おはようございます。昨日の「能登半島沖」で起きた地震の被害が、今朝になってから続々と明らかになってきています。
もちろん、全容が判明するのはまだ時間が掛かるかと思いますが、正月元旦から被災された皆さんには、心からお見舞い申し上げます。
今回の地震もそうですけれど、2011年に発生した「東日本大震災」などを思い起こすと、日本は「地震国」であることを痛感します。
常に「地震への対策を頭に置いておく」ことが、わが国では必要だと言う事ですね。
コロちゃんも「備えあれば憂いなし」を、心に刻み付けましょう。
今日は「成長幻想を捨てよう」をカキコキします。
0.「今日の記事のポイント」
コロちゃん
今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。
☆「積極財政で成長幻想を捨てよ、日本は衰退途上国」
☆「経済成長の考え方と、その条件整備」
☆「赤字の海の中小企業と、高い生産性の中小企業をつくる」
☆「消費税増税と、コロちゃんの経済教室評価」
☆「将来日本は大きな経済成長が出来るのか?」
1.「積極財政で成長:幻想を捨てよ!」
コロちゃんは、コーヒーを飲みながら新聞をバサバサ読んでいましたら、最近のコロちゃんが感じていた興味深いテーマを扱っている「経済教室」の執筆記事を読みました。
それは、日経新聞の「経済教室」での「積極財政で成長幻想捨てよ」とのテーマの執筆記事です。
著者は「松元崇元内閣府事務次官」です。
それではこの「経済教室」の内容を、コロちゃんが理解できる限り纏めてみましょう。
2.「日本は衰退途上国となった」
「日本は衰退途上国となった」by松元崇先生
この先生はずいぶん大胆なことを言いますね。
コロちゃんは「発展途上国」はよく知っていますが、「衰退途上国」って言葉は初めて聞きましたよ。
この著者は、「衰退途上国」とは「発展途上国」の逆に、以下の特徴があるとしています。
①「低い生産性の伸び」
②「それにより為替レートが安くなる」
③「所得が伸びずに他の先進国より低い所得となる」
なるほど、確かにこの①~③は、現在の日本に当てはまりますね。
3.「原因は経済成長の考え方にある」
そして日本の30年にも及ぶ「低成長の原因」として、「なにが経済成長をもたらすのか」の考え方にあるとしています。
この「経済教室」によりますと、その答えは下記のようになります。
◎「何が経済成長をもたらすのか?」
①「経済成長をもたらすのは人間の創造力」
②「経済成長に必要なのは、その創造力をもたらす条件整備だ」
4.「その条件整備とは何か?」
そして、その「条件整備」として以下の2点を挙げています。
◎「経済成長をもたらす条件整備とは何か?」
❶「高度成長期には、道路・港湾などのインフラ整備」
❷「石油危機(1973年)後には。省エネルギーなどのイノベーション(技術革新)」
(これは事実です。日本は1973年と1979年に起こったオイルショックの直後に「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」を制定しています。
そして現在では、日本の電気消費量は世界4位であるにも関わらず「実質GDP当たりのエネルギー消費」がイギリスに次いで2番目に少ない「省エネ大国」となっています)byコロちゃん
そして、今後の「日本」に「経済成長をもたらす条件整備」として、以下の点を挙げています。
❸「現在の日本に求められる経済成長をもたらす条件整備は『転職して所得が上がるような社会』にすることである」
5.「赤字の海の中小企業では転職しても所得は増えない」
そして「経済成長をもたらす、転職して所得が上がる会社」については、以下の様に記載しています。
「岸田総理のリスキリングも、再び経済成長するための条件整備の一つだが、そもそも現在の『日本』では転職しても高い賃金で雇う企業がほとんどない」
「日本の生産性は米国の半分程度で、企業の大半を占める中小企業の6~7割が赤字で、転職しても高い賃金を払ってくれるところは見つからない」
「日本では、毎年300万人が転職しているが、転職しても所得は上がらないのが普通だ」
はてさて、本当に上記は正しいのでしょうか?
