【経済考】「貯蓄」が多いってダメなの?

経済

おはようございます。今朝は、もう3月に入ってからだいぶたつのに、まだ「冬の気候」でしたね。

ワンコとの散歩で歩いていると、手袋の中の指先がジンジンと痺れてきました。帰宅後に気温をみたら、何と1度です。

ほとんど「真冬の気温」でしたね。空を見上げるとちょうど朝日が上がり始めていました。寒い気候だと、どうして朝日がきれいなのでしょうね。

コロちゃんは「早く暖かい春がこないかなー?」と、思いましたよ。どうやら来週には暖かくなると天気予報で言っていましたから、今一息というところみたいですね。

下記に、今朝の日の出の光景を添付しますね。気温は寒かったですけれど、空気は清涼で気持ちよかったですよ。

下記の日の出のフォトを添付しますね。朝の清涼な雰囲気をご堪能下さい。

今日は「貯蓄したらダメなの?」をカキコキします。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「中国の過剰貯蓄をどう考えるかと、1970年代以降の日本の対米貿易摩擦」

☆「中国の不動産ブームの代わりはあるのかと、世界の経常収支と外貨準備ランキング」

☆「日本の生存条件は平和しかないと、北京でのお食事」

1.「中国の過剰貯蓄をどう考えるか?」

コロちゃんが、新聞をバサバサ読んでいたら「中国の過剰貯蓄、解消必須」という記事に目を止めました。

この記事は、「フィナンシャルタイムス」の「チーフ・エコノミクス・コメンテーターのマーティン・ウルフ氏」の署名記事です。

この記事は「中国の貯蓄は世界の総貯蓄額の28%を占めている。米国とEUを合わせても33%だから、中国のそれよりいくらか下回るだけという中国の現状は異常だ」と考察しています。

そして、その内容で「中国は新しいマクロ経済戦略が必要だ」として、「単に景気刺激策を打てばよいとするような単純な話ではない」と言っているのです。

すなわち、マクロ経済の構造的問題だから「所得と支出の分配を変える必要がある」と指摘しているのです。

この内容は、コロちゃんにはちょっと難しい内容なのですが、出来るだけわかりやすく解説してみたいを思いますね。

まずは、過去の日本とアメリアであった話から始めましょう。

2.「1970年代以降の日本の対米貿易摩擦」

コロちゃんが、この記事に目を止めた理由は、1970~1980年代の「日米貿易摩擦」が頭にあったからです。

その当時の「日本」は、巨額の「対米貿易黒字」があり、その逆の巨額の「対日貿易赤字」を抱えた「米国」から、強烈な「黒字減らし」の圧力を受けていたのです。

その頃の「中国」は発展途上の農業国でしかありませんでした。

「アメリカ」はニクソン大統領の時代で「米中国交回復」は1971年です。そして「日本」の田中角栄総理が北京で「日中国交回復」を行なったのは1972年の事でした。

その当時は、巨額の「貿易赤字」を抱えた「アメリカ」の矛先は、鏡を見るように巨額の「貿易黒字」を抱えた「日本」に向かったのです。

当時の「日本」では、アメリカ様には逆らえませんから、1986年には「前川リポート」を出したりして「内需拡大で黒字減らし」の約束をするなどをして、その後のバブル経済の原因をつくっています。

アメリカの言い分は、コロちゃんにもよくわかる理屈です。

当時のアメリカでは巨額の「対日貿易赤字」があるのは、日本が不公正な貿易慣行があるからだとして「規制・輸入障壁の撤廃」や日本の「内需拡大」を求めてきたのです。

「規制・輸入障壁の撤廃」がなされれば、アメリカの「対日輸出」が増え、また日本で「内需拡大」が行なわれれば、「対米輸出」が減るという理屈ですね。

しかし、この時点でも「経済学者」などからは、違った見解の発言がなされていたのです。

それは「マクロ経済」の視点なのですが、一国の「経常黒字+国内投資」=「国内貯蓄」となるというのです。

この観点から言えば、アメリカの「対日赤字」は、アメリカ国内の「貯蓄」が少ない事がその理由となります。

そして、日本の「経常黒字」が大きい理由は、「国内貯蓄」が多いことが理由となります。

この時代の「アメリカ」と「日本」の摩擦は、バブルの一因となった1985年の「プラザ合意※」につながりました。

(プラザ合意:1985年の先進5ヵ国蔵相・中央銀行総裁会議(G5)での合意。 アメリカのレーガン政権がドル高政策からドル安政策に転じるために開いた)

