おはようございます。いつの間にやら5月の半ばとなりました。日にちの経つのは早いですね。
コロちゃんは、以前の2月半ばに、このブログで「大予想」を発表しました。3つの「大予想」をしたのですが、そのうちの一つの結果が出ています。
今日は、そのお話をポチポチしたいと思います。
1.「コロちゃん大予想」を憶えていますか?
皆さんは、もう覚えていらっしゃらないかと思いますが、コロちゃんは、2月19日に「コロちゃん大予想」というブログ記事をアップしています。
その内容を、もう一度読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
このブログ記事でコロちゃんは、三つの予想を発表していました。
予想① 春闘で3%賃上げは実現しない
予想② 物価上昇率は今年の後半には下がる
予想③ 経済成長率は上がらない
この三つを2月19日に「大予想」していたわけです。
そのうちの「予想①春闘で3%賃上げは実現しない」の結果が明らかになりました。
結果から言うと、コロちゃんの予想は外れて「3%以上の賃上げが実現」しています。
賃上げのデータは、集計方法の違いから調査機関によって、やや数字が異なって出てくるのですが、今回は、「日経新聞」と「連合」が発表しています。
以下で、その発表を見てみましょう。
2.日経新聞調査の賃上げ率は、31年ぶりの高水準
日経新聞の5月13日の報道によると、日経新聞がまとめた2023年の賃金動向調査で、定期昇給とベースアップを合わせた平均賃上げ率は、3.89%となっています。
これは、31年ぶりの高水準の数字であると伝えています。
この記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
この調査は、前年と比較できる308社に対して行われたそうです。
また、従業員300人未満の中小企業の賃上げ率は、3.57%となっていますが、この数字も集計可能な過去22年間で最高額だと報じています。
ただ、記事の後半では、今後「賃上げから消費につながる好循環が生まれるかどうかは不透明だ」とも書かれています。
3.連合の「第5回解答発表」は、3.67%
労働組合の団体である「連合」は、5月8日に「第五回回答集計結果」をプレスリリースで発表しています。
その内容は、3681組合の「定昇相当込み賃上げ計」で、3.67%でした。そして300人未満の中小企業2478組合は、3.35%と、いずれも比較可能な2013年以降の最高額となっていると発表しています。
連合は、この後の6月5日に第6回回答集計結果、7月5日に第7回(最終)回答集計結果の発表を予定していますが、今後も、この数字は大きくは変わらないと思います。
こちらの結果も、過去最高額ですね。上記の新聞社調査と整合的な結果となっています。
4.なぜ、政府と経団連も「賃上げ」を要請したのか
今回の賃上げは、岸田総理も、経団連会長も繰り返し訴えるという、異様な展開になりました。
本来ならば、経営者の側に立つはずの経団連までが、賃上げを訴える理由は、日本経済が成長するためには、「賃上げ」をして、消費が伸びなければならないと皆が考え始めたからです。
多くのお偉方の皆さんが「経済の好循環」を言い始めています。
その「経済の好循環」とは、以下の経路を言うのだと思います。
「賃金が上昇して消費が拡大する」→
「消費が拡大すれば物価が上昇する」→
「物価が上昇すれば、企業の売り上げが増加する」→
「企業の売り上げが増加すれば、企業の利益が上昇する」→
「企業の利益が上昇すれば、賃金が上昇する」→
一番上に戻り、そのループが繰り返される
こんなにうまく行くのかな?と、コロちゃんは首をかしげるのですが、この「風が吹けば桶屋がもうかる」的論理が、「経済の好循環」というみたいですね。
それでは、この最初のハードルの「賃上げ」が、どのくらい上がれば「経済の好循環」に繋がると見られているのでしょうか。
5.専門家は、賃上げ5%が必要
「経済の好循環」のために、日銀は繰り返し「賃上げ」を要請する発言をしています。現在、日銀が目指しているのは「物価上昇2%と賃金上昇率3%」(22年5月黒田総裁講演)です。
先月の4月から日銀の総裁は、植田総裁に変わりましたが、その方針に変更はありません。
一方で、物価目標である2%の上昇率と、整合的な賃上げ率は、4.7%程度といわれているそうです。
4.7%の内訳を大まかに言えばベア3%程度、定昇2%程度だそうです。
専門家の考えでは、「経済の好循環」をもたらすには、5%の賃上げが必要と考えられているようです。
