が増加することを思うと不安が広がります。
4.降って湧いたようなインフレ
スーパーに行っても、食料品を始め値上げされた品目が目立ちます。電気料金に至っては30%以上の上振れとなっています。
日本銀行も「物価上昇は一時的」とのこれまでの見通しを、今回3%程度に変更したようです。
日本経済は、今まで過去30年以上続いた物価上昇率が低い状態から、一気にインフレの世界に一変するかも知れないという状況です。
昨年2022年の物価上昇率ですが、4月から+2%を上回る水準で推移し、10月には+3.7%に達しています。
11-12月については、まだ確定値が出ていませんので、+3.7%で推移すると仮定すると、2022年の通年の物価上昇率は+2.5%となる模様です。
月間の消費者物価上昇率が3%となるのは、消費税率引き上げの影響を除けば約30年ぶりだそうです。
インフレで、私たちの生活はどう変わるのか。コロちゃんは1970年代に経験しています。実質賃金が低下するのですから、当然生活は苦しくなりますね。
1974年の消費者物価指数は23.2%上昇しました。
しかし、その翌年1974年の春闘での賃上げ率は33%でしたから、当時は生活が守られたのですが、今年の春闘ではなかなか同じ様にはいかないでしょうね。
5.年金も実質下がる
ポチポチと、今年の年金支給額の改定値がどうなるのかを調べてみました。
まだ決定はしていませんので、推計値になりますが、年金支給額は物価上昇を反映してプラスとなる模様です。3年ぶりの増額改訂です。
詳細は「マクロ経済スライド」という複雑な内容なのでなかなか分かりにくいのですが、年金支給額は上がるが、実質は目減りすると指摘するレポートがありました。
「改定率は67歳までが+2.1%、68歳からが+1.8%にとどまる。名目の年金額は増えるものの、物価や賃金の伸びには追いついていないため、実質的な価値が目減りすることになる」
なるほど、物価上昇率が+2.5%なら、年金支給額が+1.8%のコロちゃん(68歳以上)は実質はマイナスになるわけですね。
「物価上昇を超える賃上げを」と発言している政府の方がいらっしゃいますが、「物価上昇を超える年金支給額改訂」とは言ってもらえないのですね。
6.ぼんやりした不安は情報の不足から
誰しもが生きている中で、多くの不確定な困難に必ず直面します。コロちゃんの場合は、健康問題がありますね。その他に生活の諸々や家計も有ります。
そして、上記の様な世の中の大きな動きも、コロちゃんの様なおじいちゃんにも関係してくる時もあります。年金支給額改訂なんかはその最たる例ですね。
しかし、不安に対処する方法は有ります。それは良く知る事だと思います。曖昧な理解が不安を呼び込むのだと思っています。
不安を覚えたら、そのままにしないで調べる。コロちゃんは、これからもそうし続けたいと思います。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい
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