おはようございます。今朝の気温は13度でした。
コロちゃんとワンコがいつものように散歩に出ると、コロちゃんは「ちょっとはだ寒いなー」と、両手をこすり合わせました。
それなのに、ワンコは絶好調とばかりにポコポコと先に立って歩くんです。どうやら、現在の13度の気温は、ワンコにはちょうど心地よい気温の様です。
ワンコには、毛皮がありますからね。ホントうらやましくなったコロちゃんでした。
きょうは「景気は良いのか悪いのか?」をポチポチします。
1.「景気が良いとは何か?」
よく「景気が良い」とか「景気が悪い」とか言いますよね。一体だれが決めているんでしょうね。
一般に「景気が良い」という場合は、「世の中の経済活動が活発になっている時」を言いますし、「景気が悪い」という場合には、その逆に「世の中の経済活動が沈滞している時」を言います。
そして、それを「判断する」のは誰かというと、どっかの社長さんが「俺っちの会社は景気が良いぞ!」と怒鳴って決めているわけではありません。
(つまらないギャグですみません)
(。•́ᴗ•̀。)ゴメンネ…
この景気が良い悪いを判断するために、いくつもの「組織」がそれぞれ定期的に調査して発表しているのです。
えっ、コロちゃんが「景気」なんかを気にするのかって?
コロちゃん
そりゃ気になるよー!
だって、世の中が不況になると、しわ寄せは弱者から真っ先に来るんだよー。
1990年代末期の「金融危機」や、2008年の「リーマン危機」の時なんかは、失業者もいっぱい出てみんな大変だったんだからねー。
下記にリーマン危機の時のGDP成長率をアップしとくから、見てごらんよ。これからも「日本経済」がマイナス成長にならないとは限らないんだからね。
「総務省 我が国の実質GDP成長率及び名目GDP成長率の推移」より
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc112110.html#:~:text=%E8%BF%91%E5%B9%B4%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E5%B9%B3%E6%88%9020%E5%B9%B4,%EF%BC%85%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B
出典:総務省 白書 24年版 我が国のポジションの低下 より(10月20日利用)
上記のグラフの赤・青線が大きく低下している年は、平成21年(2009年)です。
言うまでもなくこの「GDP成長率」の低下の理由は2008年に起きた「リーマンショック」の影響によるものです。
このグラフの本文には、下記の記載があります。
「平成20年(2008年)及び平成21年(2009年)には、リーマンショックの影響により、実質及び名目成長率いずれもマイナス成長になるなど大きな落ち込みがみられた。」
コロちゃんの記憶でも、リーマン危機(2008年)の翌年の「日本経済」は大きな落ち込みだったと覚えていますね。
今調べてみたら、2009年の1~3月(第1四半期)のGDP成長率は、年率換算で▲15.2%(前期比▲4.0%)と、メタメタに酷い状態でした。
コロちゃん
コロちゃんは、過去にマイナス10%以上の年があったのだから、「今後は無いよ」とは誰にも言えないと思ってるよ。
世界経済が不調になると、日本も影響は避けられないんだから、興味をもって注視するのが良いと思ってるよ。
2.「景気ウオッチャー調査(街角調査)」
まずは「内閣府の景気ウオッチャー調査」を見てみましょう。これは「街角調査」とも言われます。
「内閣府」が、全国各地の景気の動きを毎月1回発表しています。
この「調査」では、「北海道」から「沖縄」までの全国12地域を対象に、スーパーマーケット・コンビニなどの小売店や、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューして調査し発表しています。
その発表内容は2種類あります。「景気の現状判断DI」と「景気の先行き判断DI」です。
①「景気の現状判断DI」
まずは「景気の現状判断DI」から見てみましょう。
下記のグラフをご覧ください。
「内閣府 景気の現状判断DI」より
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2023/0710watcher/bassui.html
出典:内閣府 景気ウオッチャー調査 令和5年6月調査結果(抜粋)
上記のグラフが「景気の現状判断」です。
グラフでは小さくて見にくいでしょうから、下記に今年2023年の毎月の「景気現状判断DI」を書き出します。
この数字の読み方は、DIの数値が50ですと「横ばい」を表し、これを上回ると「景気が良い」、下回ると「景気が悪い」と感じる人が多いことを示しています。
1月 48.5
2月 52.0
3月 53.3
4月 54.6
5月 55.0
6月 53.6(この数値が今回発表されました)
コロちゃん
すっごく微妙な数値だなー?
