おはようございます。最近のお天気は、雨と曇りとまた雨と、すっきりしない日々が続きますね。いよいよ「梅雨入り」が近いのでしょうか。
少し前の、晴れやかな青空が恋しいですね。早く天候が回復して欲しいです。
最近は、コロちゃんがスーパーにお買い物に行くと、いつの間にか「値上げ」している品物が増えてきています。今日は、その「値上げ」のお話をポチポチします。
1.「値上げ」と「生活」
今日のブログの「リード部分」で触れましたが、ホントに最近スーパーに行くと、いろいろな商品の値段が上がっているのですよ。
そのの感覚は、コロちゃんだけのものではありません。つい先日の新聞でも報道されていました。
その記事を、お読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
この記事では、「主要な食品メーカーが6月に前年同月の1.5倍の3575品目を値上げすると発表した」とあります。
そして「23年通年では値上げ品目が3万品目(22年は約2万5700品目)を突破する見通しだ」と伝えています。
コロちゃんが実感するだけでなく、食品以外のサービス業などの、幅広い領域で値上げが進行しているようです。
コロちゃんは、皆さんご存じの通り「清貧生活」をおくっていますから、ホントに困りますね。
2.「物価の安定」は「日銀」のお仕事
このような物の値段が上がると、コロちゃんを始めとして、世の中の「年金生活」をおくっている方のほとんどの方は、大変困ります。
何しろ、年金は前年の数値で決まっていますから、今年いくら物価が上がっても、それに対応する「賃上げ」は無いのです。
(前年の数値で今年の6月から2.2~1.9%上がっています)
困るのは、「年金生活者」だけではありません。「低所得の方々」も、数多くいらっしゃいます。その方たちも大変苦労なさっていると思います。
それでは、この「物価高騰」は何とかならないのでしょうか。お国の機関で「物価の安定」をお仕事としている組織があります。
それは「日本銀行」です。日本銀行のお仕事は「物価の安定」なのです。
以下が、それを示す「日本銀行法」の条文です。
「内閣官房 日本銀行法」より
「第二条 (通貨及び金融の調節の理念)」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/hourei/data/boja_2.pdf
「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて
国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」
参照:内閣官房 日本銀行法 より(6月1日利用)
それでは、現在の「物価高騰」の現状に対して、「物価の安定」をお仕事とする「日本銀行」は、今何をしているのでしょうか。
3.「日本銀行」は、今全力で「物価」を上げようとしています
「日銀、何やってんの、この物価高を何とかしてよ」思わずこう言いたくなりますけど、今、「日本銀行」は「物価を上げる」ことに全力を尽くしているのです。
「物価を下げる」方向じゃないんですよね。
先日5月25日に、日銀の植田総裁はインタビューでご発言なさっています。その記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
このインタビューの中で、植田総裁は、歴史的な物価高が「国民全員にかなり大きな負担となっている」との見方を示しています。
それと共に、政府・日銀が掲げる物価安定目標には「持続的・安定的には届いていない」と大規模な金融緩和を継続する姿勢を強調したと報じられています。
「金融緩和」とは、景気を良くして物価を上げる政策です。「物価安定目標」とは「2%の物価上昇率が持続・安定的に継続する状態」です。
「金融緩和政策」とは、お金をいっぱい世の中に出していく政策ですから、お金の価値が下がることになります。
お金の価値が下がるということは、逆から見れば、モノの値段が上がることです。
それをまだ続けるというのですから、まだ物価が目標とする「安定的に2%に推移する」とは考えていないということなのでしょう。
このインタビューでも、「エネルギー価格の上昇が収まり始めており、上昇率は今後下がっていく」との見通しを答えています。
コロちゃんは、いろいろ専門家の見解をポチポチ調べていましたが、やはり、ほとんどの方が今年度後半には、物価上昇率は下がってくると見ているようです。
4.「政府」は、国民の生活を守るのがお仕事
物価が上がれば、コロちゃんを始めとした底辺の方たちは生活に苦しむようになります。
