おはようございます。今朝は曇り空のどんよりした天気でしたね。コロちゃんとワンコは、「雨よりはまだマシ」と思って、ポコポコ散歩をしてきました。
昨日の夜のニュースで、岸田総理が「少子化対策」の記者会見をしていましたね。コロちゃんは、夕飯を食べながら、その記者会見を聞いていました。
記者会見では、なかなか全体像が見えてこなかったのですが、コロちゃんは、あとから「内閣府のホームページ」を見ればいいやと思いながら、夕食をカミカミしていました。
1.「子ども未来戦略会議」
6月13日に「子ども未来戦略会議」が開かれて、「子ども未来戦略方針」が確定しました。
その内容の報告として、岸田総理「記者会見」があったわけですが、その前に「子ども未来戦略会議」について、見てみましょう。
下記の引用をご覧ください。
「内閣官房 子ども未来戦略会議」より
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/index.html
参照:内閣官房 こども未来戦略会議より(6月14日利用)
上記の引用にあるとおり、「子ども未来戦略会議」は、「子ども・子育て政策の強化を図るためには、幅ひろい関係者の知見を踏まえ」るために、設置されたものです。
有識者構成員は19名です。
そのメンバーの中には、経団連の十倉会長や連合の友野会長、サントリーの新浪社長などのお歴々がご参加されています。
2.「子ども未来戦略方針」
上記の第6回「子ども未来戦略会議」で、「子ども未来戦略方針」が決定されました。
その全文をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/pdf/kakugikettei_20230613.pdf
内容をコロちゃんが、ざっと読んでみましたら、「少子化対策」の理念が凄くリベラルな内容なのです。
具体的な政策内容には、いろいろの突っ込みどころはありますが、「考え方」や「理念」は、順当な内容だとコロちゃんは思いました。
3.「若者・子育て世代の所得向上」
その主要な内容を見てみます。
まず三つの基本方針を上げています。
①若い世代の所得を増やす
②社会全体の構造・意識を変える
③すべての子ども・子育て世帯を切れ目なく支援する
具体的政策での、一番の目玉政策は、「児童手当」だと思います。
「児童手当」の所得制限を撤廃し、今は中学生までの支給期間を高校生の年代まで延長します。支給額は0~2歳は月1万5千円、3歳から高校生までは、月1万円となります。
そして、第3子以降については、0歳から高校生まで月3万円の支給となります。
しかし、報道では「扶養控除」が無くなると、児童手当を支給されても、トータルではマイナスになりかねないと報じられています。
その「扶養控除」の扱いについては、以下の通りの記載でした。
「扶養控除の扱い」は、本文ではなく、備考の小さい文字で書きこまれています。その備考欄を下記に書き出します。
「5 その際、中学生までの取扱いとのバランス等を踏まえ、高校生の扶養控除との関係をどう考えるか整理する。」(P13の一番下に追記)
この備考小文字の「扶養控除との関係をどう考えるか整理する」との意味は、「役人言葉」で、「所得税・住民税の扶養控除が無くなる」ということですね。
現行の扶養控除は、16~18歳の子ども一人につき、所得税は38万円、住民税は33万円が所得から控除されています。
これが無くなると、上記のように「児童手当」が増えても、「いってこい」で、所得がマイナスになってしまう世帯も出てきます。
いろいろ計算しているサイトなどを見てみると、「児童手当」が増えても「扶養控除」が無くなることで負担が増えてしまう世帯は、年収900万円超のようです。
それ以上の年収になると、「児童手当」の増額よりも、「所得税・住民税」の負担が大きくなるようです。
しかし、これは考え方によっては、富裕層から中下所得層への所得移転になりますから、格差の縮小になるかもしれないとコロちゃんには思えました。
なお、この施策は24年10月から実施すると、岸田総理は記者会見で表明されています。
また、この岸田総理の記者会見の翌日の6月14日に、松野博一官房長官が「児童手当を拡充する2024年10月分以降の支給を25年2月に始める」と、やや修正した内容のご発言をなさっています。
4.「財源」は見えてこない
上記のように「子ども未来戦略方針」は、決定されましたが、その内容を読んでも「財源」は、はっきりしていません。
2024年度からの3年間を「加速化プラン」として、上記の施策等を行なうとしていますが、その予算は年3兆円半ばと見込んでいます。
それに対する財源として、「子ども未来戦略方針」では、以下をあげています。
①2028年度までに徹底した歳出改革等
②既定予算の最大限の活用
③企業、社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で、広く負担していく新たな枠組み(支援金制度)を構築
この③の「支援金制度」については、「社会保険料」の上乗せのようですね。
はっきりと「社会保険料」から召し上げますと書けばいいのにと、コロちゃんは思いました。
そして、①の「徹底した歳出改革」については、コロちゃんには、既視感があります。
2000年代の小泉政権時の「聖域なき構造改革」の政策です。
あの当時、増え続ける社会保障予算を削減するために、年に2200億円の削減を打ち出しました。
その結果、日本の各地で赤字の市民病院が閉鎖されるなどが生じて、大きな社会的混乱を起こしました。
この「聖域なき構造改革」は、後の民主党政権発足の伏線となったといわれたのです。
この記憶は、政治家や官僚の方が鮮明に覚えているでしょうから、上記の①の「徹底した歳出改革」が、岸田総理にできるかどうか、コロちゃんはじーっと見つめたいと思います。
いずれにしろ、「児童手当」を始めとしたこの「少子化対策」は、「配る」ことは、思い切っていますが、「財源」は、「先送り」となっています。
なお、増税については、以下のように否定しています。
「消費税などこども・子育て関連予算充実のための財源確保を目的とした増税は行わない」
コロちゃんは、ちょっと無責任じゃないのかとおもって、この「子ども未来戦略方針」を読みました。
ぜひ皆さんも一度、この「子ども未来戦略方針」をお読みになることをお勧めします。
上記でもリンクを張りましたが、ここにもう一度リンクを張ります。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/pdf/kakugikettei_20230613.pdf
5.「理念」は良いこと言ってるんだけどね
この「子ども未来戦略方針」には、「若い世代の所得を増やす」として、以下の文章が書き込まれています。
「このため、こども・子育て政策の範ちゅうを越えた大きな社会経済政策として、最重要課題である「賃上げ」に取り組む」
「新しい資本主義の下、持続的な成長を可能とする経済構造を構築する観点から、「質の高い」投資の促進を図りつつ、「成長と分配の好循環」(成長の果実が賃金に分配され、セーフティネット等による暮らしの安心の下でそれが消費へとつながる)と「賃金と物価の好循環」(企業が賃金上昇やコストを適切に価格に反映することで収益を確保し、それが更に賃金に分配される)という「2つの好循環」の実現を目指す」
実に「素晴らしい理念」です。
しかし、一番肝心の「財源」が明らかになっていなければ、どうせ別のところから徴収されるんだろうと懐を見透かされてしまいます。
日本には、「金のなる木はない」のです。「ただ飯は無い」のです。
必ず、どこかに請求書はまわります。
つい先日も「防衛費の財源」の増税時期について、「2025年以降とすることも可能となるよう、柔軟に判断する」と「先送り」が報じられたばかりです。
この「少子化対策の財源」も「先送り」になることを読んで、「またか!」と、コロちゃんは思いました。
この「少子化対策」の結果は数年もたてば、統計数字ではっきりと結論が出ます。必ず具体的数字で審判が下るのです。
コロちゃんには、この施策で「少子化」の流れが反転するとは、とても思えませんが、皆さんはいかがでしょうか。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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