【読書考】「日本の経済政策」を読んで

社会

おはようございます。今日のコロちゃんは、ちょっとメンタルが沈んでいるんです。

どしたのかと言うと、今朝コロちゃんが目を覚ましたら、枕の横に何か変なものを見つけたのです。それは、このフォトなのですが、これは明らかに「歯」ですよね。

コロちゃんは、自分の口を大きく開けて「あくび」をしても、どこも痛くありませんから、この「歯」の持ち主は「DNA鑑定」をしなくとも、「ワンコの歯」であることは明らかです。

これで、このワンコの歯が抜けたのは、コロちゃんが知る限りは4個目ですね。
(歯って、1個2個でいいのかなー?)

このワンコは最近食欲がなく、丸1日以上「エサ」を食べないことが最近多くなりましたね。これは「食欲がなくなったのか?」それとも「歯が痛くて食べないのか?」。

はてさて、ワンコの心は分からないですね。

おい、ワンコよ。まだまだ逝くんじゃないぞ。コロちゃんが寂しがるぞ。

今日は、昨日のブログでもちょっとだけ取り上げた「小林慶一郎氏の著作の読書考」をカキコキしますね。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「日本の経済政策を読む:著者:小林慶一郎」

☆「失われた30年の前半の15年と、後半の15年」

☆「これからの日本の進む道は?

1.「日本の経済政策:小林慶一郎:中公新書:2024年」

この本の内容は、昨日のブログでもちょっとだけ取り上げたのですが、コロちゃんはすごく内容に感動しましたので、今日は詳しく書いてみることにしました。

この著者は、東京大学から通産省(現経産省)に入省後に経済学者になられた方で、現在は慶應義塾大学教授ですが、他にも多くの公的役職を兼務しているようですね。

コロちゃんは、この方は「主流派経済学者」のイメージを持っていたので、この方の著書は今までは読んだことがありませんでした。

今回この本を手に取ったのは「書評」で見かけたからです。そして読んでみて驚きました。

コロちゃんが今まで大きな疑問としていた日本経済の「失われた30年の謎」を、コロちゃんでも理解できるレベルで解説しているのです。

今まで数多くの「経済学者」や「エコノミスト」が、この「失われた30年」についての論考・著作を発表していますが、コロちゃんには今一つ納得がいかない内容だったのです。

だけど本書は違っていました。

その内容を簡単にご紹介しますが、いかんせんコロちゃんの理解ですから、どこまで皆さんにお伝えできるか自信がないので、その点ご承知の上でお読みください。

2.「失われた30年の前半の15年」

まず最初に「失われた30年」の前半の15年です。

バブルが崩壊した1990年代前半から2000年代中盤にかけての「経済不振」は、「バランスシート不況」と言う事で、既に多くの経済学者が同意されています。

高値となった「株式価格」と「土地価格」の暴落が長年続いたために、「銀行」や「事業会社」が多くの不良債権を抱えました。

しかも「暴落」が長々と続き、更に不良債権が次々と増えていく悪循環でバランスシートの棄損が長年にわたり続いたことが「失われた30年の前半」の原因とされています。

ここまでは、コロちゃんもほかの経済書で読んでいたのですが、本書はこの「不良債権処理が長年にわたったことによる影響」を指摘しているのです。

当時の日本では、「不良債権」を誰も把握していなかった(その制度がない)ことにより、「銀行・大蔵省・事業会社」の全てが、「不良債権処理の先送り」を選択したと書いています。

何しろこの当時は、「銀行破綻処理制度」もなかったのです。また銀行が破たんした時に預金を保証する「預金保険制度」もありませんでした。

コロちゃんが、記憶をたどれば「山一証券の破たん」が1997年ですから、バブル崩壊で株価が崩落した1990年から7年もあとになります。

当時の「大蔵省・銀行・事業会社」は、皆そろっていずれ株価・土地価格は再度上昇に転じて、バランスシートの棄損を覆い隠せると考えていたのでしょう。

最終的に「バブルの後始末である不良債権処理」には15年の時がかかり、丸々1世代が後始末に追われることとなったと、本書は指摘しています。

そして著者は、バブルとその後始末は決して珍しい事ではなく、1990代のスウェーデンや2008年のアメリカでもあったが、せいぜい3~4年で後始末は終わっているとしています。

