おはようございます。今朝コロちゃんが新聞をバサバサ読んでいて、「ん?」と首を傾げたことがあったんです。
いえいえ、何か「気になる記事があった」わけではないんですよ。そうではなく「気になる記事が無かった?」んです。
それは昨日の夕刊1面に載っていた「実質賃金11月3.0%減、20か月連続減少、マイナス幅拡大」という経済記事です。
それが、翌朝の今日の紙の朝刊には出てなかったのです。
だいたい夕刊に載った重要な記事は、翌日の紙の朝刊でも報じられるんですよね、普通はね。
コロちゃんは、「物価と賃金」にはいつも注視していますから、朝刊に掲載されていないことに気が付きましたけど、普通は絶対に気が付きませんよね。夕刊取っていない方も多いですし。
コロちゃんは、この「実質賃金減少」を報道されるとイヤな方への「忖度」があったのかなー? なんて想像しちゃいましたよ。
だって、これまでは「毎月の実質賃金の記事」は、必ず紙の朝刊に掲載されていたのに、今回に限って載っていないんですものね。
コロちゃんの邪推だとお笑いください。紙面の余裕がなかっただけかもしれませんよね。その記事を下記にリンクで貼っておきますね
今日は「インフレは続くのか?」をカキコキします。
0.「今日の記事のポイント」
コロちゃん
今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。
☆「物価の第一人者と、インフレはいつまで続くのか?」
☆「インフレはなぜ起こるのか?、インフレは終わらない」
☆「交易条件の悪化による所得の流出は、労働者と中小企業がかぶる」
☆「労働者と中小企業への補填と、コロちゃんはどう考えるか?」
1.「物価の第一人者の経済教室」
コロちゃんは、いつも日本経済新聞の記事の中の「経済教室」という論考を楽しみに読んでいるんです。
だって、毎回大学のお偉い教授様が、素人の一般人にもわかり易い書き方で、高度な専門知識を開陳してくれるのです。
今日読んだのは、「渡辺努東京大学教授」の「物価の現状と展望:2%定着へ所得保障強化を」という「経済教室」でした。
この先生の専門は「マクロ経済学」、「国際金融」、「企業金融」となっていますが、現在の日本で「物価に関する第一人者」と言われています。
内閣府の「経済財政諮問会議」のメンバーでもあり、政府の「財政政策」にも関与なさっていますね。
とにかく、偉ーい先生なのですが、コロちゃんはこの先生の下記の本を読んで、コロナ禍のインフレについての知見を拡げたこともあります。
なかなかわかりにくい経済学を、素人向けにやさしくかみ砕いた本でした。コロちゃんは興味深く読みましたよ、お世話になりました。
(*ᴗˬᴗ)⁾⁾感謝♡
2.「インフレはいつまで続くのか?」
コロちゃんは最近スーパーに言っても、値上がりの品目が多くなっていて、いつごろから「物価上昇」が始まったのかを思い出そうとしても、ずっと前からとしか思えなくなっています。
しかしデータを見ると、「消費者物価指数(生鮮食品を除く)」が対前年比で2%を超えたのは、2022年4月のプラス2.1%です。
ですから約2年前から「物価上昇(インフレ)の動き」が始まったわけですね。
そう思うと、もう2年間も「物価が上昇」しているわけですから、私たちの生活もその分「ひっ迫」するのも無理はありませんよね。
そこでこの「物価上昇のインフレ」は、これからずっと続くのか、それとももう少し先には下がることになるのかを、コロちゃんだけでなく多くの方たちの関心の的になっていると思います。
そのような時に、日本で「物価については何もかも知っている」ような偉い経済学の先生が「経済教室」で、現在の「物価の状況」をやさしく説明してくれているのです。
コロちゃんは、興味津々で読んでみました。
結論を最初に書いておくと渡辺先生は、「インフレはいつまで続きます」とはおっしゃっていません。
そうではなくて「2%のインフレが続くようにしよう」と主張しているのです。
これはコロちゃんの見方なのですが、「経済学者の常識」として下記の様な認識があるようです。
「賃金が上昇せずに物価が上昇することは普通はあり得ないことだ」
