【経済考】「消費低迷」の原因は何か?➁

経済

おはようございます。コロちゃんは、ついさっき近くのスーパーに「お買い物」に行ってきました。

最近のコロちゃんは、お買い物には必ず「ペットカート」を、ゴロゴロ押しながら行くことにしているのですよ。

だって今のコロちゃんは、トートバッグを2個もぶら下げて歩くのはとっても辛くなってしまったのですよ。何しろ「腰痛」が酷いですからね。

その点「ペットカート」は優れものですよね。 「キャベツや牛乳など」を詰め込んだ重いトートバッグも、カートにポイっと乗せれば、後はゴロゴロ押すだけで家まで楽に運ぶことが出来ます。

家ではワンコが留守番していますから、たぶん「ボクのカートだワン!」って怒っているかも知れませんね。

コロちゃんは、自分が楽をするのが一番ですから、ワンコの文句はスルーしますよ。

下のフォトは「ペットカート+ワンコ」です。今日はワンコを乗せないで「お買い物」に行ってきましたよ。

今日は、昨日の続きになります。「消費低迷の原因は何か?➁」をカキコキしますね。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「昨日の消費低迷の原因は何か?の続きですと、消費低迷の理由は若年層の将来不安だって」

☆「消費低迷の理由はわかっているけど・・・と、コロちゃんと消費支出」

1.「昨日の消費低迷の原因は何か?の続きです」

今日の記事は、昨日の「消費低迷の原因は何か?➀」のつづきになります。まだお読みでない方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

【経済考】「消費低迷」の原因は何か?➀

昨日の記事では、日本の「家計消費の低迷」は2000年代ごろから始まっていて、すでに20年以上続いていることと、その原因として「小川一夫関西外国語大学教授」の論考をご紹介しました。

その「小川教授の論考」では、「消費の低迷」の原因は「年金制度の脆弱性」があるから、みんなが「老後不安」になって「消費にお金が回らない」としていました。

そして、その解決法としては「年金制度の脆弱性を改革する」のではなく、「国民が老後を長く働いて自分で年金の脆弱性を無くそう」と提案していました。

コロちゃんは、それはちょっと「筋が違うんでないの?」と疑問を呈しましたが、今日は別の「大学教授」の論考で「消費低迷の原因」を探ってみましょう。

2.「消費低迷の理由は若年層の将来不安だって」

今日教えていただくのは、「日経新聞の経済教室」に掲載された「小巻泰之大阪経済大学教授」の論考です。

見出しは「回復鈍い個人消費:若年層の将来不安 軽減を」となっています。

「小巻教授」は、「所得の水準から消費の低迷」を考察しています。これはコロちゃんと同じ見方ですね。コロちゃんも「所得の低下が消費低迷の根本原因だ」と考えていますよ。

「小巻教授」は、以下のように言うのです。

「2000年頃を境に、派遣社員・嘱託など男性の非正規雇用の割合が高まっている・・家計の主たる生計維持者で、非正規雇用の割合が高まっていることがうかがえる」

そして、その内容を詳細に考察しています。

➀「非正規雇用の所得は正規雇用の35%だって」

まず「小巻教授」は、「国税庁の民間給与実態統計調査」を元に、「非正規雇用」の所得水準は「正規雇用の35~38%にとどまる」としています。

「正規雇用者」の1/3に近い低賃金ですね、桁違いに安いですね。

また「雇用者全体の所得は減少が続き、2018年にようやく2000年の所得を上回った」と記載していますね。

これは「非正規雇用」の拡大が、「雇用者全体の所得の減少」を引き起こしていることを示唆していますね。

➁「正規雇用は賃金カーブが大きく低下したよ」

さらに「小巻教授」は、「正規雇用では賃金カーブのフラット化が進み、賃金水準を低下させる要因となっている」と書いていますね。

この「賃金カーブのイラスト」は、コロちゃんも以前に同じものをご紹介したことがありますね。おっと、新聞掲載では下記のイラストの内の「1976年の点線グラフ」は割愛されていますね。

下記のグラフをご覧ください。

「労働政策研究・研修機構 1976年・1995年・2013年賃金カーブ」より

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0405.html
出典:労働政策研究・研修機構 早わかり グラフでみる長期労働統計 賃金カーブより(10月6日利用)

上記のグラフは、「労働政策研究・研修機構」が発表している「1976年・1995年・2021年の性別、年齢階級別の賃金カーブ」です。

このグラフは新聞で「小巻教授」が掲載したものと同じものです。(1976年の点線はカットされていました)