そしてその後1990年代に入ると、「対米黒字」の相手が「日本」から「中国」に変わることにより収束していきました。

「アメリカ」の矛先が、「日本」から「中国」へと変わったのですね。

このように、貿易における過剰な黒字・赤字は、その国の「国内貯蓄」が原因となっているというのが、「経済学者」のマクロ経済上の見解のようです。

コロちゃんは、過去の1970~1990年代の経済史を読む中で、その知識を上辺だけですが、読んでいたものですから、今日の新聞記事での「中国の過剰貯蓄」にちょっと反応しました。

それは、現在時点の「中国の不況」が、構造的要因だとしたならば長く続くことになるからです。それは当然近隣にある「日本」にも大きな影響をもたらすと考えたのです。

3.「中国の不動産ブームの代わりはあるのか?」

ここで冒頭の「フィナンシャルタイムス」の「チーフ・エコノミクス・コメンテーターのマーティン・ウルフ氏」の署名記事に戻ります。

この記事では「中国」では、「貯蓄率」がGDP比で40%を上回る高水準が続いているとしています。

ここで、上記の「マクロ経済の方程式」をもう一度見てみましょう。

◎「経常黒字+国内投資」=「国内貯蓄」

これを説明すると「巨額の過剰貯蓄」があると、国全体としては「巨額の経常黒字」か「巨額の国内投資」がなければバランスないがとれなくなります。

そして「高い貯蓄率」が変わらないとするならば、「経常黒字or国内投資」を増やさなければ、景気後退(不況)によって、強引にバランスの均衡に追い込まれることとなります。

要するに「マーティン・ウルフ氏」は、「中国」は長期停滞を回避するために2008年のリーマン危機までは「巨額の経常黒字」が、その後は「不動産ブーム」が必要だったと言うのです。

そして「不動産ブーム」が終焉した今となっては、上記の方程の「国内投資」が激減したわけですから、その穴埋めをする方法は三つしかありません。

下記に、もう一度上記の方程式を書いておきますね。皆さんも、「不動産ブームの穴埋め方法の三つ」をお考え下さい。

「◎経常黒字+国内投資」=「国内貯蓄」

はい、ここで回答を書きますね。「国内投資(不動産ブーム)」が激減する穴埋め方法は、下記の三っつです。

◎「不動産ブームの穴埋め方法」

❶「不動産の代わりのブームを起こす」
❷「経常黒字を拡大する」
❸「国内貯蓄を減らす」

もし、この上記の「穴埋め方法❶❷❸」がなされない場合は、経済学では「経済の縮小(不況)」によって調整がなされるとなっています。

ただ、「マーティン・ウルフ氏」は、「国内貯蓄」の水準が保たれて「国内投資」が減少した場合の解決法として、下記の様に記載しています。

「その解決として『貯蓄』は海外へ流出し、その利子や配当の受け取りにより、経常収支の黒字が増える」

そうすると、その「経常黒字」を引き受ける国がどこかにないとりません。

(世界各国の「経常黒字」と「経常赤字」は全て合計するとゼロとなる)

その相手として、「マーティン・ウルフ氏」は「高所得国ではない」として、「小さな新興国や途上国にならざるを得ない」とし、事後的にはグラント(無償援助)になるはずだとしています。

要するに「中国」は返す当てのない国に、無償で投資しないとならなくなると言っているのです。

最後に「高い貯蓄率」が続くならば、「不動産投資」の代わりの何かの投資で埋め合わせる(再生エネルギー投資)か、「製造業」へのさらなる投資拡大をあげています。

そして「所得と支出の分配を変える必要がある、指導部がそれを望まなくとも、状況が否応なくそうした方向に向かわせることだろう」と〆ています。

コロちゃんが、この記事を読んだ感想としては、とにかく「中国」は何でも大きいから、ちょっと身震いしただけで、周りの諸国が震撼することになると言う事です。

当然にして「不動産ブーム」の代わりになる産業などは、おいそれとは見つからないでしょうし、海外へ資本輸出するにしても軋轢はありそうですね。

そして「中国」が「過剰貯蓄の解消が必須」だとしても、どのようなプロセスとなるのかは分かりませんが、それが社会の不安定化をもたらさずに出来るのでしょうか。

そのあたりはよくわかりませんが、コロちゃんが思ったのは、「中国の景気停滞はどうやら構造的なもので長期間続きそうだ」と言う事です。

当然にして「日本経済」への影響も大きいでしょうね。「中国の停滞」はまだ始まったばかりのようです。

なお、この「フィナンシャルタイムス」の「チーフ・エコノミクス・コメンテーターのマーティン・ウルフ氏」の署名記事を読みたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