それに対して、対策を行なうのは「政府のお仕事」です。それでは、その「政府」は何をしているのでしょうか。
「電気代・ガス代の補助」を行なっています。
2023年1月使用分(2月検針分)から2023年9月使用分(10月検針分)までに補助金が支払われています。
その内容は、4人家族の平均で、電気代が月3000円弱、ガス代が月1000円弱の補助額となるようです。
それ以外の食品等についての「物価対策」は、何もなされていません。
それも当たり前のことで、政府も日銀と同じく、物価を「安定的に2%に推移する」程度まで、上げたいと考えているのです。
政府としては、物価は上げたいけど、余り急激だと国民の生活に影響するから、ゆるやかに上がってほしいという所かと思われます。
今年の物価上昇率を見てみましょう。下記のグラフをご覧ください。
「総務省統計局 消費者物価指数」より
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
参照:総務省統計局 報道資料(令和5年5月19日付け)2020年基準 消費者物価指数 全 国 2023年(令和5年)4月分より(6月1日利用)
上記の引用のグラフをみても、2022年(実線)の1年間と、2023年(太線)の4月までの線は右肩上がりです。
「日銀」が物価上昇率が下がって来ると見ているのは、今年度後半ということですから、10月以降でしょうか。
果たして、その見通しが正しいのかどうか、コロちゃんはスーパーで財布の中身を覗きながら、興味津々で過ごしています。
期待とため息のどちらになるのか、10月が待ち遠しいですね。
5.賃上げの恩恵が来ない人たち
今年の春闘の賃上げは、新聞社の調査でも、連合の調査でも、経団連の調査でも、3%台後半という31年ぶりの高水準でした。
しかし、この集計は、大企業の数字です。しかし、日本には数多くの中小企業にお勤めの方がいらっしゃいます。
①中小企業
下記の引用をご覧ください。
「経済産業省 日本の中小企業」より
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chushoKigyouZentai9wari.pdf
参照:経済産業省 日本の中小企業 より(6月1日利用)
上記のグラフは、日本の大企業と中小企業の割合のグラフです。
一見してわかるように、従業員数全体の69%の方たちが「中小企業」に勤めています。この方たちのこの春の「賃上げ」は、大企業には到底及びません。
連合が5月10日に発表した春闘の集計結果によると、組合員300人未満の中小企業の賃上げ率は、3.35%と発表されていますが、それが全体に波及するものなのかが気になります。
②非正規労働者
上記で取り上げました「春闘」は、「大企業」「中小企業」ともに「正社員」の処遇についてです。
「非正規労働者」に「春闘」はありません。
下記のグラフをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/001041163.pdf
出典:厚生労働省 「非正規雇用」の現状と課題より(2月10日利用)
上記のグラフは、「正規雇用者」と「非正規雇用者」の割合と人数を表したものです。
このグラフは2021年までですが、「総務省統計局 労働力調査」(2023年1月31日発表)で、新しい結果が発表になっています。
2022年12月付で、以下の結果となっています。
〇雇用者数は6055万人
〇正規の職員・従業員数は3571万
〇非正規の職員・従業員数は2144万人
非正規用者は、前年よりも増えていますね。2144万人もいらっしゃいます。この方たちには、「賃上げ」はあるかもしれませんが、1時間あたりで数十円程度ではないでしょうか。
③年金生活者
コロちゃんは、皆さんご存じの通り「年金生活者」です。
同じお仲間の方には、お仕事を続けていらっしゃる方も多いですが、コロちゃんのように身体の不調のためリタイヤしている方も、数多くいらっしゃいます。
まずは、年金受給者の数を見てみましょう。
「厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より
「重複のない公的年金の実受給権者数は、令和3年度末現在で 4,023 万人であり、前
https://www.mhlw.go.jp/content/001027360.pdf
年度末に比べて 28 万人(0.7%)減少している」
参照:厚生労働省 年金局 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 令和4年12月より(6月1日利用)