「赤点線は1995年の男性」ですが、「青点線の2023年の男性」のラインは、大きく赤点線(1995年)を下回っています。「賃金カーブ」がフラット化したのですよ。

一番フラット化した年代は「50~54歳」ですね。これは実質的には25年間をかけた「50代の賃下げ」ですよ。ジワジワと実質的な賃下げが続いたのと同じですよ。

「小巻教授」は、上記のグラフと同じものを新聞紙上で示しながら、以下の様に書いています。

「男性の場合、95年では年を重ねるごとに上昇し、50~54歳には20~24歳の給与の2.1倍まで上昇している。だが23年では20~24歳の給与水準は95年より高いものの、その後の上昇はそれほど高くなく、50~54歳時点では95年比で12%も低い」

(20~24歳の平均所得を100としています)

上記の表現では、一度読んだぐらいではとても内容が理解できません。ですから、コロちゃんが元データを使ってわかりやすく次に書いてみますね。

➂「50代(50~54歳)の賃金カーブが一番大きく低下したよ」

上記の「小巻教授」のわかりにくい説明を、コロちゃんは以下の様に理解しました。

◎「1995年と2023年の給与比較:男性」

➀「1995年:50代(50~54歳)は20代(20~24歳)の2.1倍」
➁「2023年:50代(50~54歳)は20代(20~24歳)の1.8倍」(95年比で12%減)

上記のように、「小巻教授」は「50代(50~54歳)の男性の賃金カーブ」が、2023年では1995年に比べて大きく低下(12%減)したと主張しているのです。

ただ実際の「50代の男性」は、自分の給料を25年前の男性と比べることはしません。せいぜい前年の自分の所得と比べるぐらいでしょう。

毎年の所得は、対対前年比では、年齢が上昇するにつれて給料は上がっているのですから、気づきにくいとなりますね。
(日本の年功制賃金制度の特徴です)

さらに、「大卒男性の労働者数(賃金構造基本統計調査ベース)は・・ほとんどの期間で減少し・・他方大卒女性の労働者数は01年比で大幅に増加し・・しかし女性の所得水準は男性に比べ3割程度低く、男女合計で見た正規雇用の所得水準は低下している考えられる」としていますね。

上記の説明をコロちゃんはざっと、下にまとめましたよ。

◎「所得低下の理由」

➀「若年男性(家計の主たる生計維持者)の非正規雇用の増加」
➁「正規雇用男性の生涯賃金の低下」(賃金カーブのフラット化)

上記の理由で「全雇用者の所得の低下」が起き、その結果「2000年以降の消費支出の変化率はほぼゼロ」となったと「小巻教授」はおっしゃっています。

④「解決策は若年層や非正規雇用者が自分で資産形成してくださいだって」

そして肝心の「解決策」をどうするかですが、「小巻教授」は以下の2点を挙げています

◎「消費低迷の対応策」

➀「企業の投資拡大」
➁「賃上げ」

しかしこの対応策も、「小巻教授」は「家計・企業ともに将来の支出を増やすかどうかは、先行きの安定的な見通しを立てられるかに依存しており・・単に所得が増えても支出に繋がるかは不明」として、下記の具体的プランを提唱しています。

◎「若年層の先行き不安の払拭法」

➀「個人向け国債などのリスクフリーな金融商品への非課税制度の導入」
➁「若年層や非正規雇用者層の資産形成の選択肢を増やすこと」

「小巻教授」は、以上のような論考の最後を以下のように締めています。

「安定的に資産形成ができ将来不安を少しでも軽減することが・・現在の日本に必要だ。・・将来設計を明らかにして若年層・非正規雇用者層に選択肢を示すべきだ」

あっらー。コロちゃんはビックリしましたよ。
( ゚д゚)ポカーン

この「小巻教授」の論考の、「若年層(家計の主たる生計維持者)の非正規雇用増加」はその通りだと思いますよ。

そして、その「非正規雇用」の所得が「正規雇用」の35~38%だというのも認識として正しいのでしょうね。

さらに「正規雇用男性の賃金カーブ(50代男性)」がフラット化して、「生涯賃金が低下している」ことも事実でしょう。

その「雇用者の所得低下」が「消費が増えない理由」なのですよね。

だったら、その解決策がどうして「個人向け国債の非課税制度導入や非正規雇用者の資産形成の支援」になるんですか?
(*´Д`)=3ハァ・・・

大元の原因は、「非正規雇用者の拡大による所得の低下」と「正規雇用者の賃金カーブのフラット化による所得の低下」でしょう。

なぜ、そこで「非正規雇用の規制」に踏み込んだり、「正規雇用者の賃金低下阻止」に進まないのでしょうね。

「若年層・非正規雇用者」が、老後の資産形成ができるような「所得」は得られているはずがないでしょう。「非正規雇用者の賃金」は、年収200万円台(※)ですよ。

(※非正規雇用平均賃金:月22.6万円:年収271万円:2023年賃金構造基本統計調査より)