コロちゃんがちょっとポチポチ調べたところ、以下の通りでした。
【赤字法人割合65.3%(2023年国税庁統計法人税法表より)】byコロちゃん
【転職者の賃金動向:賃金が増加した39.0%、賃金が減少した40.1%、変わらない20.2%(厚生労働省 令和2年転職者実態調査の概況より)】byコロちゃん
このコロちゃんの調査結果を見ると「赤字企業が6~7割というのは事実ですね(65.3%)」。
しかし「転職しても高い賃金を払ってくれるところが見つからない(賃金増加した39.0%)」と「転職しても所得が上がらないのが普通だ(賃金減少下40.1%)」は、実態とはすこし乖離していますね。
6.「経済成長は高い生産性の中小企業から」
そして経済成長の担い手について、下記のように記載しています。
「一国の経済成長の担い手は生産性の高い中小企業、生産性の低い中小企業が温存されていては、経済成長の新陳代謝が妨げられる」
「赤字の中小企業を潰す政策は社会不安をもたらす」
ここまで読んでいくと「じゃあどうすればいいの?」と、誰しもが思いますが筆者は次のように主張しています。
7.「消費税増税で財源をつくれ」
著者は「赤字の中小企業を潰して起きる社会不安」を防ぐためには財源が必要で、その「財源」を消費税増税に求めています。
そして次のように続くのです。
「消費税は悪者にされて機能不全になったが、これはなぜだろうか?」
その理由として挙げたのが以下なのです。
「積極的な財政政策で経済を成長させられるという議論に、世の中が惑わされている」
ああコロちゃんは、ここまでカキコキしてきて、ちょっと疲れましたね。
この最後の1行の「積極財政で経済成長は幻想だ!」ということが、筆者の言いたいことだったのでしょう。
この「経済教室」の全文をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
次にこの新聞の「経済教室」の内容をコロちゃんなりに検証してみましょう。
8.「コロちゃんの経済教室評価」
コロちゃんは、この「経済教室」の執筆記事を読んで『「積極財政で成長』幻想を捨てよ」という「テーマ」にとても心を惹かれるものがあったのです。
それは、コロちゃんは普段から「もう日本は大きな成長は出来ない発展段階に入った」と考えていたからです。
もしそれが正しかったならば、「借金して成長(積極財政)を目指す」ことは、意味がないどころか「借金が増えるだけ」です。
そのような視点からは、今日の「経済教室」の執筆記事は以下の様な評価になります。
①「日本は衰退途上国となったこと」
「日本は衰退途上国となった」との認識には「賛成しますよ」byコロちゃん
言葉の表現が適切かどうかはともかく、日本がもはや「大きな成長ができない国」になっていることは同意しますね。
2022年の実質GDP成長率はプラス0.9%で、2023年はコロナ禍からの反動でプラス1.7%とやや高めに出ていますが、今年2024年はその効果も剥落してプラス0.6%と低い数値と予測されていますね。
この数値では、とても「大きな成長」とは言えません。
②「現在の日本に求められる経済成長をもたらす条件整備は『転職して所得が上がるような社会』にすることである」
「転職して所得が上がる社会にすれば、日本は経済成長できる」、これはコロちゃんにはわかりません??
はたしてこのような一部の方たち(2022年転職者数303万人)への支援程度で、「日本経済」という「巨大船舶」のような大きな仕組みに影響が与えられるのかは、コロちゃんには疑問ですね。
ただ「赤字の海の中小企業では転職しても所得は増えない」との主張は、以下の調査からは小首を傾げました。
【転職者の賃金動向:賃金が増加した39.0%、賃金が減少した40.1%、変わらない20.2%(厚生労働省 令和2年転職者実態調査の概況より)】byコロちゃん
「厚生労働省」の調査では、「転職しての賃金」は増加と減少が半々です。決して「中小企業」は「赤字の海」ばかりとは言えないのではないかとも思われます。
③「積極的な財政政策で経済を成長させられるという議論に、世の中が惑わされている」
「積極財政で経済成長で世の中を惑わす」、この主張は「消費税は悪者にされて機能不全になったが、これはなぜだろうか?」という問いへの答えとして記載されています。
ですから、この執筆者の言いたいことは、以下の様に纏められるのではないかと思います。
①「現在の日本が経済成長するためには、生産性の高い中小企業を生み出さなければならない」
②「生産性の高い中小企業を生み出すには、赤字の中小企業を淘汰することが必要」
③「中小企業の倒産で社会不安が起きるのを防ぐためには財源がいる」
④「消費税増税でその財源をつくるべき」
⑤「消費税増税ができないのは積極財政で成長できるという論者がいるためだ」
⑥「積極財政で成長できるという幻想を捨てよ」
(コロちゃんの解釈です)
9.「将来日本は大きな経済成長が出来るのか?」
コロちゃんは、この「経済教室」の内容に全面的に賛同はできませんが、「経済成長路線」に「積極財政派」以外のプランを提示していることは評価します。
なにしろ今の「政財界」には、どうしたら「日本は経済成長できるのか?」という問いに、キチンと答えられている方はほとんどいないのです。
唯一発信しているのが「いくら借金してもヘーキヘーキ」という「積極財政派」です。
上記の「経済教室」の執筆者による「中小企業淘汰論」は、現在内閣府参与に就任している「デービッド・アトキンソン氏(元米金融大手ゴールドマン・サックス出身の企業経営者)」も唱えていますね。
「デービッド・アトキンソン氏」は、積極的に「中小企業の合併・統合、淘汰」を進めるべきだと主張しています。
コロちゃんは、その必要性は分かりますが、日本の「企業文化」と深く結びついている「大企業・中小企業のピラミッド構造」が簡単に変わるとは思えません。
もし、それを政策で強引に変えようとしたならば、企業だけでなく日本社会が揺らぐのではないかと懸念しますね。
コロちゃんはおそらく「中小企業再編では経済成長は出来ない」と思いますが、「積極財政で経済成長は幻想だ」との主張には全面的に賛同しますよ。
「日本」は「もう大きな成長は出来ない発展段階にいる」と、コロちゃんは考えていますよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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