上記のグラフで分かるように、重複のない公的年金受給者数は、4023万人です。
次に、その年金受給者4023万人の中で、働いていらっしゃる方を見てみましょう。
下記のグラフをご覧ください。
「内閣府 令和4年版高齢社会白書 就業・所得」より
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_2_1.html#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%80%81%E4%BB%A4%E5%92%8C3%E5%B9%B4,2%EF%BC%8D1%EF%BC%8D10%EF%BC%89%E3%80%82
参照:内閣府 令和4年版高齢社会白書 就業・所得 より(6月1日利用)
上記のグラフを見てもわかる通り、コロちゃんと同じ65~69歳では51.7%の方が、働いていらっしゃいます。緑色の△のラインですね。
70~74歳は、青色の□のラインで33.2%です。
75歳以上は、橙色の◇のラインで10.6%ですね。
やはり年齢が上がると、皆さんリタイヤしていらっしゃいますね。
そのうち、年金収入以外に収入のない方がどのくらいいらっしゃるかというと、下記のグラフをご覧ください。
「内閣府 令和4年版高齢社会白書 就業・所得」より
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_2_1.html#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%80%81%E4%BB%A4%E5%92%8C3%E5%B9%B4,2%EF%BC%8D1%EF%BC%8D10%EF%BC%89%E3%80%82
参照:内閣府 令和4年版高齢社会白書 就業・所得 より(6月1日利用)
上記のグラフによると、高齢者世帯における公的年金が占める割合が100%の世帯は、半数を超えています。
前項のグラフは個人単位で、このグラフは世帯単位ですから、単純にかけ合わせるわけにはいきませんが、4000万人の年金受給者のうちの、1400万世帯以上が「収入が年金のみの生活者」かと思われます。
6.政府・日銀の狙いは?
物価の安定を任務とする「日本銀行」と、国民の生活の安泰を使命とする「政府」は、多くの国民が望むことが無く苦しむことになる「物価高」を望んでいるわけではありません。
政府・日銀が狙っているのは、下記の構造です。
「賃金が上昇して消費が拡大する」→
「消費が拡大すれば物価が上昇する」→
「物価が上昇すれば、企業の売り上げが増加する」→
「企業の売り上げが増加すれば、企業の利益が上昇する」→
「企業の利益が上昇すれば、賃金が上昇する」→
一番上に戻り、そのループが繰り返される
この構造の元は、1970年代の経験です。高度成長の真っただ中では、物価が上がっても、すぐに賃金が上がって、消費がどんどん上向く「経済の好循環」が連鎖しました。
しかし、この1970年代の知見が、現在2020年代に同じように通用するかは、全く未知の領域です。
しかし、現在の「政府・日銀」は、それを信じて縋る以外に手がないようです。
7.コロちゃんの見解は?
コロちゃんは、現在行なわれている「経済の好循環」へのチャレンジは失敗すると思っています。
なぜかというと、このブログで上記しました「5.賃上げの恩恵が来ない人たち」の存在です。
これらの「賃上げの恩恵がない人たち」は、1970年代にはほとんどいませんでした。それが現在は1千万人以上のオーダーで存在します。
この方たちは、収入が上がらないのに、物価の上昇で、生活を切り詰めなければ生きていけません。
当然、この方たちの分だけ消費は下振れします。
大企業で大きな「賃上げ」のあった雇用者は消費を拡大するでしょうけれど、逆に消費を引き下げる存在との綱引きが行なわれます。
その結果は、上記の「経済の好循環」の流れを途中で立ち切ってしまうと、コロちゃんは考えています。
この結果は、来年には数字ではっきりしますから、成績表はうやむやにはなりません。コロちゃんは結果を虎視眈々と待ちたいと思います。
しかし「物価の上昇」は、「年金生活者」や「社会的弱者」へ襲い掛かりますから、「政府・日銀」は、それへの配慮をできるだけしてほしいと思いますね。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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