素人のコロちゃんがみても、「横這いの50」を挟んで、上回ったと思ったら、少し下げたりしてるよねー。
今回調査の6月は50を少し上回っているから、「景気が良い」・・・のかなー?
(。・_・?)ハテ?
②「景気の先行き判断DI」
そして、以下のグラフが「2~3ヵ月先の見通し」を示す「景気の先行き判断DI」です。
「内閣府 景気の先行き判断DI」より
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2023/0710watcher/bassui.html
出典:内閣府 景気ウオッチャー調査 令和5年6月調査結果(抜粋)
上記のグラフは、「景気の先行き判断DI」なんですけれど、小さいので「景気の現状判断DI」と区別がつきませんね。
下記に今年2023年の毎月の「景気の先行き判断DI」を書き出します。
この数字の読み方は、DIの数値が50ですと「横ばい」を表し、これを上回ると「景気が良い」、下回ると「景気が悪い」と感じる人が多いことを示しています。
1月 49.3
2月 50.8
3月 54.1
4月 55.7
5月 54.4
6月 52.8(この数値が今回発表されました)
コロちゃん
これも負けず劣らず微妙な数値だよなー?
2月は昨年の低い数字の反動もあるように思えるけど、そのまま一本調子に上がるかと思ったら、「4月55.7」をピークに下がってきちゃうし。
「2~3ヵ月先の見通し」だから、「6月52.8」は、現在10月のリアルタイムの景気だよね。
良いのか悪いのか、今後良くなるのか悪くなるのか、なかなかこの数字だけじゃ判断がむずかしそーだよねー?
3.「エンゲル係数が40年ぶりの水準」
皆さんは「エンゲル係数」というのをご存じですか?
「エンゲル係数」とは、「家計の全ての消費支出に占める食費の割合(%)」を言います。
この数値は、所得が上昇するにつれて低下しますから、数値が高ければ「貧乏」、低ければ「裕福」となります。
この「エンゲル係数の長期推移」を見ると、明治~大正期は65%もありましたが、大正~昭和戦前期には50%程度にまで低下しています。
そして、戦後の高度成長期の1960年代に入ると40%を下回り始めて、統計が開始された1963年には38.7%だったものが、2005年には22.9%にまで大きく低下しました。
下記のグラフをご覧ください。
「総務省統計局 近年のエンゲル係数の推移(1980年~2017年)(二人以上の世帯)」より
https://www.stat.go.jp/training/2kenkyu/pdf/rn/2-rn-005.pdf
出典:総務省統計局 統計リサーチノートNo.5 明治から続く統計資料:エンゲル係数 より(10月20日利用)
上記のグラフは、「エンゲル係数」の1980~2017年の推移です。
先ほど高度成長が始まった1963年の「エンゲル係数」は38.7%だったと書きました。
その後の日本の「エンゲル係数」はどんどん下がり続けて、2005年に最低(ボトム)の22.9%を記録します。
そして、その後の「エンゲル係数」は再び上昇に転ずることになったのです。
上記のグラフでは、2017年に一旦低下していますが、その後は上昇し続けて2023年8月の数値は28.7%(二人以上の世帯)と40年ぶりの高い数値となっています。
(総務省統計局 家計調査報告 2023年(令和5年)8月分より)
この「エンゲル係数」は、所得水準が高いほど「エンゲル係数」が低く生活に余裕があるという関係があります。
ですから「エンゲル係数」が上がったと言う事は、それだけ「貧しい人たち」が増えたことを意味するのです。
コロちゃん
なんで景気が少し良くなってきたようなのに「エンゲル係数」が上がるんだろう?