それが「日本」では15年もかけたことにより、この世代が不良債権処理の後ろ向きの仕事に従事せざるを得なくなり、2000年代の生産性の低下に繋がったと考察しています。

3.「失われた30年の後の15年」

「日本経済の低迷」が、バブルの後始末が原因ならば、それが終了した2005年ごろ以降の「日本経済」は再び成長へと進むはずですが、現実はそうなっていません。

「失われた30年の後半の15年の理由」ですね。

この点がコロちゃんが経済書を読んでいて、いつも感じていた疑問ですが、これへのしっくりした回答を今までは読んだことがありませんでした。

もちろん、あれこれも一因であるとか、複合的は原因とかの指摘は沢山あるのですけどね。

しかし、本書はかなり専門的な議論も交えて、下記の様に指摘しています。ただコロちゃんの理解だということはお伝えしておきますね。

○「長期停滞の理由」

①「人口減少と超高齢化」

これは、経済学者のどなたも理由の一つに取りあげていますから、共通の認識だと思います。

②「人的資本の劣化」

これは「非正規雇用の増加」も理由にあげていますが、それ以前の不良債権処理に15年もかけたことによる人的資本の劣化を、著者は重視しているようです。

③「政府債務の増加と社会保障制度への不安」

これも政府が国債を発行して、国の借金が増えることによる「国民の不安」や、社会保障制度の持続性への「国民の不安」が、経済成長率の低下の一因としていますね。

➃「金融緩和の長期化による影響」

著者は、「金融緩和」が短期的には経済成長にプラスの影響となると認めた上で、しかし「短期決戦」のはずの「金融緩和」が20年にわたっていることによるマイナスの影響を指摘しています。

「長期の金融緩和」は、ゾンビ企業の延命や、ゼロ金利であることにより「企業」が現在に安住して、リスクのある新規事業を忌避するなどによりイノベーションを阻害したというのです。

⑤「失敗の共通点は為政者の再帰的思考の欠如による」

これが本書の「結論」なのですが、ちょっと「哲学的」だとコロちゃんは思いましたね。

「再帰的思考」とは、「他者の思考について思考すること」とされています。

要するに上記の「失われた30年」は、天災の様に人間の意図と関係なしに起きたものではなく、為政者の「政策の誤り」によって起きたことだと言うのです。

そして、その「政策の誤り」は、為政者が自分の論理で「民はこう動くはずだ」「将来はこうすればこうなるはずだ」との施策を進めたことによって起こったとしています。

要するに為政者の思考が「パターナリズム(父権主義)」だったというのです。「エリート主義」の誤りだったというのですね。

「指導者は頭が良いから愚かな民は従うべきだ」の為政者の思考法が、間違っていた事の証明が「失われた30年」だったというわけです。

著者は、今から振り返ってどこで間違えたのか、どうすれば良かったのかを下記の様に記載しています。

「1992年ごろに大手銀行に公的資本注入を行ない、その段階で協力に不良債権の査定と直接償却処理を進めておけば、バブルの後始末は94~95年ごろには終了しただろう。その後の日本経済は通常の回復軌道に戻ったのではないかと思われる」

何とも、ため息が出る思いをコロちゃんは持ちましたよ。

4.「これからの日本の進む道は?」

本書は、上記の様に実に興味深い内容だったのですが、それでは今から「日本」はどうなるのでしょうか。またどうすれば良いのでしょうか。

岸田総理と十倉経団連会長は、「賃上げ」で「経済の好循環」に進めば、経済成長は出来ると信じていらっしいます。

そして狙い通り「春闘の賃上げ」は、3月15日の連合の第1回集計で5.28%と33年ぶりというと「高い賃上げ」となっています。

そして同じ15日に「日銀が18・19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策を修正する」と報じられました。

