【社会考】「過労死白書」を読みましたか?

社会

おはようございます。今朝のワンコとの散歩は、真っ青な青空が空一面に広がっていました。

そこは気持ちが良かったのですが、すごーく寒いんです。気温がなんと「10度」です。この夏以降で、こんなに下がったのは初めてですね。

コロちゃんは、「放射冷却」という言葉が頭に浮かびました。皆さん「放射冷却」をご存じですか?

「放射冷却」とは、一般には、「物が外へ熱を出して(放射)冷える(冷却)こと」を言います。お天気の場合には「地面の放射冷却」を指しています。

風が弱く晴れた夜は、地面が冷える為に空気も冷やされて、雲がないために地面の熱が空にどんどん出ていくために、翌朝にすごーく寒くなるとされています。

理由は分かっても、寒さは変わりません。やっぱり寒いです。コロちゃんはブルブルと震えながら散歩から帰ってきました。
:;((•﹏•๑)));:サムイ

今日は、これも「お寒いお話」しかもしれませんね。「過労死白書」についてポチポチします。

1.「過労死白書」が発表された

先日の10月13日に、厚生労働省から「令和5年版過労死等防止対策白書」が発表されました。

この「白書」の表紙には、次の題名が記載されています。

「我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」

なんか、名前が長すぎですよね。これでは報道の見出しには載っていないのがわかります。このブログでも「過労死白書」としましょう。

2.「過労死ライン」

まずは「過労死ライン」について見てみましょう。現在「過労死ライン」とされている労働時間が、何時間なのかをご存じでしょうか。

過労死ラインは、一般的には「月80時間(残業時間)」といわれています。

下記の引用をご覧ください。

「ウィキペディア  過労死ライン」より

「発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合。」

「1日8時間勤務で1か月の労働日を20日として月160時間の労働とする。1日4時間の時間外労働をして、1日12時間勤務が続く状態。」

「1ヶ月の総労働時間が240時間。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8E%E5%8A%B4%E6%AD%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「過労死ライン」最終更新 2021年9月15日 (水) 21:24

上記の引用が「過労死ライン」とされているものです。

「(1日勤務8時間×20日)+(1日時間外労働4時間×20日)=1ヵ月240時間」ですね。
(単純化した目安です)

上記のように、健康障害の発症が、2~6ヶ月間で平均80時間を超える「時間外労働(残業)」をしている場合、因果関係を認めやすいとされています。

現在、一生懸命に「長時間労働」をなさっている方は、ぜひご自分の「残業時間」が1日4時間を超えた日が何日あるかを計算なさってくださいね。

もし「1日残業時間4時間×20日=80時間」を超えていたら、「過労死」を考えなければなりませんよ。

3.「労働時間の推移」

ここから「白書」を開いてみます。最初に「労働時間の推移」が出てきます。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働白書 年間労働時間の推移」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典:厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」より(10月14日利用)

上記のグラフは、平成5年(1993年)~令和4年(2022年)の「労働時間の推移」です。

一見して、「総労働時間」が1993年(平成5年)の1920時間から、2022年(令和4年)の1633時間に右肩下がりに順調に減少しているように見えます。

しかし、次のグラフを見ると光景が違って見えてきます。

「厚生労働白書 就業形態別年間総実労働時間」より

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-128.png
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典:厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」より(10月14日利用)

上記のグラフは「就業形態別年間総実労働時間」と「パートタイム労働者比率の推移」のグラフです。

このグラフを見ると「一般労働者の総実労働時間」は、ほとんど横ばいで減少は僅かとなっています。

そして「全労働者に占めるパートタイム労働者数」が右肩上がりとなっているのです。

一つ上のグラフで見てきた「年間労働時間の推移」では、「総労働時間」が1993年(平成5年)の1920時間から、2022年(令和4年)の1633時間に減少しているように見えました。

しかし、それは「錯覚」だったのです。

いわゆる「正規雇用者」の「総労働時間」はあまり減少してはいません。

ただ「短時間勤務」の「パートタイム労働者」が増加したために、全体の「平均総労働時間」が押し下げられて見えただけです。

なお、この「白書」では以下の様に記載しています。

「パートタイム労働者比率の増加傾向が継続していることから、労働者1人当たりの年間総実労働時間の中長期的な減少は、パートタイム労働者比率の増加の寄与もあると考えられる」

コロちゃんは「パートタイム労働者比率の増加の寄与もあると考えられる」をよんで、思わず突っ込んでしまいました。

BY<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
BY
コロちゃん

それしかねーじゃん!

「正規雇用」の労働時間は減ってないよー!