そこからどうやって老後に向けた資産形成ができるって言うんですか? 生きるだけで精一杯でしょう。

⑤「前提と経過の考察は素晴らしいけど・・肝心の解決策がね・・」

コロちゃんは、昨日と今日のお二人の「大学教授」の「論考」を読んでちょっとビックリしてため息しか出なかったですよ。
(*´Д`)=3ハァ・・・

なお、この「小巻教授」の論考の、「回復鈍い個人消費:若年層の将来不安 軽減を」をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD173LY0X10C24A9000000/
(出典:日経新聞:経済教室:若年層の将来不安軽減をより:10月6日引用)

3.「消費低迷の理由はわかっているけど・・・」

ここまでの二人の大学教授の「論考」では、もう20年以上続く「消費低迷の理由」はわかっているんですよね。

「小川教授」は、「年金の脆弱性から老後不安」で「消費が低迷」と言っております。

また「小巻教授」は、「若年層の非正規雇用と正社員の生涯賃金低下」で「先行きの将来不安」が「消費低迷の理由」としておりますね。

だったら、その理由を「打ち消す政策」の提案をすれば良いと思いますが、それが出来ない「大人の事情」でもあるのでしょうか。

コロちゃんには到底わかりませんが、これだけは分かります。

もし「消費低迷の理由」が「将来不安・老後不安」が主たる理由だとすると、「大企業が5%賃上げをしただけ」では、到底それらの「不安の払拭」とはならないでしょうね。

とりわけ「若年層の非正規雇用者と高齢者の不安」はぬぐえないと、コロちゃんは思いましたよ。

4.「コロちゃんと消費支出」

「消費支出」と言うと、本来の意味は「食費、光熱水道費、住居費、家具・家事用品費、被服費、保険・医療費、交通・通信費、教育費、娯楽費など」となり、全生活費となっています。

だけど、ここでは狭い意味での「生活上の贅沢な消費」と考えると、コロちゃんは「贅沢な消費」には全く興味がありません。

その理由ですが、コロちゃんは2つあると考えています。下記ですね。

◎「贅沢な消費に興味がない理由」

➀「1970年代のカウンター・カルチャーの影響」
➁「引っ越しが多かったコロちゃんの過去の生活」

上記の「①1970年代のカウンター・カルチャーの影響」からご説明しますね。

コロちゃんが青春時代だったのは、1960年代後半から1970年代にかけてです。

その時代は「高度成長の歪み」が社会のあちこちに噴出していて、「生産力万能主義」からの反動の動きが社会的にも盛り上がっていました。

例えば「四大公害病」です。以下の4つの公害病を指しています。

◎「四大公害病」

❶「水俣病(熊本県水俣市)」
➋「イタイイタイ病(富山県神通川流域)」
➌「四日市ぜん息(三重県四日市市)」
➍「新潟水俣病(新潟県阿賀野川流域)」

これらは、企業と自治体の対応が遅れて被害が広がっていました。これらは「高度成長」の光と影の「陰の部分」として1970年前後に「社会問題化」しています。

また、この1970年代は世界的にも「反文明のカウンターカルチャー」が拡がっていました。

皆さんも「ヒッピー」って言う言葉を聞いたことがあると思います。「ヒッピー」は、1960年代後半にアメリカで発生した反体制運動から生まれたムーブメントです。

「ラブ&ピース」を提唱し「自然回帰」を目指しました。コロちゃんはこの「時代の息吹」を全身に浴びて青年時代をおくったのですよ。

だからコロちゃんは「消費が多いほど幸せ」とは考えていませんね。

そして2つ目の「➁引っ越しが多かったコロちゃんの過去の生活」ですが、コロちゃんは1970年代初頭に東京に出てきてから、現在の地に安住するまでに計10回の引っ越しをしています。

最初のアパートは「3畳一間」でしたよ。今では絶対にない間取りですね。

その後の9回の「引っ越し」の都度に、ヤドカリが殻を脱ぎ捨てて新しい殻に変えるように、「断捨離」を繰り返してきています。

だからコロちゃんは、今も「モノ」にこだわりはありません。贅沢は便利かもしれませんが、そうでなくとも生活には困りません。

「シンプルライフ」で良いのです。そうそう「起きて半畳、寝て一畳、天下とっても2合半※」ということわざもありましたね。

(※語源:1797年のことわざ集「諺苑」)

今日は「消費低迷の原因は何か?」を考察してきましたが、最後はコロちゃんの「清貧ライフ」の布教に終わってしまいました。

「清貧」は個人では美徳なのですが、みんなが「清貧」になると「消費が増えずにデフレに逆戻りしてしまう」というなんとも悩ましいことだと、コロちゃんは頭を抱えていますよ。

皆さんに「良き知恵」があったらぜひお教えくださいね。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Teodor BuhlによるPixabayからの画像

 

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