日銀の黒田前総裁は、「賃金上昇率3%」としかおっしゃられていません。「定昇」と「ベア」にまで踏み込んだ言及はされていませんでした。
しかし、前日銀理事の前田栄治氏は、「日銀が目指している3%は『ほぼベアに相当する数字であり定昇は含まない』」とおっしゃられていると伝えられています。
上記で見てきましたように、本年2023年の「賃上げ率」は、「日経新聞調査」でも「連合調査」でも、3%台後半です。
これは、過去の賃上げ率に比べれば、著しく高い数字なのですが、「物価目標である2%上昇と整合的な賃上げ率4.7%」よりは低い3%台後半となっています。
この「賃上げ率」で、はたして「経済の好循環」をもたらすことができるかどうか、コロちゃんは考えてしまいました。
それでは、その「定期昇給」と「ベースアップ」」について、どう違うのか見てみましょう。
6.「定期昇給」と「ベア」
みなさんは、「定期昇給」と「ベースアップ」の違いをお分かりでしょうか。
以下の引用をご覧ください。
「定期昇給制度」より
「定期昇給制度とは経営学用語の一つ」
「企業が従業員の昇給を実施する際に、それを従業員の年齢や勤続年数を基準とすることであり、このことから毎年自動的に定まった金額へと昇給されていくような仕組みのことをいう」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E6%98%87%E7%B5%A6%E5%88%B6%E5%BA%A6
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「定期昇給制度」最終更新 2023年4月14日 (金) 12:52
上記の引用をみてもわかる通り、「定昇」は、毎年自動的に賃金が上がっていく制度です。
経営者にとっては、毎年従業員の新陳代謝がありますから、企業全体の人件費総額は変わりません。
次に下記の引用をご覧ください。
「ウィキペディア ベースアップ」より
「ベースアップとは、給与の基本給部分(ベース)に対しての昇給額、または率である」
「和製英語であって、実務家の間ではベアと略されることが多い。職務給が採用されている欧米には存在しない概念である」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「ベースアップ」最終更新 2020年4月14日 (火) 09:35
上記の引用をみてもわかるように、「ベースアップ」は、基本給部分そのものが上がる制度です。
日本では、一度基本給を上げると、その後に下げることが難しい社会だとされています。
企業経営者は、将来にわたって賃金総額が上昇してしまう「ベア」をあまりしたくはありません。
2000年以降、景気の低迷やデフレを理由に多くの企業で、「ベア」が無い状態が続いていましたが、本年2023年は、多くの企業で「定昇」+「ベア」の賃上げが実行されました。
前項の「日経新聞」の調査結果の3.89%も、「連合」の解答発表の3.67%も、「定昇」と「ベア」を合わせた数字です。
そのうちの「定期昇給」分は、大体1.8%程度と言われていますから、「ベースアップ」は、上記の数字より「定昇」を引いた数字になります。
今年の「ベア」は、前年比で3倍になり、過去最高だったとも報じられています。しかし、過去最高でも「定昇」+「ベア」は3%台後半です。
上記でも触れましたが、日銀の物価目標である2%の上昇率と、整合的な賃上げ率は、4.7%程度といわれているそうですから、これでも、足りないのかもしれません。
これで「経済の好循環」の次のハードルである「消費の拡大」が実現できるかが、次の課題になります。
コロちゃんは、期待しつつも、「経済の好循環」は難しいのではないかと考えています。
7.「大予想」の後の二つは当たるかな?
コロちゃんの「大予想」は、まだあと二つ残っています。
予想② 物価上昇率は今年の後半には下がる
予想③ 経済成長率は上がらない
上記の二項目です。最終結果の発表は来年になりますけど、月例報告などがありますから、年内でもある程度の数字は確認できます。
経済の数値が教えてくれることは、半年遅れぐらいで、私たちの生活に影響が出てくることが多いですから、実は身近な問題なんです。
コロちゃんは、興味津々で、経済の動向を注視しています。皆さんもご興味を持たれることをお勧めしますよ。ニュースを聞くことが、より楽しくなりますよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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