おはようございます。今朝のワンコとの散歩は、青い空をバックに白い雲が、頭の上高くをゆっくりと流れていました。
雲の形は、真夏の雲でしたね。コロちゃんは、スタジオジブリの「トトロ」で見た夏空が頭に浮かびました。
本物の雲を見て、アニメの雲を思い浮かべるなんて、なんかおかしいですね。それだけ「トトロ」の夏空は「日本の夏」をクオリティ高く描いていたってことなのでしょう。
今日は、「韓国の最低賃金が日本の東京の最低賃金を上回った」というお話をポチポチします。
1.韓国の「最低賃金」
報道によりますと、2024年の韓国の「最低賃金」が、9860㌆(1080円)に決まったと報じられています。
日本の最低賃金は、「都道府県別」と「産業別」に決められていますが、その中での最高額は「東京都(1072円)」です。
現在の為替レートでの換算ですが、「日本の最低賃金(東京1072円)」が「韓国の最低賃金(1080円)」に追い越されたということになります。
OECD調査の各国の「平均賃金」をみると、すでに日本と韓国は2013年に逆転して、韓国の方が上位となっています。
それから考えると、「最低賃金」でも「韓国」に追い越されるのは不思議ではないのですが、何とも情けないことだと思います。
この報道によって、日本でもせめて「韓国に負けない最低賃金を」となって欲しいと、コロちゃんは思いました。
だって、お隣の同じ資本主義国の「韓国」に追い越されるなんて、日本としては情けないと思っちゃいますものね。
2.日本の「最低賃金」
日本における「最低賃金」の決め方は、まず「中央最低賃金審議会」(メンバーは「公益代表委員」「労働代表委員」「使用者代表委員」の各6名)が討議します。
そして、その「中央最低賃金審議会」で、全国をABCの3つのランクに分けて目安の金額を示します。
次は、その目安を「地方最低賃金審議会」が議論し決定するシステムとなっています。
その「地方最低賃金審議会」のメンバーは「公益代表」「労働者代表」「使用者代表」の各5名の委員で構成されています。
現在の「最低賃金」の全国平均は、961円です。最高額は東京都の1072円、最低額は沖縄県の853円となっています。
「韓国」は、日本のように都道府県で「最低賃金」が異なる制度ではなく、全国一律となっているそうです。
ですから、もし日本が「韓国」に負けない「最低賃金」を目指すのならば、「全国加重平均」で39円以上のアップが必要となってきます。
日本の「最低賃金」の決着は毎年7月末ですから、もうすぐ決まることと思います。どのくらい上がるのか、コロちゃんは興味津々で見ています。
3.岸田総理と「最低賃金」
岸田総理は、去る3月15日に政府・経済界・労働団体の代表者で構成される「政労使会議」で、以下のように発言をしています。
「今年は1000円を達成することを含め最低賃金審議会で明確な根拠のもと、しっかり議論いただきたい」
また、岸田総理は、6月13日の記者会見でも、以下のようにご発言をしています。
「1000円の達成を含め、審議会でしっかりと議論していただきたい」
これらの報道を見る限り、岸田総理も「最低賃金1000円」を望んでいると思われます。
「最低賃金審議会」の構成員は「公益代表」「労働者代表」「使用者代表」です。
ですから「公益代表」が賛成すれば、「労働者代表」は当然賛成でしょうから、多数決で1000円以上でも通っちゃうのでないかと、コロちゃんは考えるのですけど、そう簡単にはいかないのでしょうか?