4.「過労死ライン週労働60時間」

上記の「過労死ライン」で1ヵ月240時間(総労働時間)が目安となることを見てきました。週に換算すると60時間となります。

その「月末1週間の就業時間が 60 時間以上の雇用者の割合と雇用者数」のグラフが下記です。

「厚生労働白書 就業形態別年間総実労働時間」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典:厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」より(10月14日利用)

上記のグラフで「月末1週間の就業時間が 40 時間以上である雇用者の内で、就業時間が 60 時間以上(過労死ライン)」である雇用者の割合・人数を見てみましょう。

令和4年(2022年)では8.9%(298万人)もいらっしゃいます。

過去で一番多かった年は、平成15年(2003年)の17.9%(683万人)ですから、年々減少はしているのですが、ほとんど横ばいに見える程度でしかありません。

「白書」の記載では、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和3年7月 30 日閣議決定)で、上記の割合を5%以下にするとなっているそうです。

BY<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
BY
コロちゃん

ぬるいよ、ぬるいよ、生ぬるいね、こんなのゼロを目指せよ!

過労死出したら経営者逮捕だよー!

上記でコロちゃんが「過激」な意見を吠えていますが、「過労死」は本人と家族を不幸にしますし、社会的な損失も大きいですから、もっと強力な抑止の政策を進めて欲しいと、コロちゃんは思いますね。

5.「心疾患・脳疾患及び精神障害」

次には、「過労死への道」で発症する「心疾患・脳疾患及び精神障害」をポチポチします。

①「脳・心臓疾患」

それでは「脳・心臓疾患に係わる労災支給決定件数の推移」です。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働白書 脳・心臓疾患に係る労災支給決定(認定)件数の推移」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典:厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」より(10月14日利用)

上記のグラフの「青の棒」は「労災支給決定件数」で、「橙色の棒」がそのうちの「死亡件数」です。

業務における過重な負荷によよる「心疾患・脳疾患」は、「死亡」という最悪の事態となる可能性が極めて高い疾患なのです。

また「脳疾患」では、回復しても障害が残る可能性も高い「怖い病」です。

上記グラフの「労災支給決定件数」は、平成19年(2007年)の392件以降、近年は減少傾向にありましたが、令和4年(2022年)は前年よりも増加しています。

この「心疾患・脳疾患事例」の「労災請求件数」が、別のグラフで出ています。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働白書 脳・心臓疾患に係る労災請求件数の推移」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典:厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」より(10月14日利用)

上記のグラフは、「脳・心臓疾患に係わる労災請求件数の推移」です。

この内容は平成13年(2001年)~令和4年(2020年)までの間で、690~936件を上下していて、こちらは一向に減っていません。

「労災請求は増えている」のに、「労災決定が減っている」ことは、何を意味するのでしょうか。

「労災認定基準が厳しくなった」とか「軽い疾患でも労災請求をするようになった」とかが考えられますが、この「白書」には何も書かれていません。

「労災認定基準」が厳しくなったために「認定患者数」が減ったと言う事がなければ良いのですが。

②「精神障害」

次に同じく「過労死への道」で発症する「精神障害に係る労災支給決定件数の推移」です。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働白書 精神障害に係る労災支給決定(認定)件数の推移」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典:厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」より(10月14日利用)

上記のグラフの「青の棒」は「労災支給決定件数」で、「橙色の棒」がそのうちの「自殺(未遂を含む)件数」です。

業務における強い心理的負荷による「精神障害」を発病したとする労災請求件数は、平成13年(2001年)~令和4年(2020年)までの間で上下しながら、増加し続けています。

「精神障害」となった方は、「自殺」という最悪の結果をも引き起こすことが多いのです。

そして改善しても、その後長い治療期間が続くことがある「怖い病」です。

それでは、こちらでも「精神障害の労災請求件数」を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働白書 精神障害に係る労災請求件数の推移」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典:厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」より(10月14日利用)

上記は「精神障害に係わる労災請求件数の推移ですが、これは酷い右肩上がりです。

こんなに年々増加しているのに「厚生労働省」や「企業経営者」は、何をしていたのでしょうか。

しかも、年々増え続けているということは、現在の対策では「業務における精神障害の発症」を防げていないことがわかります。

BY<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
BY
コロちゃん

なぜこんなのが「犯罪」にならないんだよー!

「人殺し」と同じ扱いにしろよ。悪い経営者と管理職は刑務所へ行けー!

コロちゃんが、大声で過激に吠えてますけど、せめて、もっと強力な強制力を持った「法規制」を行ない、せめて年々犠牲者数が減少するようにして欲しいと、コロちゃんは思いますね。

上記で見てきたように「心疾患・脳疾患・精神障害」の方が、年々増えている現状は酷すぎると思います。

6.「自殺」

上記の「心疾患・脳疾患」のグラフでは、「橙の棒」がそのうちの「死亡件数」でした。

そして「精神障害」のグラフでは、「橙の棒」が「自殺件数(未遂を含む)」です。

それでは、日本の「自殺件数」は全体でどのくらいあるのでしょうか。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働白書 自殺者数の推移」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典:厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」より(10月14日利用)