「物価上昇率が賃金上昇率を上回った例は、過去に2回のみで1980年のオイルショックと2007年の国際商品市況の高騰時のみ」
ですから、「経済学者の考え」としては「2%の物価上昇とそれ以上の賃金上昇のセットが平常」という考えがあるようなのです。
ですから「インフレはいつまで続くのか?」という問いには、「2%のインフレが今後も持続するようにこれこれをしようね」という答えとなっていますね。
3.「インフレはなぜ起きるのか?」
「渡辺努教授」は、日本の物価の第一人者の偉い学者ですから、「インフレの原因と対処」について何もかも知っていると思われますが、実は違います。
それは多くの「経済学者」も「エコノミスト」も、ここ30年間日本で物価が上がらなかった理由がわからなかったことからも明らかです。
原因がわかっていたら、直ぐに解決できますからね。いろいろ理由は上げられましたけど、結局はわからなかったのです。
そして30年経った現在に、どうやら「インフレの持続性を決めるのは人々のインフレ予想」にあるようだとわかってきたようです。
この「経済教室」の論考では、「2022年の春を境に物価は上がるものだという感覚を日本の多くの消費者が持つようになり、それが定着しつつあると言う事だ」としています。
コロちゃんはここを読んだ時に、黒田前日銀総裁が2015年に発言した「ピーターパンの物語」を頭に浮かべました。
当時の日銀は、「金融緩和」をいくら進めても上がらない物価に汲々としていました。
その中で当時の黒田総裁は、挨拶で下記の様に発言したのです。
「ピーターパンの物語に『飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう』という言葉があります。大切なことは、前向きな姿勢と確信です」
この発言は要するに「みんなが物価は上がると信じれば上がるんだよ」と、おっしゃったのです。
逆に「物価が2%に上がらないのは、みんなが信じてないのが悪いんだ、日銀のせいじゃない」という意味もあったのかもしれませんね。
◎2015年の当時の日本人の多くは「物価が上がらないと考えていた」から物価が上がらなかった。
◎2022年4月以降の日本人は「物価は上がるものだと考え始めた」から物価が上がった。
「渡辺努教授」のおっしゃる「日本人のインフレ予想が上がった」との説は、このピーターパンの寓話と似ていますが、経済学という学問の世界では「学説」として成り立っているようです。
4.「物価上昇(インフレ)は終わらない」
「渡辺努教授」は、インフレの原因は「日本人のインフレ予想」にあるという前提に立つと、これからやらなければならないことが見えて来ると続けています。
それは今後なすべきことは、この「日本人のインフレ予想」を「定着(アンカー)する」ことだと言うのです。
コロちゃんが望んでいる「インフレを終息させる」こととは、真逆の方針です。
その理由は上記でも書きましたが、「経済学者の常識」として「経済は賃金が上がって物価も上がるのが正常な状態」という認識にあります。
そしてその「日本人のインフレ予想を定着」させるためには、「物価が上がってそれ以上に賃金が上がった」のが「好循環の1周目」で、その後には「好循環の2周目」に入らなければならないと言うのです。
5.「交易条件の悪化による所得の流出は、労働者と中小企業がかぶる」
「渡辺努教授」は、好循環の2周目に入るためには「実質賃金が下がり続け」ていてはダメだと言います。
そこで「実質賃金はなぜ下がり続けているか?」を説明するのですが、ここがコロちゃんには一番難しかったです。
何回も読みなおしたり、ネットをポチポチしたりして、やっと雰囲気程度はわかりました。
「日本の交易条件(輸出物価を輸入物価で割った値)が、輸入価格の上昇に伴い2021年以降悪化してきた」と言います。
その「交易条件の悪化とは日本人の富が海外に流出することを意味する」として、その「所得を奪われたのは、第1に労働者であり、第2に中小企業だ」というのです。
これは難しいでしょう? コロちゃんがわからなくても無理ないでしょう?
σ( ̄^ ̄)はて?