4.世界の「最低賃金」
それではここで、日本の「最低賃金」が世界でどのくらいの位置にあるのかを見てみましょう。
下記のグラフをご覧ください。
「ウィキペディア 最低賃金」より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E4%BD%8E%E8%B3%83%E9%87%91
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「最低賃金」最終更新 2023年7月14日 (金) 14:49
上記のグラフが、世界の「最低賃金」ランキングです。
数字の単位はドルです。
日本(7.89㌦・¥1105円)は、なんと14位です。今日のテーマの相手国「韓国(8.74㌦・¥1224円)」は12位で、日本はしっかり抜かれていますね。
(足元のドル円で1㌦140円で換算しました)
いわゆる「先進国クラブ」のG7諸国で見ると、唯一アメリカ(7.25㌦・¥1015円)のみが日本より下位の16位です。
しかし、アメリカの最低賃金は「連邦最低賃金」と州・市・郡ごとに決められている「最低賃金」とがあるそうです。
そして、アメリカでは近年物価上昇率が高くなっていますから、「最低賃金」が10㌦を上回っている地域も多いようですね。
直近の7月27日の報道では、アメリカ(カルフォルニア州)の最低賃金として¥2091円(14.9㌦)と報じられています。
また「イタリア」には「最低賃金制度」自体がないそうです。
要するに世界における「最低賃金ランキング」では、日本は、先進国のG7諸国でも最下位のようです。
これはどうやら情けない「底辺の競争」となっているようです。
5.生活と「最低賃金」
日本では多くの方が「最低賃金」とその近辺の金額で働いています。
現在の「地域別最低賃金制度」での最高額は「東京都」の1072円となっています。
そこで、例えば自給1000円で、1日8時間、週5日間働くとすれば、月の収入は、1000円×8時間×5日×4週=月収16万円となります。
月収16万円ですと年収は192万円です。年収200万円に満たない金額なのです。
もし単身生活だとすると、この金額で生活が成り立つのでしょうか。
下記のグラフをご覧ください。
「総務省統計局 家計調査報告 」より
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2022.pdf
出典:総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要より(7月20日利用)
上記の表は、総務省統計局の2022年の「家計調査」です。
これを見れば、2022年の「単身世帯」の「消費支出」がわかります。
表の一番右側「単身世帯」の枠の、右から三番目の数字が「単身世帯の消費支出」の金額です。
一番下の2022年の数字は「161753円」となっています。
約16.2万円ですね。これが現在の「単身者世帯」の消費支出の平均です。
しかし、この約16.2万円という数字は「消費支出」です。この中には「社会保険料」や「税金」などの「非消費支出」は含まれていません。
低所得の方の「税金」は非課税の場合もありますが、「社会保険料」は支払わなければなりません。
「社会保険」である「国民年金」は月16250円で、「国民健康保険料」は年収200万円ですと月約12000円となります。
上記で見てきました「最低賃金の月収16万円」から、「国民年金(月約1.6万円)」と「国民健康保険(月1.2万円)」の「非消費支出」を引いた残りの生活費は、「約13.2万円」となります。
しかし、上記で見た「単身者世帯」の消費支出の平均は「約16.2万円」です。これでは毎月3万円の赤字となってしまいます。
このように数字を見ていくと、単身世帯の場合の「最低賃金月16万円」での生活は、大変苦しいものとなると思われます。
6.参考までに「65歳以上の単身無職高齢者の家計収支」を見てみる
コロちゃんは、自分が「単身無職世帯」の高齢者ですから、何かと自分と比較してみるんですよ。そうすると世の中のお互いの位置がわかり、よく認識できるようになると思うんです。
それでは、上記の「最低賃金」の方が一ヶ月働いて得る金額「月16万円」を頭において、「単身無職世帯高齢者」の家計収支を見てみましょう。
下記のグラフをご覧ください。
「総務省統計局 家計調査報告 家計収支編」より
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2022.pdf
出典:総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要より(7月20日利用)
上記のグラフが「単身無職世帯高齢者」の「家計収支」ですが、実収入が約12.1万円で、その9割が年金収入です。
そして「消費支出」が約14.3万円です。
「税金」や「社会保険料」などの「非消費支出」もありますから、「家計収支」は月約2万円の赤字となっています。
これを上記の「最低賃金」での「月16万円」の収入と「単身無職高齢世帯」の「月約16.2万円」の「消費支出」を比べてみます。下記をご覧ください。
○65歳以上の単身無職高齢者世帯
「年金が主の収入」 13.5万円
「消費支出」 14.3万円
○「最低賃金」の単身世帯
「最低賃金1ヵ月」 16万円
「消費支出」 16.2万円
いかがでしょうか、コロちゃんはこの数字を比べてみて、「最低賃金」が低すぎると思いましたが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。
え!、「高齢者の年金」が高すぎるですか?
ただ、「単身無職高齢者」の「家計収支」は、上記のグラフで見ても、月約2.1万円の赤字となっているんですけどね・・・。
「底辺への競争」をしても不毛になりますから、やはり「最低賃金」をもっと上げる方向へ進むのが正しい解決策だと、コロちゃんは考えます。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
コメント