[FT]中国の過剰貯蓄、解消必須 中央政府まず支出拡大を - 日本経済新聞
中国は世界の貯蓄大国だ。かつては投資の機会が潤沢で、急成長している国では、巨額の貯蓄は大きな資産だった。だがその巨額貯蓄は頭痛の種にもなりかねない。不動産ブームが終わった今の中国では、この巨額の貯蓄にどう対処するかが重大な課題となっている。中国政府は大胆な解決策を講じなければならない。国際通貨基金(IMF)によると、2...

4.「世界の経常収支と外貨準備ランキング」

今日は「中国の貯蓄率と経常黒字」が主なテーマでしたので、ここで「世界の経常収支と外貨準備のランキング」を見て、「日本」の世界での位置を確認してみましょう。

見ると以前よりもランキングが落ちているデータもありますから、がっかりするかもしれませんよ。

①「経常収支ランキング」

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「ウィキペディア  国別経常収支の一覧」より

ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「国別経常収支の一覧」最終更新  2021年8月9日 (月) 07:34

上記は「経常収支黒字ランキング」です。トップは「中国」ですが、我が「日本」は3位となっていますが、実はこれは2015年のランキングなのですよね。

別のデータで2022年を見ましたら、トップの「中国」は変わりませんが、我が「日本」は第8位に落ちていました。

ちなみに、その2022年のトップ3は、①「中国」、②「ロシア」、③「ノルウェー」でした。なんと2位が「ロシア」なのですよ。資源輸出が大きいのでしょうね。

またここには「経常赤字ランキング」も載っていますが、世界の赤字ランキングトップ3は、以下の通りです。

◎「経常収支赤字ランキング」

❶「アメリカ」
❷「イギリス」
❸「ブラジル」

やはり「アメリカ」が断トツのトップです。「アメリカ」は、国内貯蓄が少ないですから、上記で見た「経済学の方程式」どおりに「経常赤字」は大きくなります。

「アメリカ人」は「国」としては、お金を貯蓄せずに借金して消費しているんですよ。「ドル」が「基軸通貨」だからできることですね。

いくら借金しても、ドル札を刷って払えばよいのですから、うらやましいですね。

②「外貨準備ランキング」

毎年「貿易収支」が黒字となると、個人の貯蓄と同じく「外貨準備」が貯まっていきます。

もしも「経済危機」でも起これば、資本移動が自由化された国では、国内からの流出が始まりますから、ある程度の「貯蓄」が必要なのは、国家でも個人でも同じです。

それでは、次に「外貨準備ランキング」を見てみましょう。「日本」は沢山貯めているのでしょうか?

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「ウィキペディア  各国の外貨準備高一覧」より

ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「各国の外貨準備高一覧」最終更新  2023年12月12日 (火) 10:28 

上記の「世界各国の外貨準備ランキング」をみると、1位は「中国」で、2位が「日本」となっていますね。

アメリカは21位と、ずいぶん低い位置にいます。ただ、これは「アメリカ」にとって「ドル札」はいくらでも刷れば増やせますから、一応このくらい持っておくかと言う事だと思います。

この「アメリカ」のちょっとズルい「ドル本位制」は、いつまで続くのでしょうか?

今のところ揺らぐ気配はありませんが、遠い未来では分かりませんね。

もし、世界の「基軸通貨ドル」が揺らいだ時に、頼れるのは「金(ゴールド)」しかありません。

③「金保有ランキング」

それでは最後に、世の中の女性たちを魅了する「世界の金保有」を見てみましょう。

◎「世界の金保有」(2024年1月)