コロちゃんはポチポチして、以下の説明を見つけました。
◎「交易条件悪化時の個人消費への波及経路」
①「商品市況高騰」⇒
②「輸入物価上昇、所得が海外へ流出」⇒
③「賃上げ率を上回る物価上昇、家計の実質購買力低下」⇒
④「個人消費の抑制」
コロちゃんが上記の流れを読んで理解したのは「②輸入物価上昇、所得が海外へ流出」となると、その「流出した所得」を、企業が負担すれば企業収益の減少となります。
そうなると企業は「賃上げの余力」がなくなり「実質賃金」が低下します。
そして、企業が商品価格に上乗せすると「物価上昇」となって「消費者が負担する」ようになると言う事でした。
ここで初めて「渡辺努教授」のおっしゃる「下記の方程式」が理解できました。
①「交易条件の悪化」⇒
②「富の海外流出」⇒
③「流出した富(所得)を奪われたのは『❶労働者』『❷価格転嫁が出来ない中小企業』」
企業収益が減少しても、物価上昇が進んでも「実質賃金は低下」しますから、2周目の「経済の好循環」の連環が途切れてしまうので、その対策が必要と「渡辺努教授」は主張するのです。
6.「2周目は、労働者と中小企業への補填」
「努渡辺教授」は、「2周目の経済の好循環」の為には、今回の経済対策(4万円減税等)は、「労働者」と「中小企業」に所得の流出分を補填する政策であり適切だと言い切ります。
コロちゃんは、ここで「4万円減税」のバラマキの擁護が出てきたことにビックリしましたね。ただおそらく岸田総理はここまで考えてなかったんじゃないかなー?
ʅ(。◔‸◔。)ʃ…ハテ?
そして「財政」についても、2%のインフレが続けば、0%の時と比べて政府は166兆円の得をするとしています。
ここで「試算の詳細は、経済財政諮問会議資料参照」と記載がありましたので、コロちゃんは早速そちらを見てみました。
そこには下記のような記載がありました。
「インフレ率ゼロ%の経済からインフレ率2%の経済に移行したとする。9年2か月の間に物価水準は1.199倍に上振れる。」
「したがって、政府債務の実質的な残高は1000兆円/1.199=834兆円に減る。つまり、政府は2%経済への移行で166兆円を得る。」
このような内容でした。そして「渡辺教授」は、「インフレで得をするのはいつの世でも債務者であり、日本で最大の債務者は政府である」と、「インフレ政策」を強く勧めていますね。
なんかコロちゃんは、「政府の放漫財政の後始末」を、庶民が苦しむ「インフレでチャラ」にしようとしているように見えて、ちょっと不愉快ですね。
この「渡辺努教授」の財政諮問会議の資料を読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/1221/shiryo_07.pdf
7.「コロちゃんはどう考えるか?」
コロちゃんは、市井のおじいちゃんですから、さほど経済に詳しいわけではありません。
しかし、この「渡辺努教授」の論考は興味深く拝見しましたけれど、「物価」というわかりにくい存在を「人々のインフレ予想」という、より指標で不確かな指標で判断することが正しいのか疑問も感じます。
10年ほど前の2013年の事ですが、日本銀行の岩田規久男副総裁は「デフレは貨幣的現象だ」と就任記者会見でおっしゃって、その後「日銀」は市中にお金を大量に供給しました。
そして10年経った今では、「世の中に出回っているお金(マネーストック)と物価上昇率」とは関係がない事がハッキリしています。
そのくらい「経済現象とは専門家にもわからないものだ」と、コロちゃんは考えています。
だから、今回の新聞の論考で「渡辺努教授」が「インフレの持続性を決めるのは人々のインフレ予想だ」とおっしゃられていても、素直にそうかと納得はしがたいですね。
そして、インフレで苦しむのは「年金生活者」などの社会的弱者です。インフレを進めようと言う政策には違和感を感じます。
何よりも「インフレを進めれば成長できる」との確証は聞いたことがありません。
コロちゃんは「成長すればインフレになる」とは聞いていますが、その逆の「インフレを起こせば成長できる」が成立するかどうかは疑問を持ちますね。
コロちゃんは、今後一時的に物価が上昇しても、いずれは「潜在成長率」や「GDP成長率」と同じ程度の0%台に収れんしてしまうのではないかと、ぼんやりと感じています。
「日本」はもう高い成長を成し遂げる時代は終わったように思えるのです。
それがハッキリわかるのは、あと数年後のこととなるでしょう。コロちゃんは、今後も興味深く見続けていますよ。
なお、この「渡辺努教授」の「経済教室」をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい
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