上記のグラフは、昭和53年(1978年)~令和4年(2022年)の、「自殺者数の推移」です。

グラフの青の棒が「自殺者総数」で、黒の実線が「勤務問題を原因・動機の一つとするもの」です。

このグラフを見ると1998年(平成10年)から14年連続で自殺者が3万人を超えていました。

2010年(平成22年)以降は減少傾向にありましたが、2016年(平成28年)以降は横ばいとなっています。

その期間の自殺者の内で「勤務問題を原因・動機とするもの」は、だんだん多くなっています。

そして驚くのは昨年2022年(令和4年)の「勤務問題を原因・動機の1つとする自殺者の割合」です。

2021年(令和3年)の1935人から、2022年(令和4年)は、一気に1000人以上も増えて2968人に倍増しているのです。

急に増えた理由については、この「白書」では触れられていません。

ただ、2022年(令和4年)の自殺者の理由を見ると多い順に「健康問題(12774人)」「家庭問題(47752人)」「経済・生活問題(4697人)」となっています。

そして次の4番目に「過労死」を伺わせる理由の「勤務問題2968人」が出てきています。

BY<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
BY
コロちゃん

「健康問題・家庭問題・経済生活問題」の中に、「勤務問題(職場での過労)」が入り込んでいるんじゃないの?

「過労死」寸前なら、みんな起こりそうな問題ばっかりじゃん?

BY<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
BY
コロちゃん

だいたい、毎年2万人が「自殺」するなんて、国の損失が大きすぎるよ。

この2万人はみな何人かの家族がいるんだよ。自殺は本人はもちろん家族も不幸にするんだ、ブラック企業には、責任を取らせろよー。
(#゚Д゚)ゴルァ!!

7.「過労死絶滅に国家の強制力を」

今日のテーマは「過労死白書」の紹介でした。

報道の内容では「睡眠時間が2時間不足だと3割にうつ病の疑い」とか、「芸術・芸能分野のセクハラや・長時間労働」などが、記事となっていました。

このブログでは、コロちゃんが関心を持った内容の「過労死・長時間労度・脳疾患・心疾患・精神障害・自殺」などを取り上げてみました。

コロちゃんは、みんなが一生懸命に働くのは、本人と家族のためだと考えています。それを根底から覆す「過労死」に繋がる「長時間労働」は、憎むべき悪習だと思います。

上記でも見たように、現在もなお数多い被害者が出続けている「過労死へと続く労働」は、個別企業の経営者に任せるだけでは、無くならないことは確実です。

その時にはやはり「国家の強制力」を行使するしか、「過労死」を無くすることはできないのではないでしょうか。

コロちゃんは、過労死に厳しい「労働法制」への改革を望みます。

8.「コロちゃんちの家訓」

最後に、以前にもこのブログでご紹介しましたが、コロちゃんが若いころから心がけていた「家訓」をもう一度ご紹介します。

なに「家訓」と言っても、そんな立派なものではないですよ。コロちゃんが毎日の生活を過ごす時に、自分で自分に言い聞かせて入る「心得」です。

①「困った時にはメシを食え!」

この教訓は、コロちゃんが20代の頃に読んでいた「アクションコミックス」というマンガ雑誌で連載されていました「じゃりン子チエ」というコミックの中に出て来る言葉です。

この「じゃりン子チエちゃん」は、関西が舞台です。

「しっかり者の小学生の女の子チエちゃん」と「ダメダメ父親小鉄」と、「関西人のおばあはん」がメインキャストです。

その中で「関西人のおばあはん」のセリフが上記の「困った時にはメシを食え!」なのです。

「寒い、お腹へった、もうアカン、死にたい、この順番できますんや。熱いうどん食べなはれ」
(by じゃりんン子チエのおばあはん)

不幸は「暗い、寒い、腹減った」の順でやってくるので、とにかく明るくして、温かくして、腹にものを入れれば、不幸もどっかへ飛んでいくというのです。

なんか「哲学的」なのか「リアリズム」なのかよくわからない内容ですけど、やたら説得力があると、当時20代でしたコロちゃんの脳裏に焼き付いた言葉なのです。

人間は、しょせん「サルの1種」ですから、「胃袋」と「脳みそ」は繋がっているのです。

腹が減れば悲観的にもなりますし、先行きの暗い要素ばかりが目に付くようになります。

ですから、コロちゃんは「困った時には、メシを食え!」をいつも自分に言い聞かせているのです。

②「夜は悩むな!」

人間長く生きていると、必ず選択を強いられる分かれ道「岐路」に追い込まれることがあります。

「右の道を行くのか?、左の道を行くのか?」そのような時には、誰しもが真剣に悩みますよね。

そのような時に陥った時には、「夜は考えるな!」というのが、コロちゃんちの「家訓」です。

人間は所詮「サルの1種」ですから、夜悩むと大体は「悲観的」になります。それに対して朝日の中では「楽観的」になるというのが、コロちゃんちの教えです。

コロちゃんは、自分自身のメンタルが弱かったものですから、若い時にはくよくよいつまでも悩んでいることが多かったのです。これは、その中で会得した「教訓」です。

「悩んだ時には、朝を待て!」ですね。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

ElisaによるPixabayからの画像
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