①「アメリカ:8133㌧」
②「ドイツ :3353㌧」
③「IMF   :2814㌧」

⑦「中国:2245㌧」
⑨「日本:845㌧」

おー、おー、「アメリカ」は、外貨準備(㌦)は世界21位でも、「金保有量」はナンバー1ですね。やはり「金」は力がありそうです。

「日本」もインフレで価値が減価するドル札よりも、金保有を増やした方が良いような気がしますけどね。「アメリカさん」に配慮しているのでしょうか。

上記のように「経常収支、外貨準備、金保有」を見てきましたが、少しずつランキングが落ちて来た「日本」ですが、まだまだ「世界での存在感」はあるようですね。

コロちゃんは「野次馬」ですので、あまり急落しない程度の位置を「日本」がキープできれは良いなと考えていますよ。

5.「日本の生存条件は平和しかない」

今日は「中国の過剰貯蓄」とその今後の行方についての考察を見てみました。ついでに「世界から見た日本の経済的指標」も見てきました。

コロちゃんの視点は、「日本」は「食料とエネルギーで世界と繋がらなければ生きていけない国」というものです。

何しろ、「日本」の「食料自給率」は「カロリーベース:38%」です。4割に満たないのです。

コロちゃんは、1993年に起きた「平成の米騒動」を思いおこします。それは1993年に記録的な冷夏が発生し、その年の秋にコメが大不作となったのです。

この1993年の冷夏の原因は、1991年に起きた「20世紀最大級」ともいわれるフィリピン・ピナトゥボ山の噴火が原因だと考えられています。

噴火の噴煙が、地球の高層圏をぐるりと覆ってしまったのです。

1993年のコメ需要量は1000万㌧でしたが、その年の収穫量が783万トンになり、およそ200万㌧の不足になったと言われています。

(農林水産省は2023年の米需要量を681万㌧と予測・発表しています。大分減りましたね)

当時の政府は、タイ・中国・アメリカから合計259万㌧のコメの緊急輸入を行ないましたが、食味の違いは米種の違いから、「美味しくない」との声が多数上がりましたね。

コロちゃんの亡き妻も、当時「タイ米の食べ方」を近所の奥さんたちと集まって研究・調理をしていたことを思い出します。

そして、どう調理しても「美味くない!」と会話をしていたのを憶えていますね。

このように、「日本」はひとたび食料が不足すると、社会が大きく動いてしまう歴史を持っています。現在では食料品の6割は海外に依存しているのです。

また「エネルギー海外依存度」は以下の通りとなっています。

◎「エネルギー海外依存度」

➀「原油  :99.7%」
②「天然ガス:97.8%」
③「石炭  :99.7%」

上記のように、「日本」はほとんどの「エネルギー」は、海外に依存しているのです。

そうなると「日本の生存条件」は、周囲との平和が欠かせません。

例え、少々気に食わないお隣さんがいても、じっとこらえて仲よくするしかないというのがコロちゃん考えですね。

6.「北京でのお食事」

すでに何回か、このブログでコロちゃんの過去の「北京旅行」について書いていますが、今日は「食事」について気が付いたことを書いてみますね。

コロちゃんは、今は亡き妻と結婚前だった「次男」との3人で「北京」に観光旅行に行きました。

その時にコロちゃんは、「食べる」という行為は「社会文化」だと言う事がわかりましたよ。だって「中国のメニュー」は、美味しくないのです。

日本人の口に合わないのですよね。

「麺類」を食べても、日本のラーメンとは全く違う味付けで、そうそう「チャーハンもどき」はまだ食べられましたが、「汁物」は微妙に味付けが日本とは違いましたね。

コロちゃんは、食事の味付けは、それぞれの国の独自の「社会文化」だと言う事が良くわかりました。

「美味しい」という価値観は、普遍性がないのです。国によって「美味しいの基準」は異なるのです。

コロちゃんたちは「朝食」も、街中の普通の食堂のような所で食べましたが、「中国の一般の方たち」が朝から子ども連れで「朝食」を食べている姿は、日本とは違う雰囲気を感じましたよ。

おそらく「中国」では、共働きだと思うのですが、家族そろって「朝食」を外で食べ、そのまま職場に向かうのが当たり前の風景なのでしょうね。

コロちゃんたちは、その「北京の朝食風景」を楽しみながら、あちこちを見て回りました。楽しかったですよ。

「朝食」の味付けが違うのも「異文化体験」と思えば、また楽しかったですよ。

今日は「中国の過剰貯蓄」のお話しから、あちこち話が飛びましたが、コロちゃんは「日本」はすでに海外の出来事に無関心ではいられない時代にあると考えています。

ですから、普段から世界の出来事にはアンテナを高くして、感度よく知見を拡げなければならないと思いますよ。それにいろいろ知ることは楽しいですよ。

皆さんも、ぜひいろいろ興味を拡げてみて下さいね。あとで楽しくなることもありますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

RalphによるPixabayからの画像
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