考えられるのは、景気が良くなったように見えても、実は悪いのかな?
それとも、わずかな景気の上昇分を、お金持ちが全取りして、貧乏人には回っていないのかな?
なんか、後者のような気もするよなー?
( ̄へ ̄|||) ウーム
4.「物価上昇はどうなっている?」
上記のように「エンゲル係数」が上昇しているところを見ると、やはり「犯人」は「物価上昇」を疑いますね。
だって「エンゲル係数」の計算式は、「エンゲル係数 = 食料費 ÷ 消費支出 × 100」なんです。
この数式で「エンゲル係数」が上がるには、食糧費が上昇したか、消費支出が減少したのか、それともその両方が進行したのかの「三択」しかありません。
しかし、名目賃金は上がっていますから、やはり「物価上昇が犯人」なのでしょう。
それでは、今年に入ってからの「物価上昇率」を見ておきましょう。
先日の10月20日に、総務省が2023年9月分の「消費者物価指数」(CPI)を発表しています。
下記のグラフをご覧ください。
「総務省統計局 消費者物価指数」より
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
出典:総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全 国 2023年(令和5年)9月分 より(10月20日利用)
上記のグラフの「黒太線」が2023年の毎月の「物価上昇率の推移」です。9月になっても、依然として上昇し続けています。
以下に今年の「消費者物価指数」(CPI)を記載します。「変動の大きい生鮮食品を除く総合指数」です。
1月 4.2%上昇
2月 3.1%上昇
3月 3.1%上昇
4月 3.4%上昇
5月 3.2%上昇
6月 3.3%上昇
7月 3.1%上昇
8月 3.1%上昇
9月 2.8%上昇(この数値が今回発表されました)
この発表を見ても、「物価上昇」の流れは相変わらず続いているようです。「物価高」で困窮するのは貧しい方たちであることは言うまでもありません。
報道では、「物価上昇率が3%を下回ったのは2022年8月以来13ヵ月ぶり」と、この物価上昇をポジティブに報じています。
コロちゃん
コロちゃんには、エンゲル係数が上昇した理由はこの「物価高」にあると思うよ。
食料品は、節約するにも限度があるからね。
割引商品だって、いつもあるとは限らないし、節約しすぎて身体を壊したら元も子も無いよね。
もうそろそろ、物価上昇を止める政策に転換して欲しいんですけどねー。
ヾ(¯o¯;)オイオイ
5.「貧しい方は何人いるの?」
今日のブログのテーマは「景気は良いのか悪いのか?」です。上記で「景気ウオッチャー調査(街角調査)」を取り上げてみましたが、結果は「???」でした。
おそらく「悪くはないが・・・しかし・・・」という所なのかと思いますね。
しかし、「エンゲル係数が40年ぶりの水準」と聞くと、貧しい方とコロちゃんたちには「物価上昇」の悪影響が徐々に広がっているように思えます。
これを見ると、どうやら「現在の日本」においては、たとえ景気が良くとも「貧しい方」は増えていると思えましたね。
コロちゃんの「清貧」は「貧乏」の隣にいますから、この「貧しい方」の増加を注視しているのです。
それでは、現在の日本で「貧しい方」は何世帯ぐらいいらっしゃるのでしょうか?