この二つの報道は、「日本経済」が今後経済成長に進めるかもしれない「明るい見通し」の報道です。

しかし、本書で読んだ「日本経済の長期停滞」の理由は以下のとおりです。

◎「長期停滞の理由」

①「人口減少と超高齢化」

「少子化対策」でたとえ子どもの出生数が増えても、経済成長に寄与するのは少なくとも20年はかかりますから、「人口減少と高齢化」はどうしようもない現実です。

②「人的資本の劣化」

「非正規雇者」は、現在「2146万人(37.3%)※」と実に労働者の3人に1人以上となっており、人的資本の劣化は止まっていません。

(※総務省統計局:労働力調査2024年1月分)

③「政府債務の増加と社会保障制度への不安」

これは「国民の不安」という精神の領域ですが、国債発行額の増加はどうにもなりませんし、社会保障制度の不安も抜本的な改革は難しいでしょう。

➃「金融緩和の長期化による影響」

「日銀」は、3月18~19日の金融政策決定会合で「マイナス金利」の解除を発表するもようですが、たとえ「ゼロ金利」が変更されても、金融緩和的な状況はその後も続くでしょう。

もし著者が書いているように「金融緩和の長期化」が、企業のイノベーションを阻害しているならば、その状況今後も続くと思いますね。

以上のように、本書で読む「長期停滞の理由」は、どれも解決が困難な課題ばかりだとコロちゃんは思いました。

この「日本経済」に対する本書のネガティブな視点と、岸田総理・十倉経団連会長のおっしゃる「経済の好循環へ前進」との視点は、果たしてどちらが正しいのでしょうか。

コロちゃんは、興味津々でニュースを聞いていますよ。

皆さんもご興味があれば、本書「日本経済の経済政策」をお読みすることをお勧めしますよ。とても興味深い本ですよ。

5.「コロちゃんと失われた30年」

この「失われた30年」の期間は、コロちゃんが40代後半から現在に至る期間です。

バブル崩壊となる1990年には東京都内で一生懸命働いていて、家に帰れば幼児2人のよき父親たらんと家庭を運営していました。

その当時のコロちゃんは、経済は社会の一部エリートに任せておけば、間違いがないと考えていましたよ。

しかし、今から振り返ってみると、どうやらそれは間違いだったようです。

コロちゃんは正社員で働いていましたが、当時から「非正規雇用者の増加」は少しづつ進められていたのですね。

それが、まさか現在の様に全雇用者数の4割近くまで増加することは、当時はおそらく誰も予想していなかったでしょう。

そして、2012年の安倍自民党の衆議院選挙の勝利です。

この時の安倍自民党が選挙のテーマとしたのは「金融緩和」です。その「金融緩和で景気回復」という安倍自民党の選挙スローガンが、自民党の大勝利をもたらしたのです。

しかしその「金融緩和」は、10年経って今修正されようとしています。上記の本書によると、その「金融緩和の長期化」が「日本経済の長期停滞」をもたらしたとされています。

この「論説」が、今後「経済学者たち」によって検証されていくとは思いますが、もし正しかったのなら、あの2012年に選挙で示された「民意」とは一体何なのかと考えさせられますね。

当時の国民の大多数は「金融緩和で景気回復」を信じて、安倍自民党を選挙で選んだのです。

今まだ「失われた30年」が続いていることを思うと、今後「失われた40年」にならない施策が求められていると、コロちゃんは思いますね。

そのためには、もっと「失われた30年」がなぜ起きたのか、そしてなぜ「経済成長が出来なくなったのか」の研究と解明がもっと進められることが必要だと、コロちゃんは思いましたよ。

あらら、今字数を数えたら6800文字ありました。そしてカキコキの時間は3時間です。これからイラストを入れますから、このブログカキコキ時間は3時間30分ですね。

なかなか「1000文字1時間でカキコキ」の達成は難しいです。また明日チャレンジしましょう。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

钧 张によるPixabayからの画像
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