①「生活保護 164万世帯」
日本で最後のセーフティネットと言われる「生活保護」は、間違いなく「貧しい方」と言えます。
コロちゃんは、「貧しい」という言葉にマイナスイメージは持っていません。
しかし、現在の社会では必ずしもそうではないですから、あるいは「貧しい」という言葉を使うことに批判を受けるかもしれません。
しかし、現状をハッキリと認識するために、コロちゃんはあえて「貧しい方」という言葉を使いますね。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 被保護人員、保護率、被保護世帯数の年次推移」より
https://www.mhlw.go.jp/content/12002000/000977977.pdf
出典:厚生労働省 生活保護制度の現状について 生活保護受給者数等の推移等 より(10月20日利用)
上記のグラフは、「生活保護の日保護人員等」です。
これによりますと、2020年の「生活保護」の対象者数は、200万人(164万世帯)となっています。
②「住民税非課税世帯 1218万世帯」
「住民税・県民税」は「世帯単位」で掛かってくる「税金」ですが、日本の「総世帯総数」5142万世帯のうち、「住民税課税世帯」は3924万世帯となっています。
(厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」より)
その残りの1218万世帯が「非課税」であることがわかります。
③「所得税非課税世帯 1533万世帯」
それでは、次に「所得税」について「非課税の方」はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
下記のグラフをご覧ください。
「内閣府 世帯類型・業態別の所得税非課税世帯割合」より
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2002/1216seisakukoka15-z2.pdf
出典:内閣府ホームページ 世帯業態別非課税世帯割合(所得税)より(10月21日利用)
上記のグラフは、「内閣府ホームーページ」にある「所得税非課税世帯割合」です。
見るのは真ん中のグラフですね。以下の様に記載されています。
①「課税現役世帯 65.7%」
②「非課税世帯 30.2%」
「日本の総世帯数」は、上記の「住民税非課税世帯」の項でも記載されていますように、5142万世帯です。
(厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」より)
その30.2%と言うと、1553万世帯となります。
なんか、あんまり数が多いのでコロちゃんもビックリしましたね。どっかで間違っているのかなー?
ここまで分かった「貧しい方」の数を、下記にまとめてみます。
①「生活保護世帯 164万世帯」
②「住民税非課税世帯数 1218万世帯」
③「所得税非課税世帯数 1553万世帯」
おそらく、この三つの「貧しい方」の数字は、ほとんどがダブっていると推測できると思います。
そう考えれば、「③所得税非課税世帯数1553万世帯」が「日本の貧しい世帯」と言えるのかもしれません。
ただこれで「世帯数」がわかっても人員数はわかりません。
そこで、「2020年国勢調査(総務省統計局)」を見ると、1世帯平均2.21人と出ていました。
これから計算をすると、1553万世帯×2.21人=3432万人となりますが、こんなにいるのかなー?
それとも「貧しい方」は、「単身世帯」の割合が「平均」よりも、多いのかもしれませんね。
コロちゃん
「所得税非課税」って年収103万円以下だよ。月収にすると8.6万円以下。
これはどうみても一人では生きていけないでしょ。
もっと「貧しい人」をしっかり救い上げて欲しいですね。
6.「貧しい人は増えている」
日本経済は、過去のような大きな成長ができなくなってから既に30年以上が経っています。
1991~2022年の間の「平均成長率」は、わずか0.9%と低空飛行を続けています。
それ以前の1974~1990年の期間の「平均GDP成長率」は4.2%だったのですから、「日本経済」の成長力が低下する段階に入ったと考えるのが順当だと、コロちゃんは考えています。
過去の高成長の日本でしたら、「成長して貧しい人を救う」と出来たのでしょうけれど、もうその手法は使えないと考えた方が良いのではないでしょうか。
上記で見てきたように、景気の動向は、どうやら「良い」と「悪い」の間の「踊り場」の様です。
しかし、それでも日本においては「高齢化等」の要因により「貧しい人たち」の数が増加していることは間違いがありません。
「貧しい人」の数は少なくとも1000万人以上はいらっしゃるのでしょう。
早稲田大学教授の橋本健二氏は、以下の「階級構造」が日本で出現していると主張しています。
①「資本家階級」
②「新中間階級」
③「労働者階級」
④「旧中間階級」
⑤「アンダークラス」
今までにあった「①資本家階級」~「④旧中間階級」の下に、「アンダークラス」という「新しい下層集団」が出現しているというのです。
この知見は、日本の2021年の「相対的貧困率」が15.4%だったこととも「整合的」で、説得力がある主張だと、コロちゃんは思いましたね。
コロちゃんは、景気の良しあしに関わらず、このような「アンダークラス」にいる多く(少なくとも1000万人規模)の方たちを増やさなずに救い上げる政策を願っていますよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい
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